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男子校を恋愛で  作者: It
21/23

第21話〜作戦決行〜

あらすじ。4日目終了。

それでは、どうぞ。

ワッという歓声が聞こえたかと思うと…

目が…覚めた。

ただ今、11月25日。修学旅行5日目。すなわち最終日。

昨日アレだけ暴れたのに、外は静かで、拳の痛みもない。

だが、この部屋は…騒がしかった。

「マジでやるって言っとるやろうが!!何度も言わせんなこのハゲ!」

「禿げるかぁッ!この似非関西人!」

「何やとぉ!?てめぇ俺の『あいでんててー』にいちゃもん付ける気か!」

「何が『あいでんててー』だ!いちいち『 』つけて強調してんじゃねぇ!!」

久保と松永が朝っぱらから弾けていた。お前ら何やってるんだ。

「ん、あ、セーダイ。起きたか」

川口がいち早く反応。

「この騒ぎで起きないはずもないけどな」

苦笑で返す。

「ま、それもそうか」

川口も苦笑で返す。あぁ、こいつはまともな奴だ。

「セーダイ、起きたんか。早よ準備しとったほうがいいぞ。2時に出るらしいから」

スケジュールが俺にゆっくりする暇を与えない。横からの似非関西弁でスケジュールを思い出す。

「結局スキーほとんどやってないんだが…気のせいか?」

ちょっと、自分の不幸さを嘆いてみる。

「気のせい気のせい。ほら、布団たため。さっさと朝食行くぞ」

久保がさらりと流す。くそ、なんて嫌な奴だ。と、そこで気づく。

「アレ?久保、お前その髪型…」

いつもの適当な髪型じゃなく、ワックスでしっかり手入れされてあった。その髪型は何度か見たことがある。確か、小さいころに。

「ま、ちょっとしたジンクスや。この髪型にして負けたことってないんやって」

ぼさぼさの髪を触りながら自慢してみせる。

「ちょっと待て、この前の大会、決勝まで行ったのに何でそのジンクス使わなかったんだ?」

松永のちょっとした疑問。

「セットする時間、なかってん♪」

「死ねッ!」

そして、松永の蹴り。

「ジンクスに頼んなや、ボケが!」

久保が逆切れした。

それにしても、あの歓声は…夢だったのか現実だったのか。

「結局、小柳ちゃんが話にほとんど絡んでこなかった件」

朝食中に久保がそんなことを言ってくる。

「人気がなかったからだろ」

「坊やだからさ」

二つの異なった意見が飛び出る。

「いや、坊やじゃないやろ」

「認めたくないものだな、若さゆえの過ちというのは」

久保の突込みにもさらりと対応するシャア…じゃなくて、川口。

朝一に思ったことを撤回しよう。川口もまともじゃなかった。ここ5年間近く、こいつと俺はまともだと思っていたんだがなぁ…。

久保は第一印象から終わってたけど。

それはそうと、今日は俺たちの班だけで食事をしている。何故か、それはやはり俺を気遣っての行動だろう。

朝食・昼食は何事もなく終わり、事実上、俺の強制結婚のタイムリミットも刻一刻と近づいていった…。

スキーの閉校式もあっさり終わり、最後に旅館への挨拶は放送部員が勝手に終わらせてくれた。

バスに乗り込むとき、小柳とふと、目が合った。

「また来てねー♪」

元気な言葉、それから一息置いて

「最後まで諦めるなよー!ちくしょーッ!!」

彼女の声が一段と大きくなった。その言葉は、俺たち全員に言ったことだろうか、それとも…。

俺はニッコリ笑い返し、バスに乗り込む。

どたばたした4泊5日の修学旅行も…もう、終わり。

やはり、従兄弟との結婚は運命なのか…。そいつは何とも…残念なことだ。

そう思う気持ちとはまったく別の意味で

ため息が出る。

そのため息の意味は知っている。知っているのだけども…行動には…無理だ。

バスに乗り込み、窓を開け、真っ白の雪が覆いつくす雪面に、白い息を…吐く。

久保に冷たいから閉めろと言われるが、あっさりシカトして雪面を眺める。

ふと、意識を持って首を少し上に向ける。そこには…前橋高校2年6組のバスがあった。

藤本を見つけようと努力するが、向こうの窓に水蒸気が張っていて分からない。

バスを見ていると精神的にちょっと辛くなってきたので、ぴしゃんと窓を閉める。久保から閉めるのが遅すぎると軽く殴られた。

今、C組を乗せたバスが出発した。

前橋高校のバスは一台もまだ動かないところを見ると、俺たちが全部出てから出発するようだ。

メルメルメル

横からメール独自の効果音。久保が携帯でメールを打っていた。携帯の持込は校則で禁止されているはずだが…。勇気のある奴だ。

画面を何となく見てしまった。

画面に映った文面はたった四文字


 『 作 戦 決 行 』 

如何でしたか?どうにかもうすぐ終わりそうです…。

ただ、結末を急いだ分色々と…。

次回『第22話〜乾坤一擲〜』も貴方様の時間の都合の許す限り…。

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