3章 何気ない日常
何気ないつも通りの朝。
何時ものように4時に起きてパトロールの準備をする。
自治区としてなりなっているのは恐らく、キーナ高等学校生徒会のメンバーによるものだろう。
自分もその一員として“副”生徒会長として治安維持活動を頑張っている。
今日は雨が降っていた。それは、あの時と同じ……
「いやぁ~。まだ忘れられないのか」
少女は欠伸をしながら呟いた。
「せっかく休日なの呼び出しだなんて酷いよ~」
紫色の長い髪が靡き、少女は重そうな鞄とショットガンを手に持ち家を出た。
青と赤のオッドアイの瞳で一人まだ暗い空を眺めている。
彼女はいつも通りのパトロールルートを通り自治区が安全がどうかを見回りをしている。
彼女はそのまま他の学校との近くの川に訪れる。
その時にはもう、朝の雨は既に止んでいた。
近くの濡れていないベンチに座り、家から持ってきたおにぎりを食べ始めた。
まだこの時期の朝は肌寒い。
しかし、川の堤防付近に植えてある、桜の木には幾つかの花が咲いている。
小川を眺めながら一人寂しそうおにぎりを食べる。
「ご飯も食べたことだしそろそろ……」
彼女は出たごみをポケットにしまい立ち上がる。右にある橋に向かおうと、右の方を向くと人影が見えた。
「実ちゃん‼」
少女は手を振った。
それに反応して実も駆け寄ってくる。
実が走ると胸が揺れるのはいつもの事である。それを少女は眺めながら立っている。
「おはようございます。皐月先輩」
実は皐月に近づき抱き付いた。
「うへ~。また胸大きくなった?」
皐月は実の豊満な胸に飛び込んだ。
「先輩それはセクハラですよ」
実はニッコリと笑い皐月の頭を撫ぜた。
実の身長は160ちょっと、高校生としては標準である。それに比べた皐月は150あるかないかの身長であり、胸は背中と同じくらいである。
「私のが大きいのではなく先輩が小さいだけですよ」
皐月の貧相な体を見て笑顔で言った。その笑顔は相手を貶しているのだはなく、可愛いという純粋な気持ちから来ている。ただ、可愛いと思うっている時点で貶していると皐月は思っているようで、
「止めてー。それは私のコンプレックス‼」
と皐月は頬を膨らませて言った。それを笑いながら実は自分の胸に埋まっている皐月の頭をもう一度撫ぜる。まるで飛び込んできた子犬の様に。
「あれ?実ちゃん今日、銃はどうしたの」
いつも持っているミニガンが見当たらないことに皐月は気が付いた。
「銃なら今メンテナンスに出しているので」
実はポケットから小型のリボルバーを取り出した。
「護身用のこれを持ってきてます。先輩はいつも通りですよね」と実は皐月が持っているショットガンと大きな鞄を見ている。
「まぁねー。だけど、なんか違和感あるね」
あどけない表情で皐月は言った。そして、その後大きな欠伸をする。
「まぁ、確かに先輩の胸が急に大きくなるみたいな感じですもんね?」
これは完全に貶している。
実は顔を膨らませて実を見上げている。
「うふふ。そろそろ、時間ですし行きましょうか」
「うぇー。そうだね。遅れるとまた苗ちゃんに怒られるよ~」
「先輩先週は2回遅刻しましたもんね」
笑いながら実と皐月は学校に向かった。 風が吹き桜の花びらが数枚舞っていた。
学園都市エレミヤ学園統括組織
学園自治統括政府【AAGA】 自治区の間接的管理【AFD】と【GCA】の行動を監視。エレミヤ最高権力
政府統括専門機関庁【GCA】 エレミヤの全体方針を決定する組織。【AFD】より上の組織
学園連邦政府【AFD】 主に学園内の自治に介入することが出来る。学校間の問題を解決・統括する組織