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男子校を恋愛で  作者: It
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第2話〜ユージンとバス子ちゃん〜

読者の皆様、ズブの素人のItです。

しかし、完結は必ずさせますので…!どうか見捨てないで欲しいなぁ…w

「ぁはい、皆さぁん、このインターチェンジで10分ほどのトイレ休憩を取りますんで〜…ぇ、えぇ〜っと、その…出来ればみんな外に出てもらいたいなぁって…」

今日、2度目の起床は彼女の子ののんびり甘い声だった。いつもは目覚まし時計か、男の声で起こされる俺は、なんとなくうれしい気分。

「ほら、降りんと、迷惑かかるで。われん大好きなバス子ちゃんに」

ぐいっ、ぐいっ

久保に体を揺り起こされ、外に出る。するとそこにはバス子ちゃんこと、高見さんがいた。

「ど、どうも」

俺は少し頬を赤らめながら、彼女にぺこりと礼をする。

「んむ!にゃむむっ!えほっえほっ!ひゅうぅ…、たにゃか君。おどかしゃにゃいでくだしゃいひょお〜」

彼女は涙目になりながら、うぅ〜と唸る。この様を見てるととても21歳には見えんのだが…。まぁ、それはおいておこう。

「何か食ってたんすか?」

「ん?そーだよ。そこで問題。私は何を食べてたでしょ〜っかっ?」

さっきまでの涙目が嘘のように、悪戯っ子のような笑顔を見せる。喋りも今までのおどおどした感じがなくなり、元気な女の子の喋りになる。

アレだな、食い物のことになると元気になる奴とか、そういうタイプの。

「「・・・」」

俺と久保は彼女のある部分を見つめる。口の周りには、肉まんの皮と、カレーのルー。多分、アレだろうな。うん、アレ。二人ともチラッとお互いを見て、目で答え合わせをする。

「わかんない?あと、7秒だよ〜。難しすぎた?」

当の本人は気づいていないようだ。決定的、というか致命的なヒントに。

「5・4・3・2・1・しゅーりょー!さぁ、お二人さん答えをどうぞ!」

何か、彼女の顔がすごく勝ち誇っているのだけど…。答えたほうが良いのか?正直に…。うぅ〜ん、悩みどころ…。

「カレーまんやろ?」

あ、俺が答えるかどうか考えてる最中に…。

「え?な、何で?何で何で何でぇ?」

「いや、口の周り、拭ってみてくださいよ」

俺はなぜわかったか、ネタ晴らしをする。

「ん?別にどーもないじゃないですか!ただ、カレールーと皮がついてるだけで…」

彼女はそういいながら、ぱくり、指についたカレールーを指しゃぶりしてきれいになめ取る。・・・。コレだけ言っても気づかないとは…。どうしよう、この人すごく重症だ。

ビュッ!

いきなり吹いた強風にあおられ、バス子ちゃんこと、高見さんの帽子が宙を舞う。

「あ、ボーシが…」

彼女が今までの表情から一転、急に泣き出しそうな顔になる。

どうすれば良いかとあたふたあたふたしていると…

「セーダイ!リバァンッ!」

久保の大声に、脳を通さず脊髄が反応する。つまり、反射だ。

「シィッ!」

俺は声とともに跳躍していた。考える時間もなく。

ぱしんっ!ズダンッ!

帽子のキャッチ音と、俺の着地音。冬場なので、足がジンジン来る。いってぇ〜。ちくしょぉ。

「はい、高見さん。帽子」

ぽふっ、俺は彼女の頭に優しく被せてやる。すると、彼女の目から涙がぼろぼろと零れ落ちる。

「ありがとうございます、ありがとうございます…」

彼女はわんわん泣き出す。ばつが悪い。何か、はたから見ると俺が泣かしたみたいじゃないか…。

彼女が泣き止んでから、俺らはそろってバスに乗る。

「なぁ、久保。俺があそこで取る理由あったのか?地面に落ちたの拾えばよかったんじゃあ…」

バスに乗って、気が落ち着いたところで、なんか気になったから聞いてみた。

「駄目やなぁ、せやからセーダイは彼女でけへんねん。こういう派手で見せ付けるようなデモンストレーションが女ん子の心に響くんやないか」

こんな女心のおの字もわかってそうにない奴にこんなことを言われるとは、屈辱だ。とっても。

「でも、まぁ、一理あるかもな」

彼女はそれで俺に感謝してくれたわけだし、まぁ、結果的には良いほう(フラグ立ったか?)に転んだ…はず。

「つーか、何だ?気のせいかお前は俺と高見さんを意地でもくっつけようとしてないか?」

なんとなく、脳裏をよぎった疑問を友人に投げかける。

「いや、だって、われ、修学旅行中に彼女でけんかったらあんのブッ細工なネーちゃんと結婚せなあかんのやろ?男子校の全寮制やから、事実上は。そらユージンとして、そりゃ見過ごせんわ」

「なるほどなぁ、でも、お前なら俺がどう転んでも楽しみそうだけどな…」

久保の言葉に感心しつつも、なーんとなく、気になるんだよな。こいつの事だから罠の一つや二つくらい仕掛けてそうな…。

「まぁ、どう転んでも楽しむんは俺ん性じゃ。でも、仮にもユージンの恋人さんなんやし、なんとなーく可愛いほうが俺も気分がえぇやろ?」

「いまいちわからんが、まぁ、納得した。つーか、何だよ。その俺が高見さんにベタ惚れみたいな言い回しは」

「いや、そういう意味じゃなくってや。別にセーダイの惚れた女ん子やったら誰でもえぇんや。そんなわけで、まぁ、必死こいて彼女作れや。俺も手伝ったる」

「どんなわけだ、どんなわけ」

俺はすかさず突っ込みを入れる。コイツをこれ以上暴走(饒舌に)させたらなんかマズそうだし、釘を刺しておく意味も込めて。

「どんなわけだって良いやん。楽しければ」

「ま、そだな。それ聞けばお前らしくて安心する。さっきまでのお前はお前らしくなくて気色悪かったぞ」

「何?人を思う俺は俺らしくない、と?」

おどけながら彼は笑う。俺も、つられてついつい笑う。本当にこいつはいい奴だ。

第2話、この辺りはやはりギャグがメインになってくるのですが…ギャグもいまいち決まらずいまいち何がしたいのか…。それでも「最後まで付き合ってやる」という方、いましたら本当にうれしいです。次回『第3話〜【何の因果か】ホテル・希望閣【こんなボロ旅館に】〜』も、どうかご贔屓に。Itでした。

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