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神様ゲーム -天罰を下すのは-  作者: TAKEMITI
ゼウス決定戦
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『case31 理不尽な社員』

 レジを抜けて、理不尽に中学生たちを起こり続けている社員のもとに行き、

「もうそれくらいでいいんじゃないですか。

この子たちも反省してるみたいですし、商品の中で傷があるのだけ買い取って貰うとして、それでいいじゃないですか。」

「なんだ?バイトの分際で社員の俺に意見するのか?」

 あからさまに怒りを向けてくる社員に向かって

「確かにボールで遊んでたのはダメなことですし、商品にぶつけたのも悪いことではありますけど、そんなに長く色々言う必要はないと思います。」

「だからバイトの分際で偉そうなんだよ。

ヒーロー気取りか?うざいんだよ。」

 社員は僕がバイトだからという理由で、僕の話を聞こうともしていない。思えば彼はいつも商品の管理やレジの集計や閉店後の店の戸締まりまですべてをバイトに任せて、一日のうちほとんどを携帯をいじったり、若い女の子のバイトにちょっかいを出しているだけでまともに仕事をしていない、とパートのおばさんが文句を言っていた。

「そういうことじゃなくて、彼らも反省してるみたいですし、ここで大騒ぎしても他のお客さんに御迷惑がかかるだけですから、せめて休憩室とか他のところでやった方がいいと思います。」

「だ、か、ら、何でお前に指図されなきゃいけないんだ?

事を終わらせたいなら、お前がかこいつらの代わりに弁償すればいいだろう!」

 彼が何をいっているのかわからなくなってきた。何で僕が弁償する話になっているのかわからない。僕がバイトだから金がないと思って、弁償できずに引っ込むことを見越しての発言かもしれない。

 そうだとするとかなり腹が立つので、

「わかりました。僕が落ちたの全部買いますから、この子たちを許してあげてください。」

 社員の彼は僕の反応が思っていたのと違ったのか驚いた顔をして、

「お、おっ、おう、そうか。じゃあ、今すぐ即金で払えよ。」

 バイト中に財布を持ってる訳もないのにまた訳のわからないことを言うなと思いながら、

「わかりました。ただ、レジにお客様を待たせてるので、僕のバイトの時間が終わったらでいいですよね?」

「ふざけんな、今だ。今すぐに決まってんだろ。

できないなら、こいつらのを許すのもなしだからな!」

 僕は短く息を吐いて、

対象 社員の彼。

行為 理不尽なことばかり言って子供たちを傷つけた。

天罰内容 不真面目な勤務態度が会社にばれてクビになる。

僕は心の中で『実行』と言い、彼が店長室に呼び出されているところが見えたので、

「わかりました、このバイトを辞めるので、今月分の僕の給料を今すぐここに持ってきてください。

 そのお金で弁償でも何でもしますよ。」

「ハア?お前、気は確かか?」

「あたりまえじゃないですか。今すぐ僕の給料をとってきてください。今日の分は入れなくていいので早くしてください。」

「わ、わかった、そこを動くなよ。」

そう言って、彼は走っていった。

「あの、僕のせいですみませんでした。」

 中学生の子が謝ってきたが、もとはと言えば僕の天罰のせいで起こったことなので、

「ううん、こっちこそごめんね。」

「えっ?」

「ああ、その~、悪口沢山言われちゃったでしょ。関係ないことまで色々とあれは言い過ぎてたと思うから、僕から謝っとこうと思っただけだよ。それじゃあ、まだやることあるから。」

 僕はレジに戻って、

「すみません、お待たせしてしまいました。」

 そう言ってこの店最後のレジうちをした。

「あなたはすごいですね」

 お客さんが笑顔でいってくれた。僕は軽く頭を下げて、レジうちを終わらせて、もとの中学生のもとに戻ったところで、社員の彼が戻ってきた。給料袋からお金を出して、代金を引いた分を袋に戻して、

「あまりだ。さっさと消えろ。」

「言われなくても帰りますよ。」

 僕はそう返して、荷物を取りに休憩室に行き、荷物をもって店を出た。

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