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望むはただ平穏なる日々  作者: 素人Lv1
学院 編
14/90

14 剣皇その名は

 これから食事に行こうっという所でアリシア・レイアスに声をかけられた。

「ちょっと良いか?聞きたいことが有るのだが?」


 ちょっ、なんか目が怖いんですけど、マジで。


「え~と。なんの用件ですか?レイアスさん」

「ここで立ち話というのもなんだ、場所を移そう」

「じゃあ、これから食事に行くんだけどそこで良いか?」

「ああ、かまわない」


 二人で連れ立って食堂に向かう。

「どこの食堂だ?」

 この学院には総数一万人にも及ぶ生徒と職員の為に、8つの食堂が在る。 

 肉、野菜、麺、米など種類も豊富だ。

「いや、特に決めてなかったんだけど」

「なら、運動の後だ。肉が良いと思うのだが?」

 運動の後には良質なタンパク質の摂取が体作りには良いが、女の子が「肉が良い」て。


 『満腹亭』は安く、量の多いい肉料理メインの食堂で、多くの学生(武芸科が半数以上)に愛されているらしい。

 その『満腹亭』おススメの日替わり定食を食べながらアリシアを観察する。

(まぁ、普通に美少女だよな)

 整った目鼻立ち、赤と言うよりは桃色に近い髪を後ろでまとめている。

(目つきが怖いのと、無表情なのと、雰囲気が尖ってるのが惜しいよな)

 傍目からは美少女との昼食なのに、いまいちテンションが上がらない。

「なんだ?」

 俺の視線に気づいたのか、ジロリっと睨まれる。

「いや、用事があったのはそっちだろ」

「そうだ。だが、今は食事中だ。後にしろ」

 自分から声をかけておいて?

 えらくマイペースな言動に呆れつつも、互いに黙々と食事を続ける。


「ふ~、まぁこれであの値段なら十分かな?」

「そうだな、私はもう少し食べたかったがな。次回は大盛にするべきかな」

 どうやら彼女は『細身の大食い』らしい。俺には若干多いぐらいだったが。


「っで?そろそろ何の用なのか聞いていいか?」 

「ん?ああ。先程の授業の件だ」

 やっぱりか、まぁそれ以外の話なんて無いだろうけどな。


「あれが貴様の本気か?」

「は?何だよいきなり?」

「私にはあれが貴様の全力だったとは思えない。っと言っているんだ」

「確かに全力ではないけど…」

 まずい、勢いに押されつい本音が出てしまった。


「だろうな、まだまだ余力十分っといった感じがあったしな」

「いや、そんなに余裕が在ったわけじゃ…」


 俺の言葉を片手で遮り

「それは良いんだ。私が聞きたいのは『誰に』教わったのかという事だ。

 貴様の動きは、私の目標でもある『剣皇』に良く似ている」

 剣皇?誰だ?初めて聞く。


「誰に?って祖父にだけど」

「祖父?名前を聞いても良いか?」

「ああ、エルスリードって「エルスリード!?」いうだけ・・ど」

 アリシアが椅子を跳ね飛ばし立ち上がり、俺の胸倉を掴むと引き寄せる。


「エルスリード!?エルスリード・グリフか!?」

「ち、近い。顔が近い」

「エルスリード・グリフの孫なのかと聞いている?」

「そうだけど。声が大きい。あと、顔が近い。落ち着け」

「そ、そうか。いや、すまない。取り乱した」

 手を放すと何処か呆けたまま椅子に腰を下ろす。


 アリシアの大声に周囲から注目の的となってしまった。

 こちらをチラチラ見ながらヒソヒソと話す声が聞こえる「エルスリードの孫だってよ」「マジかよ、剣皇の孫かよ」とかやたらと『剣皇』という単語が聞こえる。


「レイアス。ちょっと聞いてもいいか?」

「ん?あ、ああ。何だ?」

「剣皇って何だ?祖父はそんなに有名なのか?」

「何を言っているんだ貴方は?剣皇を知らないのか?」

「ああ。初耳だ」

「ハアー。いいか剣皇というのはな・・・」


 長い長い講義をまとめると、大陸の南西部に武芸の盛んな『エジリア』という国が在り、そこで3年に1度開かれる『剣王祭』と呼ばれる武芸大会があり、その優勝者に与えられるのが『剣王』の称号で五回の優勝を成し遂げた者に与えられるのが『剣皇』の称号なのだとか。


「いいか、100年を超えるの剣王祭の歴史で剣皇を名乗れるのは僅か三人。

 その中で五大会連続での優勝を成し遂げたのはエルスリード様。唯一人なんだ」

「へぇ。そうなんだ。強い強いとは思っていたけど、そこまでだったんだ」

「貴方は何を言っている?剣の道を志す者にとって『剣皇』は正に極みなんだぞ?いいか・・・


 その後も延々と如何に剣皇が凄いのか、どれ程エルスリードの名が知れ渡っているか等を聞かされた。


 祖父じいさんが歴史に名を刻む程の有名人なのを知り、日々平然と生活しているあの家の恐ろしさを再確認した。


 あれ?『剣皇』を正座させ説教する侍女が居なかったけ?リズあんた何者だ?



 

 その夜の事だった。


『そろそろ起きて欲しいんだよ』

「もうちょっと、寝かせてくれ」

『でも、そろそろ起きてもらわないと話をする時間がなくなるんだよ』

「ん~。は~あぁ」

 欠伸と共に目を開けると、白く高い天井が見えた。

「あれ?ここって・・・」

『ふふっ♪見た事のある天井でしょ?』


 声のほうに目をやると、エライ美人さんがいた。

「誰?どこ?何?」

『あっ。そこを繰り返すんだね』

 

 そこには自称『世界の管理責任者』のクソ女神が居た。

大旦那様賛美の回でした


女神様再登場で更なるチート能力取得の予定です


「剣王」のくだりは単なる設定です

主人公達が取得する予定はありません

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