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アネラルの花

初投稿となっています。お手柔らかに。楽しんで読んでいただけたら幸いです。

「っ…どうしてっ…どうしてこの世界はこんなにも彼のことをっ…!」

泣き叫ぶ私の前には今まで何十年…いや、何百年と共に過ごしてきた愛すべき恋人の血にまみれた姿があった。


- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

「ーん……さん!…お客さん!起きてください!」

「んぇ…?」

「んぇ?じゃないですよ!目的地のコノリロ3番街!」

「ん、あぁ、ごめんごめん。」

俺は目的地まで送ってくれた馬車に運賃を払い、賑やかな街へと降りる。ここはラテール国コノリロ3番街。この街には世界一大きな魔術師育成学園がある。俺はそこへ入り、ある少女との約束を果たすのだ。あの日、12年前。俺が大きな過ちを犯してしまったあの日。血だまりにたたずむ俺に見知らぬ少女はこう言った。

「ラテール魔術学院へ。」

あの少女が誰なのか何者なのか俺は全く知らないし顔も今では思い出せない。しかし何故だかそこへ行かなければならない気がしたのだ。ラテール魔術学院は17歳から入学可能となっている。そして現在ソラン=ミルニクディア。ピッチピチの17歳!入学試験をギリギリクリアし入学することができた。というか本当ならば不合格だったのだが俺の体質のおかげで特別合格となった。体質と言うのは「水性特級者」。魔術師の中で火、水、木、光、闇。五属性の各属性たった1人ずつその属性との相性がとても合う超級者がいる。その水属性が俺だ。それでもなぜ不合格だったかというと俺が水属性魔法しかできないからだ。まぁだから水性特級者の俺が今試しに木に向けて打った小形水魔法が通りがかりの女の子に命中!なんてことは…ないわけで。ないよね。うん。

「ちょっとそこの貴方!!ないよね。うん。じゃないわよ!あるわよ!大ありよ!」

ってえ?ありましたね。はい。

そこにはとてつもなく美少女(ただし下着透けてるよ)がいた。

綺麗な金髪ロングに横を少し編み込み、小さなリボンをつけた髪型の純白下着の可愛らしいらしい美少女が。

「え…っ?!す、透けt…○▽※★?!!?っ!」

今下着が透けてることに気づいたらしい美少女は真っ赤になりよく分からない言葉を発してこちらを睨んでいた。

「ご、ごめん。少し敷地内で試し打ちをしようとしただけで君に命中させるつもりはなかった!」

とりあえず謝る。それでも彼女はこちらを睨む。ほんとにそんなつもりはなかった。

「ごめん。替えの着替えはこっちで用意するから!それと小さなお詫びとしてアネラルの花でも…」

「アネラルの花……」

彼女は鞄からタオルを出し、体にかけると何故かアネラルの花を愛おしそうな、それでいて悲しそうな顔で見つめると、大事そうに受け取った。

「…?」

と、そこでメイド服を着た綺麗な女性が小走りにやってきて彼女に「お嬢様、先程付近に2人あちらの暗殺者が紛れていたので排除しておきました。」と少し小声で言った。暗殺…者…?俺は嫌な汗が流れる。

「メイリィ!ありがとう。でも何故ここに…?……もしかしてそこの変態が水性特…」

俺は彼女が言葉を言い終わる前に「ごめん!着替えはまた今度届けるから!」と言い残し走りだした。

「ちょっとまって!貴方が水性特級者なら危ない!そっちへ行かないでっ!!!」

「えっ??…あ?…ぅあ…」

その呼びかけが聞こえた瞬間心臓に突き刺さるような熱い痛みが走る。

「っ…な…んで………」

「ちっ。お嬢様!お下がりください!まだ一人残っていたようです!」

「でもっ!彼が!!」

狙われる理由はわかっている。自分が水性特級者である以上命が狙われることは珍しくはないと両親は昔言っていた…でも何故今。何故。何故。こんな力なんてっ…!俺はまだあの少女の言葉の意味を知るまで…!!しかしもう意識が朦朧としてきている。俺の人生ここまでか。あぁ、終わりか。

「わかってた…わかってたのにっ!助けてあげられなかった!また私はっ…ごめんなさい、ごめんね。ごめんねソランっ…」

朦朧とする意識の中、俺が水を命中させてしまったあの子が 、知るはずのない俺の名前を涙混じりに呼んでいた。

彼女だけが知るラブコメ事情。1話を読んで頂きありがとうございます。初投稿だったのですがどうでしたでしょうか?楽しんでいただけましたか…?

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