53章 当番が明日香と茂与の場合①
前日の揉め事その理由は簡単。
伊織の仕事の手伝いをどうするか。
衣食住を確保してもらった恩返しで伊織の仕事を手伝う当番を制を百花が提案した。
ただ、それの方向性で美雪と百花が言い争った訳だが・・・・・・
今日の当番は明日香と茂与。
皆の訓練などプライベートも考えて当番は週に4回2人制。
2人制になった理由は伊織を監視するためらしい。
(まぁ、そんなのはどうでも良いんだが)
伊織とし当番が来たからと言って仕事が捗るわけではない。
「……」(そう言えば大学からの宿題にいつだっけ)
伊織はスマホを開き、学部内のチャットを開く。
「明日香ちょっといい?」
お昼を買いに行っている茂与に変わって伊織は少し離れた場所で作業をする明日香を呼ぶ。
「ちょっとこの書類、見てもらっていい?」
「はい、大丈夫ですよ」明日香は笑顔で答えて資料を受け取る。
(さぁて、銀河の調子はどうだろう)
伊織はパソコンのファイルを開く。そこには残り45%と書かれたメーターと何らかの調査結果のグラフの写真である。
(15年前、ちょうどエレミヤ全体で時空間の歪みが起きてる。)
「……ならあり得るか」
伊織は呟きパソコンを開いたまま紙とペンを取り出した。
(思っていた以上に気まずい。まだ先生との距離感が掴めない。百花や美雪みたいにするのは不可能。それに姉さんみたいに接するのも難しいし)
まだ伊織とどう話せばいいのかわからない。
ある程度のコミュニケーションは出来るもののやはりそれでも……
(先生と話したい‼)明日香は平常心を装って内心で暴れ回る。
「……先生、ちょっといいですか?」明日香は資料を手に持って伊織に近づく。
伊織は明日香の心情を直ぐに気づきそれに答える。
「どうしたの?」
伊織は優しく明日香の方を見る。
「えっと……」
「百花、見たいに何かしてほし事あるの?」
(……言って良いのかな)
「それか、なんか嫌な事でもあった?」
そこまで伊織が言いうと伊織の動きが一瞬止まった。
『………………』
『……‼本当に』
伊織は一瞬驚くような顔をしたが直ぐに元に戻った。
「先生、少しお話しを聞いて下さい」