第2章.凰宮のプライド① (文夜姫について)
前話から間が空いてしまい申し訳ございませんm(_ _)m
改めて自己紹介しましょう。
私が、この長い長い物語の主人公の一人、凰宮文夜姫です。
平安時代より続く政財界の名門一族、凰宮家本家本元という名家に、現当主の孫として誕生しました。
また、凰宮家は政財界だけでなく、日本舞踊の流派の一つ、千凰流を創流した一族としても有名です。
そんな凰宮家はここ十数年、とある問題を抱えています。
それは、後継者争いです。つまり、凰宮家当主兼千凰流宗家家元に誰がなるかという問題です。
本当はこんなことで争いなど起きません。なぜなら、その座は本家本元の血筋に生まれた第一子が就任するものだと昔より決められているからです。
例えば、現当主のお祖母様は、私のお母様・朔夜とその妹・香子をお生みになりました。ですが当主になる資格を持つのは、先に生まれた朔夜だけということです。
ちなみに、当主には、一人目の子供を出産した翌年から就任できます。当主になるための最後の資格は、世継ぎを生むことだと言っているようなものです。
ですから、後継者は朔夜だと決まっていましたし、本来なら既に朔夜が当主になっているはずでした。
ですが、それに納得しない者がいました。それが朔夜の妹の香子でした。
香子―――つまり、私の叔母は「千凰流の宗家には朔夜より私の方が相応しい」と言い張ったのです。
お母様がこのように言われるのには理由がありました。
母は、舞踊の実力が乏しい上に、気の弱い人柄だったのです。
決して舞が下手な訳ではなく、むしろ、上手な方でありました。でも、足りないのです。千凰流を受け継ぐには。
気が弱いというのも、凰宮の代表として様々な相手と交流をするのには致命的でした。
姉を妬む妹が、このように「自分の方がふさわしい」と言い張るのは、凰宮家の歴史でもたまに起こります。
まぁ結局、姉の方が当主の座に就くのですが。
今回の件もいつものように、朔夜が無事に当主の座に就くと思われていました。
ですが、それは何故か叶いませんでした。
歴史にでてくる妹達と、香子は一味違ったからです。
香子は凰宮家に関わる、とある秘密を握っていたのです。
その秘密がどんなものかは私も分かりません。
現当主は、香子がその秘密をバラしてしまう事を恐れ、当主の座には自分が就いたまま、香子を当主代理としたのです。
そのせいで、凰宮家の中での朔夜の立場は悪くなって行きました。
しまいには、ある日突然父が行方不明になる始末。
私は、お父様の行方不明にはなにか理由があると思っています。
そのような状況の中、まだ私たちが生き残れたのは、私、文夜姫と妹の藍月、私たち姉妹の力があったからです。
順当にいけば今頃は当主の娘、次期当主の座に就いており帝王学も学び終えた私。幼いながら凰宮としての自覚を持ち姉を支持する準備ができていた妹。
血筋を何よりも重んじる他の凰宮一族、千凰流存続を願う人、はたまた世界中の名家の方々までもが私たちを支持していました。
ところが事態は一変してしまいます。
原因はこの私らしいです。
私が何をしたかって?
どうやら私は無くしてしまったらしいのです。ある事に関する一連の記憶を。
私が何に関する記憶を失ったのかは誰も教えてくれませんでした。ただ、その記憶が凰宮の秘密に関与することだというのはなんとなくわかりました。
そんな記憶を失った私は家の中で立場が弱くなってしまい、母親と幼い妹を連れ、ほとんど逃げという形で引越しを決意したわけです。
たった一つのことに関する記憶を失っただけなのに。
その秘密には一体どんなことが隠されているというの?
私はこの記憶を絶対に思い出し、凰宮の人間としての地位を確立したいのです。
今の凰宮の状況がバレて、弱みを握られないよう朧月学院をやめて区立中学に転校までしたのに。
私は出逢ってしまったのです。
“鷹司雅”という人間に。
鷹司は優秀な政治家を何人も輩出しており、昔から凰宮とも関わりのある、正真正銘の名家。
それと同時に現在、私が警戒している家でもあります。
なぜなら、鷹司家こそが父の行方不明に関わっていると思うからです。
私の調査では、父は行方不明になる前、鷹司家当主と頻繁に連絡を取っていた事がわかったのです。
ねぇ、私は鷹司雅にどう接していくべき?
思わず「久しぶり」と言ってしまいたくなる懐かしさ。
焦がされているかのように速くなる鼓動。
ワタシは貴方に何を感じている?
もし、これが運命だと言うならば。
…………悪くはなさそうね。
実は本日、6月6日は文夜姫の誕生日です。そして私、白銀アリアの誕生日でもあるのです。
来年の今日はたくさんの方に文夜姫を祝って貰えるように頑張ります!
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