TU エビソード3
猪鍋をみんなで楽しんだ。次の日の朝に、リーエは帰る途中のフラングレー司令官にシークレットミッションを言い渡された。
アベンジャーズ・ザ・ウィメンズ内で、TUの存在はまだ否定できないので、残らず抹消してくれとのことだった。
期間は二日。
これには、さすがのリーエは頭を痛めた。
とりあえず、クリスにも何も言わずにリーエはおひるねこと共に広大な本部内をとぼとぼと歩き回ることにした。
「一体……? どうやって、全てのいるかいないかわからないTUを殺せばいいんだ? なあ、おひるねこ?」
「にゃー?」
「フッ、お前に聞いても意味はないか……うん? ああ! そういえば、犬の嗅覚は人の100万倍から1憶倍といわれてるが、猫は犬ほどではないが、人の20万倍といわれているんだ! 今からTU探しに犬を探している暇はないしな!」
リーエはおひるねこを連れ、コインランドリーや脱衣所が集まっているアベンジャーズ・ザ・ウィメンズのパブリックバス(公衆浴場)へと走り出した。
通路を行き交う人たちは、昨日のTUの襲撃で負傷している女性軍人が目立ったが、おひるねこを抱えて走るリーエの姿を見て微笑んでいた。
リーエが通路を進んでいると、アクリル板をカツカツと音を立てて前方から軍服姿のエデルが歩いて来た。どうやら、研究室からも不審なものが発見されたようだ。
エデルは無言でリーエに得体の知れない半透明な太い紐を渡した。
そのままエデルは研究室へと戻ってしまった。
「フフフッ……これでいいんだ……」
リーエはソードエネルギーを一刀抜いて不敵に笑った。
「おひるねこ! まずは本部のパブリックバスからTUを探すんだ! TUはまだいるんだ! この本部内のどこかに……!」
パブリックバスはアベンジャーズ・ザ・ウィメンズの南側に位置し、そこまでリーエは急いだ。
リーエはパブリックバスの大きなガラス扉を開けると、おひるねこに太い紐を嗅がせて室内を自由に歩かせた。
しばらく、おひるねこは湯気と花の香りの充満した広大な室内を歩き回ったっていたが。
「ニャー」
早速、おひるねこは脱衣所から太い紐と同じはずの臭いがする軍服を発見したようだ。
「よくやった! おひるねこ! ……むっ!」
だが、おひるねこが嗅ぎ回っている軍服は軽く10人分はあった……。
曇ったガラス製の仕切りから、一人の女性軍人がこちらを見つめていた。そこはシャワールームだった。
「BE!」
得体の知れない言葉で叫んだ女性軍人は、護身用のコンバットナイフを振りかざしこちらに駆け出した。
即座にシャワールームのガラス製の仕切りが幾つか開いた。
開いた仕切りの方々から9人の女性軍人たちが同時にコンバットナイフを持ち出しこちらへと走り出した。