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五話 開始前

現在の時刻は20時前。

俺たちは既に闘技…コロシアム会場内の前に待機している。




「いよいよだ、全力で殺るぞ」






「ああ、手加減無しのガチバトルってやつだね」

つい先程まで眉を顰め、緊張した表情は何処に行ったのか…

ネフィムは笑みを浮かべていた。

手に持った弓の矢8乗分を背中の筒に入れ、力強く立ち上がる。







ヤル気満々だな…

人の事言えたもんじゃないが。










数分と経たない内にゆっくりと檻が上がり始めた。



「さあ行こう!」





「…ああ」







身震いする程の戦いを頼むぜ?

敵さんよ…























───────────────────────────────────────────








檻の間から見えるコロシアム内部の様子は数日前と変わりない物だった。ただ一つ、違うとするなら隣に居る仲間…アバロルの存在だ。






初めてアバロルを見たのはミノタウロス戦を観戦した時だった。

その強さに僕は恐怖すると共に尊敬を感じた。












──あわよくば戦う事になりませんように













アバロルが立ち去る姿を見ながらそんな事を思っていた。




まさか、相棒になるなんて予想すらしてなかったからね。







アバロルが仲間となり、そこからの生活はまだ一日だけどその少ない時間の間にも彼の凄さを改めて感じた。


凄まじいコーティング技術に中級騎士にならば十分に勝てる剣術、更にその身体能力の高さ…

どれをとっても常人には無いモノを持っているのがわかる。




だから僕も少しでも追い付きたいと感じた。責めて彼の足を引っ張らない程度には力が欲しいと──





















「いよいよだ、全力で殺るぞ…!」


鉄のヘルムの下に隠れていてもわかるぐらいにアバロルの言葉は弾んでいた。



敵の勝利数は7勝、出来立てホヤホヤのチームにはどう考えても勝てない実力の者…

しかし、そんな状況でもアバロルは笑みを浮かべ、進んで戦うだろう。




過ごした時間が僅かでもわかる。






彼は戦いが大好きだと──











「ああ、手加減無しのガチバトルってやつだね」

抱いていた不安はアバロルの様子と自分の言葉で消えた。

ほら、

僕も余裕ぐらい持てるじゃないか!



大丈夫だ、やれる!





僕は一人ではない。





仲間が居るのだから!!





いよいよ始まる試合。

何方かが死ぬまで続く死の試合。







「さあ行こう!」




「…ああ」







そして僕は堂々と歩き始めた。


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