↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/132

46.検証、連携スキル

 純和風(?)VRMMOベータテスト。


 ダンジョン一階層。


 スキルの検証に来ている2パーティー計八名である。


 ケイとサラの連携スキルを検証しに付いてきていたジオと縁(えにし)の四人組。

 個々人のスキルを検証に来ていた要(かなめ)、楓(かえで)とそれに付いてきていた翡翠(ひすい)、ソライロの四人組が合流した形である。


「『掛(か)けまくも畏(かしこ)き 見守り給う神々に 恐(か)しこみ恐(か)しこみ白(も)まおす』」


【思兼(おもいかねの)神(かみ)   八意思兼(やごころおもいかね)】


「いつでもどうぞ」


 ジオが声をかける。

 消耗の大きいスキルだが、幸い自動回復上昇スキル持ちのサラが居るので、MP消費は格段に抑えられている。


「『掛(か)けまくも畏(かしこ)き 見守り給う神々に 恐(か)しこみ恐(か)しこみ白(も)まおす』」


【高御(たかみ)産巣日(むすびの)神(かみ)   神集(かむつどえ)】


「……今、最初の選択をソライロ、その後の複数選択を俺らに当てました?」

「そうですね。ただ、効果が不明で、正直なところ使い方は勘です」


 現在、要(かなめ)のスキルの検証中である。


 ジオがスキルで各データを分析する。


「各メンバーのパラメータに変化は無し……」


 しかし、どんなに調べても変化はない。

 とりあえずMPが消耗しきらない内に切って、もう一方の謎スキル、楓(かえで)の方も見てみる事になった。



「『掛(か)けまくも畏(かしこ)き 見守り給う神々に 恐(か)しこみ恐(か)しこみ白(も)まおす』」


【思兼(おもいかねの)神(かみ)   八意思兼(やごころおもいかね)】


【神産巣日(かみむすびの)神(かみ)   神産巣日(かむむすび)】


 楓(かえで)は最初にジオ、次にその場の全員を指定したわけである。が、しかし。


「……俺らのMP、減ってね?」

「え!?」


 ケイの指摘に楓(かえで)が声を上げる。

 じわじわと全員のMPが減少しはじめたのである。


「味方に掛かる弱体化(デバフ)?? キャンセルした方がいいですか?」

「そんな馬鹿な……」


 困惑する楓(かえで)とジオに、サラが声をかけた。


「ジオさんのMP減少スピードが減ってます。

 さっき何秒でどれくらい減るか見てたんですけど、明らかに減りが遅くなってます」


 言われて全員がジオのMPに注目する。


「言われてみれば……」

「どうなってるんだ??」


 首をかしげる縁(えにし)とケイに、考えを巡らせていたジオが仮説を述べる。


「…………『神産巣日(かむむすび)』は指定した人の受けたダメージを、スキルを掛けられた全員で補うとか?」

「なるほど」


 特に前衛にはMP消耗の大きなスキルは敬遠されがちである。ジョブ特性で基本MPが少ない上にMPの消耗で行動制限が掛かるからだ。

 しかし『神産巣日(かむむすび)』を併用できれば使いどころが広がるかもしれない。


 ジオのMP回復を待つ間に別の検証である。




「いてぇ!」


 ケイがどつかれたのは牛型の八十禍(やそまがつ)、その辺の雑魚敵であった。

 HPの減少を見ているジオが唸る。


「HPダメージは……これどういう分配なんだ??」

「計算難しそうですね」

「ケイ、もうちょい連続しないでダメージ受けてみて」

「無茶言う!!」


 ケイの服が赤っぽいせいか闘牛を彷彿とさせる。

 本当なら忍者が躱した方がいいのだが、ケイのスキルに引き寄せられているのでターゲットを取り返すのが面倒なのである。


「これ、ダメージの分散方法によってはレベルの低い人が死にますよ」


「ですよねぇ……見た感じ現在HP割合で削って被術者の消耗を抑えてるっぽく見えるんですけど、場合によっては使い方を慎重にしないと……後はレコードで確認するか」


 ダメージを分散している人のダメージ計算は判然としなかったが一段落付いた。



「ふむ、当方ももう一度使ってみてもいいですか?」


 そこに要(かなめ)が改めてスキル検証を頼んできた。


 拍手(かしわで)が響き、スキルが使われる。


【思兼(おもいかねの)神(かみ)   八意思兼(やごころおもいかね)】


【高御(たかみ)産巣日(むすびの)神(かみ)   神集(かむつどえ)】


 要(かなめ)は今回、ジオを指定してから複数名の指定をした。


「うおっ!?」

「ケイどうした?」

「うわ、これもしかしてジオさんのスキル使用時の視界ですか?」

「視界……?」


 指定された複数人の視界には多数のデータが表示されていた。


「ああ、なるほど。つまり私のスキルを皆さんが使えてると」


 各人から話を聞いたジオが手早くまとめ、スキルの使い手としてアドバイスした。


