『case3 広がる学生』
「歩道に横3人、縦に2人、自転車を押して歩いている学生が楽しそうに下校している。狭い歩道のため3人並んだ上に自転車を押していたら、前から来た人も、後ろから追い抜こうとする人も通れないのにどちらかによることもない。
・・・か町中ではよく見かける光景だけど、確かに急いでいるのに道が通れないのは嫌だな。」
そんなことを言いながら、『軽度』を選択して、具体的な天罰を見る。
1.一番車道側を歩いていた学生が後ろから来た自転車にぶつかる
2.前から来た強面のおじさんがど真中を無理やり通った上に舌打ちをされる。
3.自分達も同じ目に遭う。
前回の内容を考えると、痛い目に遭わせた方がいいのかと思うが、1はぶつかった方の人も危ないからやめておこうと思い、2に関しても、強面のおじさんがどんな人なのかわからないなら、道を広がっていただけで、傷害事件に発展しそうな2はやめた方が良さそうだ。
3を選択して、『決定ボタン』を押し、確認画面に移動する。
・天罰対象
学生
・行為
歩道を広がって歩いた。
・天罰内容
自分達も同じ目に遭う。
内容を確認して『⚡』ボタンを押す。
黒い雲から雷が落ちる。『結果報告』と表示され、
「学生達は別の日に、前を歩いていた人達が邪魔で道を通ることができなかった。全く同じことをしていた自分達を深く反省しました。
今回の評価はCです。経験値を10獲得しました。」
他の選択肢ならどうなったのだろうと思ったが、学生も怪我なく反省したので良いのではないだろうか。そう思って『評価内容』を確認する。
「今回の天罰は、複数人の友人と歩いていた学生が、自分達の行為について反省することができたのは評価に値するものでした。
しかし、同時に複数人の学生の中で、何人がその行為について反省することができたのかという疑問が残ります。
全員が行為を反省していれば、問題はないのですが、自分中心にしか物事を考えられない人もいるので、天罰としては少し効果があるのかという疑問は残ってしまうでしょう。
それでも、怪我人もなく、危ない目に遭わずに反省を促しているので評価はCでした。
*軽度しか選択できない場合、天罰の内容が良くてもC評価が最高になります。「初心者神様」から「見習い神様」になると、最高がA評価になり、神様レベルが上がるごとに最高評価はS、SS、3Sとなります。」
なるほど、神様レベルに応じて、天罰の内容が変わる上に評価の良し悪しの基準も高くなるのか。
思っていたよりもやり込み要素があるんだなと思いながら、今日はここまでにして、パソコンを閉じた。
翌日の朝・・・
バイト先に向かう途中で、学生の通学時間と重なったため、歩道には多くの学生が歩いていた。
その中で男子の5,6人のグループが広がって歩いていた。
僕は、昨日の天罰の対象行為だなと思ったが、途中で別の道になったので、あまり迷惑は被らなかったが、あのゲームの内容もよくあることが題材になっているのだなと思って、そのままバイトに向かった。