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5章 ようこそキーナ高等学校へ

完全に迷子になってしまった。どうするべきだろうか?

発端(ほったん)は3日前、姉の母校であるキーナ高等学校からのメールを受け取り、何の準備もせずに向かったこと。

エレミヤに来る前にキーナ自治区についてはある程度調べていた。

キーナ自治区は自治区の6割が砂漠に覆われている場所それは知っていた。

だけど湿地帯(しっちたい)という事は知らなかった。外から見るとただの砂漠に覆われた地域なのだが一歩踏み出すとそこは湿地帯になっている。地面は泥と砂が覆っていて、人影は何一つ見えない。キーナ駅に着いた頃はまだオルレアン自治区のように住宅地やビルなどが見られた。

だけど、駅から遠く成程、次第に砂埃がすごくなっていき、いつの間にか辺りは湿地帯になっている。

いや、湿地帯と砂漠が合わさっているようだった。

砂漠の気温と湿地帯の湿度によって今、私は脱水症状を起こしてしまった。暑いけれども、湿度で汗が蒸発せず体に纏わりつく。

これによって熱放射されなくなり、体温だけが上がっていく。

汗は滝のように流れて一歩、歩くのにも時間がかかる。持ち物は水筒と寝具だけであり、鞄は全て

『AAGA』に置いてきた。

(あぁ。このまま死ぬのか)

『だから、言ったじゃないですか。用意しないとダメだって』

(愛華の忠告を聞くべきだったよ……)

意識朦朧としていると誰かに声を掛けられた

「大丈夫ですか?」

薄っすらと目を開けると緑色の髪の少女が声を掛けていた。

(だれ?走馬灯かな……まだキーナまでに距離があるはずなんだけど)

「えっと……どうしよう。今、皐月ちゃんもいないし。私が担いでも今日中に着けるかな…」緑髪の少女が慌てている。それも、自分ごとのように。そこで伊織の意識は途絶えた。

「取り合えず実ちゃんか皐月ちゃんに」

それが最後に聞いた言葉だった。

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