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【第二章完】転生勇者の幼女は勇者パーティーに追放させたので百合ハーレムを目指します【一旦、完結】  作者: 佐藤コウ
第二章 知らぬ間に陰謀の渦中にあったが敢えて乗ってやろうと思う
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番外編1 『アンリ7歳。 それは目覚めの時』 

 俺は大の字に寝転ぶと、魔神を倒した達成感を覚えながら目を瞑る。既に痛みを感じなくなっていた。これでは回復魔法はもう間に合わない。

 自分の体から決定的な何かが剥離していく。こんな感覚を覚えながら俺の意識は途絶えた。


 俺は目覚めた。まどろんだ意識の中、ぼんやりと思うのだ。

――俺は死んだはずだが?

 見慣れない簡素な部屋に、簡素なベッド。

 意味が解らずに俺は取りあえず起きようと体を起こした。

 妙に反応が悪かった。

 何故か痛みは感じなかったが、まあ、死ぬほどの大怪我をした後なのだから仕方がないか。

 俺はやはりぼんやりとしながらベッドを出る。


 コケた。

 ベッドを出ようとすると俺は妙な違和感を感じたのだが、構わずそれを行ったのだ。そして床に転がってしまうのだ。

「痛てててて……」

 今度は痛みを感じた。転んだ拍子に右肘を擦り剝いてしまったようだ。

――ん?

 そこで俺は気が付くのだ。俺の右腕がやたらと細くなっている事に。いや、細くなっているのは腕だけではなかった。左腕も、両足も、胴回りも、まるで子供の様に小さくなってしまっていたのだ。

 痛みのお陰か、やがて俺の意識は覚醒していくのだ。

 自分の体をペタペタと触りながら確認していく。()()ではなく俺の体は正に子供のものだった。


――ああ、もしかして『転生』したって奴か?

 俺は魔神の最後の言葉を思い出しながら、そこに思い至る。そうなると気になるのは俺が絶望するほど、得たかったものが得られない呪いって奴だ。

 俺は座禅を組んで考える。

 裕福層ではないが、それでも絶望的でもなさそうなこの部屋を見てみる限り、人類滅亡のピンチって事は無いだろう。そもそも魔族は人類を滅ぼそうなんて基本的には考えない。

 それでは平穏無事な生活か? それも大丈夫そうだ。 状況的に俺は平穏無事に生きているっぽい。

 ああ、そうだ。そもそも俺は何者なんだ?俺はこう思い記憶を漁る。

「俺の名はユリシーズ……。 いえ、わたしの名前はアンリです」

 そして、俺の中で徐々にユリシーズとアンリの記憶が混ざり合っていった。


――は? ()()()だと!? 

 俺は慌てて自分の股座に手を突っ込む。

 やはり、()()は無かったのだ。

 ああ、そうだ引き出しに手鏡があったはず。俺は焦りながら思い手鏡を取り出すと自分の姿を確認した。

 安物の銅鏡はぼんやりとしかそれを写してはいなかったが、それでもとびっきりの美幼女がそこにはいるのだ。


「おのれ……、あの邪知暴虐な魔神め……。 貴様も生まれ変わっているのなら必ずぶっ殺してやる……」

 俺はその時、理解した。呪いの正体って奴をだ……。


「ヤロー、童貞卒業できない様に女に転生させやがった!」


 俺の慟哭が辺りに木霊した。

 

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