『case26 駐車』
「case26 50代女性。
狭い道で、路上駐車をした。」
このおばさんからしたら、駐車しなければいけな理由があるのだろうから仕方ないのではないかと思う。
でも、このcaseで重要になるのは『狭い道』でという所なのではないだろうか。
広い道であれば、路駐があったとしても、問題はないから迷惑になることもない。
でも、狭い道だと路駐を避けるためには、中央線を越えて路駐の車を避けなければいけないので、反対車線から車が来ていれば、その車が通りすぎるまで待たなければいけない。
その車が一台や二台なら待てばいいが、反対車線が混んでいれば、いつまで経っても通ることができない。
そうなると後から来た車にしてみれば、悪いのは追い越せない車になってしまう。
追い越せない車の運転手からすれば、悪いのは路駐している車なのに自分のせいで渋滞が起きているかのように思われるのはあまりというか、かなりいい気がしない。
それに狭い道だと駐・停車禁止の場所もある。
この道が、そのような場所であった場合、このおばさんは法律に違反していることになる。
それに避けようとした車が反対車線の車と事故になる可能性も自転車や歩行者との接触事故に繋がる可能性もあるのでとても危険な行為だと思う。
路駐自体は町中でよく見かけるので珍しくもないが、その先に事故が発生する危険があるのだから、軽く考えてはいけないな気がする。
『中』を選択して、
1.車に戻ると後ろがへこまされていた。
2.別の時に、自分の前に路駐の車があり進めず、後ろの車に警音器を鳴らされ、嫌な思いをする。
3.怒鳴り声が聞こえて、車に戻ろうとして、自転車と接触する。
1はどうやってへこましたのかによっても違ってくるが、車で接触したなら相手の車もただではすまないと思う。
わざわざ、車から降りて蹴りを入れたとかなにかで殴ったとなれば、それは器物損壊罪になるだろう。
3は無関係な第三者に迷惑がかかるだけで、本人の痛みとは関係なしに天罰としての要素がない気がした。
そうなると同じ目に遭って嫌な思いをする2がいいと思い選択して『決定ボタン』を押した。確認画面に進み、
・天罰対象
50代女性
・行為
狭い道で、路上駐車をした。
・天罰内容
別の時に、自分の前に路駐の車があり進めず、後ろの車に警音器を鳴らされ、嫌な思いをする。
僕は『⚡』ボタンを押し、雷が二本落ちた。
『結果報告』が表示され、
「50代の女性は、知人の家に物を持っていき、直ぐに帰るつもりで路上駐車をしました。
しかし、思った以上に話が長くなり、外に出ると自分の車の後ろに渋滞が起きていました。その時は何もなかったのですが、別の日に別の狭い道で、路上駐車があり、通れずにいると後ろの車に警音器を鳴らされて、自分が悪くないのに鳴らされたことに腹をたてました。
今回の評価はAです。経験値を80獲得しました。」
評価はよかった方だと思うが、最高評価を得るためにはどうすれば良いのかわからずに『評価内容』に進んだ。
「今回の天罰は、誰でもどこでも遭遇するであろう行為でした。
『駐車』とは、運転手が車等から離れていて、直ぐには発車できない状態のことを言い、『停車』とは運転手が車等の側にいて直ぐに発車できる状態のことを言います。他にも条件があったりして一概に判断はできませんが、少なくとも駐車・停車をしてはいけない場所というのが決まっています。
駐車なのか停車なのかに関わらず、場所で定められているのです。
それは標識がある場所は当然のことながら、交差点の前後5m以内であったり曲がり角等もそれに含まれます。
他にもたくさんそういう場所はあり、免許をとる際に自動車学校で習います。
なぜそういう場所が決められているのか、それは危険だからです。
事故に繋がりやすいから、未然に防ぐために禁止区域は決められています。
今回の場合、狭い道で標識があったかは別の話として、『ここに停めることは誰かの迷惑にならないか』を対象者が考えていなかったことが一番の問題です。『少しなら』とか『今なら大丈夫』等と甘い考えではダメでしょう。
適切な駐車場所を探して、知人宅を訪れるべきでした。
今回の天罰は、駐車して迷惑をかける側から、迷惑をかけられる側になったのだから、対象者には自分が今後同じようなことをしないでおこうと思わせられるような天罰が望ましかったと思います。
そういう意味で今回の天罰はあと一押しが必要かもしれません。
天罰の『重さ』選択でもう少し考慮が必要かもしれません。」
難しい話だと思う。免許をとって時間がたてば、教習所で習ったことも忘れていくだろう。免許の更新に行っても無違反なら、新しく何かを習うこともなく事務処理くらいの感じで免許は更新される。
いま、車に乗っている人のうち、どれだけの人が駐停車の禁止区域を覚えているのか不安になる。
人の記憶とは、そんないい加減で頼りないものなのだと僕は思った。




