新たな仲間
「謝罪ですか?それは無理ですね。」
「なっ、なぜそんなことが言えるんですか!?」
「実のところ魔王は最近やけに暇をしているそうなんですよ。なので強くなって謝罪しろよといっても はぁ?何のことって逃げるに違いません」
「そうか・・・やっぱり倒すしかないか・・・」
そう悩んでいると隣のベットで寝ている零が起きた。零は怯えていて身を隠していた。
「大丈夫だよ、もう魔王はいねぇよ」
「そのことじゃない!!ここはどこ?」
「ここはレイアン地方ですよ」
零は話を聞くと「はぁっ・・・」っとため息をした。蓮は零が家に帰って早くゲームをしたいんだろうとなんとなくわかった。
そこである異変に気付いた。
「あっ、そういえば手に持っていたインジェスト・オブ・ヴァルキリーがねぇな」
そういうと、零は落ち込んだ。そしてぶつぶつと「もう私の人生は終わった・・・早く殺して」っと何回も語っている。
そして気を取り戻したのか、突然立ち上がり、「そうだわ!!あれもこれも全部魔王のせいよ!あいつ絶対にぶっとばしてやるわ!!」と言った。
そこで蓮と零の情熱に知ったのか少女はうらやましそうに言った。
「あの!魔王も倒しにいくなら私も同行してもよろしいでしょうか!」
「・・・大丈夫なのか?親に反対されるぜ・」
蓮が少女に大丈夫かといったのは、まだ幼いことと、この子の親が心配するだろうと思ったからだ。
「はい!大丈夫です。私は回復魔法が得意なので皆様のお役に立てるとおもいまして!」
「そうか、まぁいいか」
蓮が連れて行くと決めた理由は二つあった。
一つ目はこの子は回復魔法が使えるからパーティにとっても不足はないと言う事。
もう一つはこの子の両親が常にいない事。これは勘だが、音がぜんぜんなっていないのだ。たぶんこの子はその事を知られたくなくて親のことはいわなかったのだろう。っと思っているとドアが突然開いた。
「おお!旅の者達、目を覚ましましたか!!もしもういってしまわれるのであればこの子も連れて行かせ てください!!」
蓮の予想は外れた。しかも親から連れて行ってほしいと言われた。もうこれは連れて行くしかないだろう。
「分かりました!お言葉に甘えて娘様を頂戴致します」
「な!?それは私を嫁にもらうとの事で!?」
「違います。パーティに連れて行くということです」
「わーいおにぃちゃん達と同じパーティになったー!!」
少女の笑顔はまるで天使のようで、こっちろ微笑ましくなった。
「そういえば名前聞いてませんでした」
「あっ、はい!私の名前はレイン・ドルインです!!」
「よろしく!レイン」
「はい!」
新たにパーティが加わった。
ヒーラーということでかなり使えると確信した蓮は、家の人達と話をしてすぐ近くの森に向かった。
(あっ、そういえば俺、魔法使えない...)