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神様ゲーム -天罰を下すのは-  作者: TAKEMITI
ゼウス決定戦
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『case45 踏み鳴らされた階段』

 パソコンをつけて、久しぶりにパソコンが提示してきたcaseをすることにした。

『case45 中学生男子。

 鉄板の階段でジャンプして大きな音をならした。』

 久しぶりにやると、何がいけないのかを考えるところから始めなければいけないことを忘れていた。

 中学生の男子が大きな音をたてたからといって迷惑になることがあるとするなら、例えばその階段が静かさを要求される場所にある場合だと思う。

 学校の階段?飲食店の階段?あるいは塾の階段などだろうか?

 みんなが勉強しているなかでうるさくすれば迷惑に感じる人もいるだろう。落ち着いた雰囲気が売りの飲食店なら大きな音がするだけで、その雰囲気が台無しになるだろう。

 それ以前に、なぜこの中学生がこんなことをしたのかの意味がわからない。でも確かなのは、この行為によって迷惑に感じた人がいたということだった。

 問題はどれくらいの『重さ』にするかだ。直接的な被害がないのに『重度』にすることもないが、正月が過ぎてのこの時期だし、場所が塾などの集中力が必要な場所でなら、高校生はかなり気持ちが追い詰められているだろうし、飲食店などであったとしても、店の評判が落ちて客が減れば、売り上げの額にも直結する問題だから『軽度』でもないだろう。

 とりあえず、痛い目にあってもうやらなくなれば良いと思い『中』を選んだ。久しぶりな気がする具体的な天罰が表示されたが、いつもなら3つなのに一番下に4つめが加わっていた。とりあえず上から順番に見ることにした。


1.近くにいた大人に30分間も説教される。

2.親に怒られて、小遣いを減らされる。

3.どこからともかく石が飛んで来て、おでこに怪我をする。

4.その他。

※その他は自分で天罰の内容を決めるものです。

 自らの『神の力』を用いた天罰を下せばボーナスポイントがつきます。


 4が気になったし、最初から4を選んでもよかったが、他の選択肢も考えてみることにした。

 1は、誰かもわからない大人に怒られたからと言って、この中学生が反省するのかという疑問が残るからないだろう。

 2も、小遣いを減らされるだけでは、反省の度合いがいまいちわからないし、親の見ていないところでまた繰り返す可能性があるので意味がないだろう。

 3は、この石を誰が投げたのかという疑問が残るし、誰かに怪我をさせればそれは傷害罪という犯罪になってしまう。

 天罰で犯罪者を作るのも何か違う気がするからこれもないなと思った。

 自分で天罰を考えるのはフリープレーシステムで既にやっていることだったから難しくもないと思ったが、自分の『神の力』を使った天罰はまだしたことがないので、内容に困った。

 この中学生がもう二度と同じことをしないようにするためには、この行為で痛い目に遭う必要がある。

 でも、天気を操れる力では屋外にあるなら色々とできるかもしれないが階段が屋内にあればできることは少ない気がした。

 とりあえず、階段を踏み鳴らすということは、強く踏むか、飛ぶことしか方法はないだろう。

 それなら踏み外して、足とか尻を強打するくらいが良いと思う。

 それにどう天気の要因を加えるかだ。

 飛んだとするなら、勢いがついているので、滑ってというのが妥当だろう。それなら雪も降る時期だから、靴の裏に雪がついていて滑ったことにすればどうかと思ったが、雪の日なら滑ることを警戒して飛んだりしないだろう。

 それなら雨ならどうだろうたか。

 雨の日なら多少の警戒はしても雪の日ほどではないだろう。

そう思って、4を選択する。いつもならすぐに確認画面に進むが、『その他』を選んだので、天罰内容の入力画面が表示された。

僕は『雨の日に濡れた靴で階段に向かって飛んだので、着地で滑っておしりを強く打った。』と入力した。

確認画面に進み、


・天罰対象

 中学生男子

・行為

 鉄板の階段でジャンプして大きな音をならした。

・天罰内容

雨の日に濡れた靴で階段に向かって飛んだので、着地で滑っておしりを強く打った。


 僕は『⚡』ボタンを押した。雷がニ本落ちて、『結果報告』が表示される。

『中学生の男子は、友達と遊びで階段にジャンプして大きな音をたてて遊んでいました。まわりが迷惑していることとわかっていましたが、それを楽しんでいました。

 そんなある日、雨で靴が濡れていたにもかかわらず、ジャンプして着地しようとしたところで滑って、おしりを強打して尾骨を骨折しました。

今回の評価はAです。経験値を120獲得しました。』

 A評価だと60とか70くらいだったから、『神の力』を使っただけで60くらいなのでボーナスがもらえたのかと思い、『評価内容』に進んだ。

『今回の天罰は、自分が楽しければ誰かが迷惑していても構わないと思っている頭の悪い子供に対する天罰でした。

 大気汚染、悪臭、騒音は人を不快な思いにさせるだけでなく、健康にも害を及ぼすものです。

 生活するだけでも騒音は出てしまうものですが、それを意図的に発生させることは暴行・傷害罪にもなる行為です。

 その点でいうと今回の天罰は音を鳴らすために使われた階段が使われたことによって、階段で遊ぶことの危なさも教えられたことでしょう。雨の日は慎重に階段の登り降りをすることを学んてほしいものですね

 自らの危険な行為を省みて、周囲の迷惑を考えさせるためにも今回の天罰はよかったでしょう。

 ただ、自分の力についての理解と応用がまだまだです。最適にかつ効果的な使用法を探ってください。

 評価はAで、『神の力』のボーナスが60となり、合わせて120です。

力の使い方と適切な使用法を見つけられれば、更なるの高得点も得られるので頑張ってください。』

 僕は使い方のわからない『力』について、もう少し考える必要があるようだ。ただ、今の僕ではどうやって力を使うのか、発動するためにはどうすればいいのか、天罰への応用についてのバリエーションもないので、天罰を下さないときでも『使い方』を考えることにしようと思った。

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