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神様ゲーム -天罰を下すのは-  作者: TAKEMITI
ゼウス決定戦
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『case30 ボール遊び』  

 バイトの仕事を始めたところで、中学生くらいの集団が目についた。

特に何か悪さをしているわけではない。持ち物から見るにサッカー部の仲間で買い出しに来ているような感じだ。

 一人がネットに入れたサッカーボールで遊び始めた。今日のバイトはスーパーのレジうちで、持ち場から離れることができない。

 午前中の時間は主婦の人がメインで入っているし、この店の社員は面倒なことにはかかわらない主義なので、誰も注意する人がいない。

 棚には当たらないようにしているようだが、小さな子供連れのお母さんや高齢者達からすればいつ飛んでくるかわからないと言った不安をかきたてるのには十分な威力でボールを蹴っている。

 一緒に来ている仲間の子らも特に注意することなく買い物に夢中だ。

お客がいなかったので注意しにいこうとしたとき、お客さんが来て、それもできなかった。

 明らかに彼の回りを通る人たちが怯えているので、レジをうちながら、天罰を下すことにした。

対象を中学生男子。行為を店内でボール遊びをした、として天罰を下すことにした。

『重さ』を行為の危険性があることから『中』にした。

具体的な天罰を考えると、ボール遊びの危険性を教えられるようなものが必要だが、ボールが他の物にあたり、怒られるような天罰しか思い浮かばない。

 そうなると、お店に損害が出るだろうし、あまり気が進まないが、レジをうちながらなので、まともな他の代替案が出てこない。

 中学生のグループは飲み物のところに移動したのを見て、缶ジュースならそんなに片付けが大変でもないかと思い、内容を

『ボールが缶ジュースにあたり、床に散らばって店員に怒られる』と決めて、心の中で『実行』と言った。

 僕から見える少年の様子が変わり、ボールを缶に当てて、あたふたしているところに社員の人が来て怒られている様子が見えた。

 先程の歩きスマホの時とは違い、恐らくこの後すぐに事件は起きるだろうと思い、そちらを見ていると、バックヤードから社員が出て来るところが見えた。

 それと同時に、少年のサッカーボールが缶ジュースの並ぶ棚へと突撃して、大きな音をたてて棚から缶ジュースが床に散らばる。

 社員が急いでその場にかけより、大きな声で

「何をしているんだお前らは!いったい何をした!?」

 ボールで遊んでいた中学生が

「すみません。ボールを蹴って遊んでて、ミスして棚に当ててしまいました。」

 正直に謝っているのだから拾うのを手伝わせて、終わらせれば良いのに、社員が

「店内でボール遊びなんてしていいわけないだろ。

どこの中学のサッカー部だ、今すぐ顧問をよべ。

 床に落ちたような商品をお前らは買う気になるのか?ならないだろう。この落ちたものは全部お前らに買い取ってもらうからな。」

「えっ、そんな……………、そんなお金ないですよ。」

 少年が涙を浮かべて言うが、社員は関係なしに

「だから、顧問を呼べと言ってるんだ。

お前らに弁償できるほどの金がないのくらい見たらわかる。

さっさと、顧問でも親でも良いから呼べよ。

これだから最近のガキは」

 社員の責める口調が理不尽な方向へと向かい出す。

「だいたい、、ガキがこんな時間に買い物にきてんじゃねーよ。」

 土曜日の午前だから別に買い物くらい来ても良いだろう。そこからも社員による理不尽な責めが続く。

 僕は、レジに来ていたお客さんに、

「すみません、ちょっとお待ちいただけますか。」

 そう言って、レジから出て問題の起きている場所に向かって歩き出した。

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