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200字しばり

Fine. Ⅱ

作者: 水岡きよみ

アパートひしめく下町の裏道をひとり、歩いている。

来た時よりも、おぼつかない足取りで。

来た時よりも、しっかりとした意志で。

もう終止符(ピリオド)を打ったのだ。この不毛な関係に。

そして二度と手に収まらない。最も心を傾けた男は。


背に触れる、生温い体の感触は別れを惜しくした。

規則正しく繰り返される鼾は母性本能を刺激した。

もう、聴くことはないだろう。

切ないピアソラの調べも、あの男が創る木管楽器のメロディーも。

クラリネットのように甘く優しく包み込む、あの声も。

二度と。

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