「ジェスチャーで表示をオンオフできると思いますよ。

 他にも色々見れるはずです」


 その時、赤い線が一本通ってケイに注がれた。

 スキルの掛かっている全員が線を辿って一斉に振り向くと、その先に鳥型の八十禍(やそまがつ)が一直線にこっちに向かってきているのを認めた。


 縁(えにし)の術で落としたが、問題はその辺の禍津日(まがつひの)神(かみ)ではない。


「ターゲットと攻撃軌道が分かるわけですか……」

「これ、すごい便利じゃね?」


 ジオの八意思兼(やごころおもいかね)のスキルが全員に共有されているのである。

 ボスの思金神(おもいかねのかみ)が使っていたあのスキルである。


「でもMPの消耗が大きいんですよね……」


 言いながらジオがスキルを解いた。この短時間でかなり消耗している。

 ジオが解いたと同時に周囲の全員も思金神(おもいかねのかみ)のスキルが使えなくなる。


「なるほどな」

「アンさんの索敵とか、小春(こはる)さんの鑑定でボスの消耗具合を全員で確認できると便利ですよね」

「ケイとの連携スキルを全員に掛けられると分担して合流できそう」


 盛り上がっている所で、当の要(かなめ)が申し訳なさそうに呟いた。


「あー、当方、徒士(かち)のせいか維持のMP消費がきついので、あまり乱発はできないと思います」


 言いながらスキルを切った。この間にも、既にMPが半分近くまで減っている。


 ジオのスキルのMP消費が大きすぎる影響ではないかとケイのスキルにも試したが、要(かなめ)のスキルの基本消費量がそもそも大きいようである。それなりに強力なスキルなので無理も無い。


「あ、それじゃあさ……」


 と、翡翠(ひすい)の提案でサラの自動回復上昇スキルを全員に付与できるか確認した。


「回復スピードは上がってる」

「ただ、人数が増えると要(かなめ)さんの消費も上がるな……」


 倍々とまでは言わずとも、スキルをかける人数が増えると要(かなめ)のMP消費が増える。人数の増えた天宇受売命(あめのうずめのみこと)のスキルで相殺できない消耗である。


 要(かなめ)がサラの回復スキルを全員に付与し、その要(かなめ)の消耗を楓(かえで)のスキルで分散するという手法も考案されたのだが、今度は全員のMP回復量がほぼプラスマイナス0になった。


「そもそもおしくらまんじゅうみたいになって回復するタイミング……ある?」

「ボス戦の後とかですかね……」


 上手く使えれば強いが、どちらも使い所が難しそうである。



 その後、エリアを移動する内にケイの赤火の火の玉の上に金の火が燃え始めた。この金の火は味方の居るエリアを示しているというのが現在の推測である。


 検証も兼ねて行ってみた二階層で合流したのがレイ、アン、影助(えいすけ)、秀吾(しゅうご)の四人組であった。

 アンの索敵に合わせて中遠距離攻撃で敵を狩る方針だったようである。


 二神連携の検証に来たケイ達にとっては意外だったが、このメンバーには二神連携は出ないらしい。

 ケイがジオに確認する。


「……アンさんと秀吾(しゅうご)の神様って兄弟だよな?」

「まぁそうだけど……この運営だからなぁ……」


 ちなみに縁(えにし)を入れても出なかった。神様の関係で言えば親子である。


 検証を終えて、ケイ達は緑火鳥居をくぐった。

 アイテムの分配を済ませ、町中の用事を済ませるために、皆それぞれの場所に散っていく。



 それを見送ってケイが呟いた。


「必ずしも祖神(おやがみ)や兄弟神と二神連携できるわけじゃないんだな、ちょっと意外」


「俺も要(かなめ)さんと連携スキルあるわけじゃないしな。それに大国主(おおくにぬし)は自己申告で子供180柱以上いるし」


「おお……さすが元祖チーレム主人公……」

「一説によると高御(たかみ)産巣日(むすびの)神(かみ)の子供は千五百超えるぞ」

「何でだよ!?」


「神様だからなぁ……そのうちの一人が少名毘古那神(すくなびこなのかみ)って説がある。古事記では少名毘古那神(すくなびこなのかみ)は神産巣日(かみむすびの)神(かみ)の子供ってなってるけど」


「へー……じゃあ逆に連携がある少名毘古那(すくなびこな)と大国主(おおくにぬし)はすごく仲良いって事?」


「仲良いぞ」

「もしかして何かエピソードあんの?」


「……播磨国(はりまのくに)風土記によると……ある日、二人で歩いてるときに「トイレ我慢して歩くのと重い荷物持って歩くのどっちがしんどいか競争しようぜ!」って……」


「小学生か!? 何!? この国の冥王、朗(ほが)らかすぎない?」


「元祖不遇スタート他力本願型チーレム主人公、かつ、元祖スローライフ目指す系名君型魔王主人公の疑惑が出てきた」


「全部載せ過ぎるだろ。なんか小学生に人気そうな要素まで載ってるし」


 全部載せしてほぼ達成してるので強い。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。