ダンジョン都市グリアル
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七年前、後に【ダンジョン】と呼ばれるものが発見された。
【ダンジョン】とは何なのか_____________
いつ創られたのか__________________
誰によって創られたのか_______________
何の為に現れたのか_________________
それを知るものは誰もいない。
唯一分かる事は、誰一人【ダンジョン】攻略が出来ていないということだ。
曰く、伝説の竜を連れたテイマーが挑んだ____
曰く、最強と謳われる剣豪が挑んだ_____
曰く、最強と謳われる魔導師が挑んだ_____
曰く、最強と謳われる帝国騎士団総勢一万人が挑んだ___
曰く、どのような罠も解除出来る最巧の盗賊が挑んだ__
しかし、どんな歴戦の猛者達も戻ってくる事はなかった。
その事に、ある者は【ダンジョン】を恐れ、ある者は【ダンジョン】に数多の財宝を期待し、ある者は【ダンジョン】に力を求め、誰しもが【ダンジョン】に夢を抱いていた。
【ダンジョン】は未だ攻略されていない_________
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ダンジョン都市グリアル
この都市は、第一ダンジョン【ユミル】により発展した。人口約五万人。ダンジョンを中心にした放射環状路型都市だ。ダンジョンに集まる者は、冒険者、観光客、行商人である。冒険者は、ダンジョンに挑むため。観光客は、ダンジョンを一目見るため。行商人は、集まる人々で一儲けするため。
つまり、ダンジョンには人が集まる。
しかし、数年前からダンジョンに挑む冒険者はかなり減少している。原因の一つは、全くといっていいほど情報がないのだ。なぜなら、ダンジョンに入ると出ることが出来ないため誰一人情報を持ち帰ることができないのだ。ただわかっていることは、入口は別の空間に繋がっており、攻略する事でダンジョンから出ることが出来るだろうということ。また、ダンジョンは世界中で発見されており場所によって建造物であったり洞窟に繋がっていたりするらしい。また、ダンジョンは外部から破壊する事は不可能であった。そして、誰一人ダンジョン攻略者は現れていないということだ。
そのダンジョンに僅か十四歳の少年が挑もうとしていた。端正な顔立ち。色白な肌に珍しい灰髪。年相応な小柄な体型。腰には駆け出しの冒険者が使う簡素な剣二本が携えてあり、装備は特にしておらず少し質の良さそうな胸当てのみ。彼の足取りに迷いはなく、ダンジョンに真っ直ぐに向かっていた。
ダンジョンの入口に立った彼には視線が集まっていた。
「お!とんだビギナーが挑もうとしてるぜ!」
「ほっとけほっとけ、どうせビビって帰るにきまってるさ」
「ガキが来る場所がねーしな!はっはっはっ!」
「あの子大丈夫かしら?止めた方がいいのかしら?」
「はっ、止めとけ!あいつ男してるんだぜ。俺があいつだったら死にたくなるね」
彼は振り返り、視線を向ける彼らに嘲笑浮かばせる。
「俺はジークハルト!これは俺が攻略する。残念だったな、自称冒険者?出迎えご苦労であります!」
誰もが言葉を失った。彼に、何を言われたのか分からなかった。
彼は満足そうな顔をすると入口に入っていく。
彼がいなくなった後、ダンジョン都市に冒険者の怒り声が響き渡ったのはすぐの事だった。
だが、彼らはしらない。彼が停滞していた【ダンジョン攻略】を動かすことを。
彼らは知らない。この日を境に世界が変わり始めることを。
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