『5個の天罰』
本日のバイトを終え、部屋に帰ったのが21時過ぎ、そこからシャワーを浴びてパソコンの前に座ったのは22時になろうかとしている時だった。
『神様ゲーム』を起動すると、case29から33までが追加されていた。
僕は順番に結果報告と評価内容を見ていくことにした。パソコンの画面には『case29』から『case33』の天罰内容を冠した名前と評価、そして事案発掘評価という聞いたことないものと経験値が箇条書きでかいてあり、その下に『詳細』という欄が追加されていた。
『case29歩きスマホ』
評価A
事案発掘評価B
(事案発掘評価はフリーシステムで行った天罰にのみ加算される評価で天罰を下した行為がありふれたものであればB評価、あまり気づかれてはいないが人に多大な迷惑をかけていればS評価、必要もないのに天罰を下した場合はD評価となります。
以下、事案発掘評価の経験値加算表
S評価 = 40
A評価 = 30
B評価 = 20
C評価 = 10
D評価 = -50
となります。必要のない天罰を下した場合マイナスになりますので、天罰を下すときは気を付けてください。)
経験値 通常評価(60)+事案発掘評価(20)=80
『詳細』
『case30ボール遊び』
評価A
事案発掘評価A
経験値 通常(60)+事案発掘(30)=90
『詳細』
『case31理不尽な社員』
評価A
事案発掘評価C
経験値 通常(60)+事案発掘(10)=70
『詳細』
『case32犬のフン』
評価B
事案発掘評価S
経験値 通常(40)+事案発掘(40)=80
『詳細』
『case33 混ぜるな危険』
評価S
事案発掘評価A
経験値 通常(80)+事案発掘(30)=110
『詳細』
現時点での総括
獲得経験値 430
累計経験値 1560
僕は色々と気になることがあったが、とりあえず『case29』の『詳細』をクリックした。画面が変わり、今まで見ていたような『結果報告』と『評価内容』が表示された。
『case29 歩きスマホ 』
「会社員の男性はスマホで趣味のゴルフの記事を読みながら歩いていました。通勤時間のため多くの人が行き交うなかで前を見ずに歩いていたため数人と肩がぶつかりましたが、スマホを見るのをやめずに歩いていると反対方向から来た同様に歩きスマホをしている人とぶつかり、倒れた拍子にスマホを踏んでしまったため、画面が割れてスマホが使い物にならなくなりました。
評価内容
この天罰は何気なくしている行為の中でも最近増えてきているものです。事故や喧嘩の原因になり、最悪の場合は命を落としたり、警察に捕まったりすることにも発展する、将来的な危険度の高い行為になります。今回はお互いに歩きスマホをしていたので、両方に落ち度があったため、大事にはなりませんでしたが、自分が被害者にも加害者にもならないために、視界の狭くなる歩きスマホはしないことが重要です。
どうしても見なければいけないなら立ち止まって確認するべきでしょう。
今回の評価はAです。
事案発掘評価は、日常でよく目にする光景であり、誰もがしてはいけないことを認識しながらもしてしまうといったことなので見つけるのも簡単だったので評価はBでした。」
僕は事案発掘評価が一番低い『case31』をクリックして画面を切り替えた。
『case31理不尽な社員』
「会社員は、バイトに子供への叱責が酷すぎると注意されたことに怒り、バイトをクビにしました。子供への叱責も理不尽なことばかりだっため、他のバイトやパート、お客さんからもお店に苦情が入り、普段からの勤務態度の話などもクローズアップされて、会社をクビになりました。
評価内容
普段からの行いというのはとても大切です。
真面目に仕事をしていたなら、言い過ぎたくらいで苦情の電話が鳴り止まないくらい来ることはなかったでしょう。
普段から仕事もせずセクハラ紛いのことばかりしていたから、苦情も止まらなかったのでしょう。
そのような事情のある彼はおそらく再就職も厳しいでしょうが自業自得である以上、文句も言えないでしょう。
今回の評価はAです。
事案発掘評価は、元々があなたの行った天罰が引き金となって生じたものであり、社員の普段からの行いも確かに許されないものではありますが、意図的にではないとしても天罰を下す行為をあなたが作ったことに変わりがないので事案発掘評価はCです。」
なるほど、確かにこの天罰は僕が中学生に天罰を下したから起きたことに対して天罰を行っている。
候補者が天罰のもととなる行為を誘発して天罰を下したのでは、下された方の対象者がかわいそうだし、もっともな意見だと思う。
他の天罰に関しても気になったが、疲れがどっと押し寄せてきたので、また今度にして、パソコンを閉じた。




