タンポポの逞しさ
50音まで覚えきれず世界を旅した(ぼくは)
やがて
痛みの畔を彷徨った
ア行だけで感情を表現した(ぼくは)
やがて
こころの傷を負った
50音と九九のかけ算を覚えた(ぼくは)
やがて
平坦なアスファルトを傷を庇うように歩いてた
50音と九九のかけ算の所々を忘れた(ぼくは)
やがて
アスファルトのひび割れた裂け目を見つけた
そこで
タンポポという花を初めて見た(ぼくは)
やがて
逞しさという言葉を知った
痛みの畔で覚えたことすべて捨てた(ぼくの)
こころの傷口にタンポポの花が咲いた
読んでくださりありがとうございました。