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神様ゲーム -天罰を下すのは-  作者: TAKEMITI
ゼウス決定戦
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『case23 嘘の道案内』

「case23 三十代男性。

男性は観光客に道を聞かれたのに対して、機嫌が悪かったのもあって、嘘の道案内をしました。」

1日に何個もcaseをすることは今までなかったので、少し新鮮な気持ちもしながら、caseの確認をした。

問題になるのは、嘘がどの程度の嘘なのかということだろう。

まったく別方向を教えて、目的地にまったく着かなかったなら

かなり悪質だが、『次の角を・・』と言ったところで少し違うことを言うくらいなら、少し迷うが行き着けないこともない。

何より携帯やスマホの地図アプリを使ったり、地元の商店街のお店の人に聞けば本当の場所を教えて貰えるだろう。

それなら、観光客の対応の違いによって、この対象の男性の行いに対する悪質性も変わってくるのだろう。

ただ、観光できている人が仕事を有給とって、日程を調整して等、そこに来るまでにいろんな苦労をしていた場合、一分一秒でも無駄にせずに楽しみたいと思っていた場合に貴重な時間を奪ってしまう行為であることに違いはない。

だからといって、『重度』を選択するほどのことでもない気がして、『中』を選択した。


1.友人に嘘の待ち合わせ時間を言われて、待ちぼうけをくらう。

2.嘘の投資話に引っかかって損をする。

3.楽しみにしていた旅行で同じ目に遭う。


3の同じ目に遭うというのはよく出てくる内容だと思った。

確かに同じ目に遭えば、その行為がいかにイラついたり、ムカつくのかを対象の人物にわからせることができるので、効果的なのだろう。

そう思って、3を選択して『決定ボタン』を押した。

確認画面に進み、


・天罰対象

三十代男性。

・行為

嘘の道案内をした。

・天罰内容

楽しみにしていた旅行で同じ目に遭う。


僕は『⚡』ボタンを押し、雷が二本落ちた。

『結果報告』が表示される。

「三十代男性は、生活の不安や人間関係の悩みなどで気分が晴れず、道を歩いていたところで、若い観光客のカップルから道を聞かれたので、苛立ち、嘘の道を教えました。

色んな問題が解決して、楽しみにしていた旅行に出かけたところ、道に迷い、地元の通りがかりの人に道を聞いたところ、笑顔で教えてくれたので、その通りに進んだところまったく違うところに着いてしまいました。

仲間が文句を言っているなか、男性だけは文句を言わずに青ざめた顔で立ち尽くすしかありませんでした。

今回の評価はSです。経験値を90獲得しました。」

最高評価をもらえた気がする。今までもAは取れていたがSは初めてだ。自分の感想よりも『評価内容』が気になって、先に進んだ。

「今回の天罰は、『嘘を教えられる』ということがいかに迷惑であるかを理解させるための天罰でした。

観光客でも、自らリサーチして来る人もいれば、ツアーで来る人もいます。

ツアーで来た場合はガイドさんがいますが、自らリサーチして来た人は、細かい道までを知ることはできません。

道がわからない場合の最善の策は、地元の人に聞くことなのでしょう。お巡りさんでもいればベストですが、都合よく見つけられるとも限りません。

今回の対象の男性も答えたくなければ、『自分も観光できている』や『わからない』と言えば良かったのに、嘘の案内をしてしまったのがいけませんでした。

観光客はそこに滞在できる時間が限られています。

だからこそ、色んな場所を楽しみ最高の思い出作りをしているのです。別の場所に行ったことはそれはそれで思い出になりますが、それが悪意によって導かれてできたものであれば『嫌な思い出』になってしまいます。

他人の思い出を積極的によくする必要はありませんが、悪くする必要もありません。

そういう意味では今回の天罰で同じ目にあった彼は嘘の道案内とはその場の雰囲気を悪くするだけでなく、一緒にいる人との関係まで悪くすることもあるということを学びました。

若いカップルがあの後どうなったかを彼は知り得ませんが、きっとあまりよくなかったのではないかということだけは彼も気づいたでしょう。

対象者が行った迷惑行為をそのまま返すのは、単純ですが最も自分の行為に対して考えることができる天罰です。」

これは・・・・つまり、この系統の天罰を下せば高評価を得られるということなのだろうか?

でも、神使は僕に興味がないならこんなことを教えてくれるはずがない。この評価は本当に、あの神使がしているのだろうか?

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