『case55 カップルでも許されない。』
買い物から帰る途中で正面から自転車が来ていることに気がついた。
あまり広い歩道でもないから身を縮めて通れるようにしようと思ったら、自転車は二人組で横並びでやって来た。
歩行者である僕がいるのだから近づけばどちらかが後ろにいくなり前にいくなりするだろうと思っていたが、二人はそのままで僕の横を通りすぎようとした。少し当たりそうになったから僕が避けたにも関わらず、二人は何もなかったように笑顔で話ながら通りすぎていった。
会話の内容から二人の関係は恋人同士だろう。
それにひがむわけではないが幸せそうに通りすぎていった二人に苛立ちが押さえられず、
・天罰対象
カップル
・行為
自転車で横一列で歩道を通って、歩行者を危険な目に遭わせた。
・天罰内容
片方の自転車が滑って転倒して、巻き込まれてもう片方もこける。
僕は『実行』と思い、その場を離れた。
仲が良いのは別に非難されることではないし、勝手にやってくれたら良いと思う。
今後も幸せな時間が続いて欲しいとも思うが、それでも周囲に迷惑をかけてほしくはない。
自転車で横にならんで走れば話しやすいかもしれないがそれだけ幅をとってしまう。歩行者にも色々な事情の人がいる。
急いでいる人、時間に余裕のある人、高齢者に子供もいる。
怪我をしている人だって病気の人だっている。何を考えて道を歩いているのかわからない。
だから、逆に気を付けなければいけないと思う。
突然、病気で倒れるかもしれないし、襲いかかってくるかもしれないし、人に迷惑をかけていれば天罰を下されるかもしれない。
自分を中心に生きてしまうのは仕方ないことだと思うが、それは自分以外のすべての人も同様にそう思って生きているのだから、他人と衝突しないように気を付けることも大事なのだと最近思うようになった。




