表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様ゲーム -天罰を下すのは-  作者: TAKEMITI
ゼウス決定戦
75/136

『case54 払うのは誰?』

 スーパーに行き普通に買い物をする。

 料理はあまりできないので、飲み物と惣菜を買ってレジに向かう。

時間帯的には混む時間ではないが、レジの前に人だかりができている。周りもその人だかりを避けている。レジが混んでいれば仕方ない状況だと思って近づくと、大学生くらい男数人が集まって楽しそうに話していた。個別にかごを持っているわけでもなく、一番前にカートを押している人がいるくらいで他の人は何も持っていない。

 ただそこに集まり話しているだけだった。ニ、三人ならまだ邪魔にはならないが、八人くらいが集まっているし、広がっているのでとても邪魔だ。

 おじいさんやおばあさんもいてカートを押している人たちからしても通る場所がなくかなり迷惑そうにしているのに誰も気がついていない。

 さらに近づいていくと、

「まだ先なんだから、今から買い物来る必要なくないか?」

「しょうがないだろ、みんなで集まれるのが今日だけだったんだから。」

「準備は早いに越したことはないよ。」

「てゆうか、バーベキューには時期早くないか?」

「寒いなかでやるバーベキューも楽しいんだぞ。経験者は語るだよ。」

「何やってんだよお前は。」

 そんなことを言いながら笑いあっている。

 楽しそうに遊びにいくための準備をしに来たのだろうが、他の人に迷惑をかけてはいけない。

 あまりに大学生達が広がっているので、彼らがどこのレジに並んでいるのかわからずにウロウロとしているおばあさんまでいる。

 ようやく彼らの番が回ってきたのか先頭にいた人がカートからかごを下ろして、レジの人に渡している。

 レジの人が商品を会計していく間に財布を出したのはかごを渡した人だけで、他の人たちはまだ広がって騒いでいるだけだった。

 合計金額を見て、会計をしていた人が「2000円出して。」と言っても一番近くにいた人が財布を出して支払った。

 他の人たちは微動だにしないでまだ騒いでいる。

 ここで僕は思った。『支払いをした二人以外そこに要らないだろう!』と。どうやらそう思ったのは僕だけではなかったようで、僕のレジをしていた店員がめちゃくちゃ小さい声で「お前ら要らねぇだろ」と呟いた。店員さんもうっかりと声に出たので、僕に向かって

「あっ、すみません。」

「大丈夫です。僕も同じこと思いましたから。」

 店員さんは曖昧な笑顔を浮かべて、会計を進めていった。

 これだけたくさんの人が迷惑しているのだから、天罰を下そうと思うが、どんな天罰がいいのかと考えてしまう。

 レジの周りにいて邪魔になっていたとしても、起こりえるハプニングは誰かの押していたカートにぶつかることとか、お金が足りなくて恥をかくとかそんな感じだろうが、同じメンツでまた買い物に来るとは限らないし、カーとも誰か一人にぶつかることはあっても全員にはぶつかれない。会計も終わってしまったからお金が足りないというのも実現不可能だろう。

 そうなると、楽しみにしているバーベキューができないのが一番嫌だろうなと思うが、『天気が悪くて行けなかった』とすると同じようなことをしようと思っていた人たちも被害にあってしまう。

 ここで僕はこの間の雷を落としたのを思い出した。車1台にだけ雷を落とすことができたのなら、彼らのいる場所にだけ雨を降らせることはできるのではないかと思った。能力の範囲を限定することができるならできることもけっこう増えてくると思い、試してみることにした。


・天罰対象

 大学生達

・行為

 レジの周りに集まって人の邪魔になる。

・天罰内容

 あのメンバーでバーベキューに行こうとすると彼らの周りにだけ雨が降る。


 僕は『実行』と心の中で思った。

 楽しんではいけないとか、浮かれてはいけないとか言うつもりはない。生きていることは辛いことが多いし、どこかで息抜きしないとやってられないことだって僕もわかっている。

 でも、誰かに迷惑をかけるということは、迷惑をかけられた人の辛いこととか嫌なことの原因をあなたが作ってしまうということになるのだと僕は思う。

 できたら、人に嫌な思いをさせずに生きていきたいなと僕は思った

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