『運命の2週間』
「へぇー、お天気を操る力だったんですね。
そうか、雷なら黄緑だし、雨は水だがら青だし、雪は白だし、曇りは灰色だし、晴れは…………………何色なんだろ?
まあ、とりまえず色んな色が混じって黒だったってことですね。」
僕は虹川さんと会っていた。『神の力』を手に入れたこともそうだし色々と相談したいこともあったので僕から連絡するとすぐに会いに来てくれた。
「ただ、自分でうまく使えるかも怪しいところですし、どうしても回りを巻き込んでしまうような力が多いので扱いに困ってるんです。」
「まぁ、新しいことができるようになるって怖いものだと思います。
今までと違う自分になったからって、生活のすべてを変えられる訳じゃないですし、その力の限度もわからないですしね。」
「虹川さんの力はどうですか?
力の操作を間違ったなと思うこととかありますか?」
「ありますけど、私の場合はどっちかって言うと、力を使うために色んなことを勉強しないといけないんですよ。
物の色や形状とかも踏まえないとうまく天罰が下せないこともあるんで、何かわからないものは全部調べてからしか使えないですし。」
「僕も天気の勉強をした方が良いんですかね?」
「どうなんですかね?
例えば、天気って雨、曇り、晴れ、雪とか以外に何かありましたっけ?」
「台風とか竜巻とかも天気にはいるんなら、風とかも使えますよね。」
「あとは、晴れでもポカポカの日もあれば暑くて猛暑の日もありますよね。小雨もあれば大雨もあるし。
そう考えるとできることはたくさんあるような気もしますよね。」
「そうですね、まぁ、考えておきます。
話は変わるんですけど、昨日の夜パソコンでランク確認システムを使ってたら、3位の人が虹川さんの経験値に近づいてましたね。」
「私も最近はあまり天罰が下せてないんです。
その点、3位の人はどんどん天罰をして、追い上げてますね。
でも、順位が高ければ良いと言うものでもないみたいです。
画面の下の方も見ましたか?」
「ああ、あの『14』って言う数字ですか?
あれはなんなんですか?」
「本選までのカウントダウンか、もしくは『ゼウス決定戦』の残り日数かもしれませんね。
あと2週間ですべてが終わるかもしれないってことですね。」
「シシガミが1位のままで大丈夫だと思いますか?」
僕が聞くと困った顔をした虹川さんは
「わかりません。でも、シシガミが人を殺すような天罰を下すのは続いてますし、私も努力はしているんですけど、なかなか追い付けないですし、困っている感じですね。」
「他の候補者の人は見つけられたんですか?」
「ダメですね。
だいたい、このゲームが日本だけで行われているかどうかもわからないじゃないですか。
日本だけでも広いのに、世界にまで広がると、天野さんを見つけられたのが奇跡に思えて来ますよ。」
「とりあえず、残り2週間でシシガミを誰かが超えないと人類全滅もあるから僕も頑張るので虹川さんも頑張ってください。」
「人類の運命をかけた2週間ってことですね。」
「そうならなければ良いなと僕は思いますけど、それくらい思っといて方が良いかもしれません。」
その後も色々な情報を交換して別れ、僕はバイト先に向かったが最後まで、自分の父親が現『ゼウス』であることを言えなかった。




