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望むはただ平穏なる日々  作者: 素人Lv1
幼少 編
9/90

9 エアル先生の教え

「今日は何を教わりたい?」


(いつも思うけど年下の少女に物を教わるっていう図はな~)

 風の精霊であるエアルの今は10歳程度の銀髪の美少女だ。

 その気になれば、手乗りサイズから大人の人間サイズまで大きさ・見た目共に自由自在だそうだが、いつも大体この姿なのだ。


 実際のところ、自身は5歳の幼児なのだからまったく問題ないし。

 そもそも、エアルの姿が見えているのが自分だけっとは思いもしない。


 風の上位精霊(エアル)の授業は、質問への答え・補足だけで、聞かないことは教えてくれない。

 曰く「教えて良い事と、教えてはいけない事と、教えない方が良い事」が有るそうだ。


 教わるまでも無く分かる事も沢山有るし、専門分野に踏み込むこと大変そうなので、最近は専ら世間話程度になっている。


 ここまでで教わったのは


「宗教」

 この世界は基本的には多神教で多くの神様がいるとされているが、その中でも主神格とされている『七太神』を崇める『七神教会』が大多数なのだそうだ。

 生命の神『ミト』

 調和の女神『ヴィジャ』

 豊穣の女神『レーティア』

 戦いの神『グラム』

 大地の女神『ノルド』

 海の神『リューク』

 空の神『エイセル』

 の七神で、各地に神殿があり、それぞれの教えをまとめた『七太神の教え』を聖典としているらしい(詳しい内容は聞いてない)。


「地理」

 この大陸の大まかな情報で、特に俺の住んでる『ロギナス王国』とその周辺の国との位置関係・勢力関係が重要だった。

「ロギナス王国」

 現国王はベリル・ロギナス(まぁ、俺の祖父だが)

 国土の大きさは大陸全土で7番目(26ヶ国中)

 豊富な農産物、暑過ぎず寒過ぎない気候、穏やかな気質の人が多く、周囲の国とは強い同盟関係にあり、大陸の中央部に位置するため物流の中心地とされる。

 つまり、豊かで住み易く安全な国だ。



 こんな感じの断片的な情報ばかりだけど、詳しいことは追々実体験をしながら分かっていけばいい。



「で?今日は何が聞きたいのかのぅ?」


「じゃあ、以前ちょっと教えてもらった冒険者ってのをもうちょっと教えてよ」

「フム、冒険者と言っても色々おるし、冒険者と名乗れば冒険者じゃよ。じゃが一般的に冒険者と言えばギルドに属す者達じゃな」

「そう、それギルドとか冒険者のこと」

 危険な事には関わり合いたくないが、せっかく剣と魔法の世界に生まれ変わったんだから、多少は冒険もしたいし、美人な女冒険者と知り合ってドキドキワクワクな旅もしてみたいよな。


「ギルドは基本的には冒険者の互助組織じゃな」

「互助?」

「そう、助け合いが基本的じゃ。冒険者は基本的には人々の依頼を受け、その報酬を糧にしておる。ただし、失敗すれば違約金や賠償金が発生することもある。

そこで、ギルドが達成可能な冒険者に仕事を斡旋することで失敗を減らし、その代わりに報酬の一部を貰いギルドの運営にあてるのじゃ。

 冒険者もギルドが責任を持ってくれるため失敗した時の不利益が少なくなるし、依頼人も安心して依頼を出せる。

 お互いに利の有る様になっておる」

 ほ~、たしかに個人営業はリスクがでかいし、腕が悪いと仕事が来ないからな


「ただ、その代わりギルドに属すると言うのは属するための義務も生じるんじゃ」

「義務?」

「そう、強制的に依頼を請けさせられる事もある」

「強制って、断るとどうなんの?」

「良くて一定期間のギルド登録抹消。悪ければ投獄されることも有るのぅ。

 ただ、達成不可能そうなものは来んので大丈夫じゃ。

 それに、皆それを承知の上で加入しているのじゃから、文句は言えんじゃろ」


 ちなみに、有名な冒険者が国からスカウトされて貴族になるとかのテンプレ展開は、あまり無いらしい。

 そんなことが起きると周囲からの反発が大きいらしい。


 その後も『魔物が多く危険な場所』や『宝が眠っているはずの遺跡』なんかの話を聞き、今日はお終いとなった。


「美味い!やはり坊の魔力は絶品じゃな」


 どうやら、精霊にとって人の魔力は大好物らしいのだが、個々で味わいが違うらしく、俺の魔力はとても美味しいらしい。


「ところでな坊。一つ提案があるんじゃがな?」

「ん?なんだ?」

「『精霊石』は欲しくないか?」

「何にその『精霊石』って?」

「フム、まずは、人の魔力は元々『無属性』なのは前に話したじゃろ?」

「ああ、だから属性効果が欲しければ、精霊の力を借りるか、魔力に属性を付与する『構成』が必要になるんだろ?」

「ほう、よく覚えとった。そこで『精霊石』じゃ。

 それがあれば、それに通した魔力はその『精霊石』の属性が付与されるんじゃ」

「へ~。でもそれが何か役に立つのか?」

「役立つとも、例えば火を起こすのに、わざわざ魔法を使わんで良い。

 水を冷やすのも、風を吹かせるのも、『精霊石』に魔力を込めるだけで良い」

「あ~便利だな」

「最大の利点は『属性付き魔力』は同属性の精霊の力にもなる」

「は?どういうこと?」

「つまり、『風属性の魔力』で使った『風の精霊魔法』は通常のよりも威力が上がるっということじゃ」


 あ~、つまりどういうことかって言うと

「自分と同属性の魔力は凄っげ~美味いから、いつもより頑張るって事だな?」


「な、どうしてそれを?」

 図星だったらしい。

 それより、ヨダレ拭けよ上位精霊。


「まぁ、よい。要らんか?」


 ん~俺のデメリットは無いなよな?


「くれるのか?」

「『精霊石』は精霊力の結晶じゃから、人ではそう簡単に手に入らん。

 じゃが、坊と我の付き合いじゃし、な」


「つまり、元々美味い俺の魔力に属性が付いたら、もっと美味くなるって事だな」

「そうなんじゃ、もう楽しみで、楽しみで♪」


 もう隠す気も無いんだな。

 折角だから貰ったよ。野球の軟球サイズのやつを。


 ウキウキしながら、こちらを見てくるので、貰ったばかりの『精霊石』に魔力を込めてみる。


 エアルは目を輝かせると

「良いか?良いか?もう貰っても良いか?」

 今にも齧り付きそうだったので


「待てっ」

 躾ける事にしました。


「なんでじゃー、何でお預けするのじゃー?

 お願いじゃから、後生じゃから、これを、これをー」


 目を潤ませ、上目使いで懇願するエアル(美少女)は

 なんというかアレだった。


「よ、よし」

 許可を出した瞬間、エアルは『精霊石』に額を付け中の魔力を吸収(?)した。


「ッ!!」

 弾かれた様に身を離すと、自らを抱きしめ。


「知らん、こんなものは知らん。初めてじゃー

 無理じゃ、ダメじゃ、ダメー!!」

 その身をクネらせ、身悶え、窓から出て行った。




 神聖なる上位精霊の姿は

 なんというか、エロかった。


最後に話とは無関係に遊んでしまいました


『精霊石』はそういうアイテムではありません


主人公用の武器の原材料の予定です



未だに、話がフラフラしていますが


末永く見守って下さい



次回はロザリーの回です

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