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男子校を恋愛で  作者: It
16/23

第16話〜小休止〜

あらすじ。何かおかしなことになった。作者が。

そういうわけで、第16話どうぞ。

場所は、医務室。

「…どうですか?落ち着きましたか?」

優しく、間延びした声。声の主は、高見さん。

「…。はい、もう、大丈夫…です。は、い」

昼ごろになって、俺はどうにか会話が可能なくらいには回復していた。

「…で、何があったのか説明…してもらえますか?」

ちょっとすまなそうに聞いてくる。

「・・・」

「あ!いや、そんな無理やり聞こうとしているのではなくてですねっ!?その、教えていただけたら嬉しいなぁなんて思っているだけでして、そんな無理していただかなくとも私にはそこまでして知る権利がないというかその…」

途中から上手く聞き取れなかった。と、いうか、聞く気をなくした。

「いや、話しますよ。高見さんに、聞いておきたい」

「ですからそんなデバガメ根性からではなくてっ!って…ありゃ?聞いて良いのですか?」

高見さんは心底驚いたような反応を見せる。

「良いから、さぁ、話しましょう…」

俺は数分使って彼女に今日の出来事を説明した。

「へぇ…。そんなことがあったのですか…」

関心があるのかないのか、微妙な反応を見せる高見さん。

「…。お腹、空きません?」

彼女は唐突に今までとはまったく違う話題を振る。

「…。はぁ、まぁ…」

俺は突然の話題に曖昧な返事。

「それじゃ、お昼にしましょう♪はい、どうぞ♪」

ずどんっ

目の前に凄く大きな何かが置かれた。いや、見た目はちゃんとした弁当なんだけども、量が半端じゃない。

「…。これは?」

「希望閣特製の職員弁当っ!」

元気よく答えられた。

「それ、ホントは私のなんですけど、あげますねっ!だから、それ食べて元気になってください、美味しいですよ〜」

彼女なりの励ましだろうか。そう考えると、自分を励ましてくれる、高見結衣という存在に感謝し、嬉しくある反面、自分がとても情けなくなった。

「でも、こりゃちょっとなぁ…」

へへっと、苦笑する、俺。笑う元気も出てきたようだ。高見さん、彼女は本当に俺に元気を、くれる。自分が優柔不断だとは思いたくないが、ここまで優しくされるといけない事に藤本の影が薄らいでいく気がした。

ええい、考えるな。今は、小休止。飯食って体を落ち着けてから考えろ。

「ところで、これはもちろん二人で食べるんですよね?」

量が半端じゃないので当然そうだろうと付加疑問文で聞いてみる。

「私は自分で何か作りますんで、遠慮しないで全部食べちゃっていいですよ」

「・・・」

なるほど、彼女なりの気遣いかは知らないが…。こいつはちょいとヘヴィ過ぎる。性質の悪い冗談だ。でも、親切は素直に受け取ったほうがよろしかったりするわけで…。食う…のか?一人で?これを?

と、ふと、今の時間が気になった。昼の…いつごろだろうか。聞いてみるとしよう。

「ところで、高見さん…」

「はい?なんでしょ…」

こちらを振り向き、返事をしようとした、その瞬間に重ねて…

ドムンッ!

不思議な効果音を上げ彼女の背後が爆破炎上する。

「んにゃー!何ですかこれー!?」

背後がいきなり爆発し気が気じゃない高見さん。

ゴシカァン!

鍋が降ってきた。それはもう、大変なネウロクオリティで。

「の゛ぉおぉぉおおぉっ!な、なな…何事ですか〜?」

貴女が何をやっていたのか俺のほうが聞きたいです、高見さん。不幸中の幸い、だった。それは宙を舞った鍋の中に沢山入っていたお湯が飛び散った火を都合よく消してくれて大惨事には至らなかった事だ。

事故の処理が終わり、彼女は再度料理に取り掛かっていた。香ばしい香りがし、今回は成功だな、と、何となくわかる。

「で、何か言おうとしてましたよね?田中君」

こちらを向き、彼女は思い出したかのごとく問う。

「いや、まぁ…」

過ぎたことだし、時間が気になると言えば気になるが…。と、返答に困っていると

ドンッ!

また鍋が弾けた。鍋に嫌われてるのかな、彼女。中身をぶちまけながらくるくると廻る鍋。ボーっと見つめる高見さんと、俺。

ガおン…ドチャチャ…

鍋が、高見さんの頭にすっぽりかぶさった。中に残った少ない具がつつーと彼女の顔を伝う。あ、シチューだったんだ。

「み゛ー!あ、熱い!熱いでしゅのぉぉぉおぉぉぉっ!わっ!私が、私はっ!な、中が、中に、入って、熱いですぅ〜!白いのが熱いぃー!」

「高見さん、台詞だけ聞くと微妙に卑猥ですから落ち着いてっ!落ち着いてー!」

「にゃにょにょにょにょ〜!」

一度暴走した彼女は止まりそうにもなかった。解決は、時間に任せるとする。

「うぅ〜、すみま…むぐむぐ…せん…。結局こういう…むぐむぐ…羽目になって…むひゅむひゅ…しまって…」

彼女はすまなそうに謝る。箸と口を動かしながら。

「あの〜、食べるか謝るかどっちかに絞っていただければ対処もしやすいのですが…」

「あ、はい。それじゃあ…」

カチャカチャ…むぐむぐ…ごっくん…カチャカチャ…

・・・。食べるほう選んだよこの人。

「すみません、僕が悪かったです。前言撤回しますので何か喋って下さい」

「うふふ、最初からそうすればいいのです♪」

たいして強制力もないのにこの人には勝てる気がしないなぁ…。俺はもしかして結婚したら尻にしかれるタイプなのだろうか。まぁ、こんなことはまさに捕らぬ狸の何とやらだが。

この後は他愛もない話をして、時間を過ごす。

深夜に久保が言った言葉は、今の俺には毛ほども残っていなかった。

如何でしたか?このあたりから作者の迷走っぷりが顕わになってくるわけですが…。次回『第17話〜はじめの一歩〜』も貴方様の時間の都合が許す限り…。

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