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神様ゲーム -天罰を下すのは-  作者: TAKEMITI
ゼウス決定戦
32/136

『case22 遅刻魔』

「case22 50代女性。

行事や仕事の集合時間にギリギリや遅刻してくる。」

よくある話だ。人が10人いれば一人や二人は絶対にいる。

バイトでも遅れてくるやつがいれば、前のシフトの人が帰れなかったり、他の人がその人の代わりに働かなければいけなくなる。

それなのに、遅れてきたやつは悪びれることもなく普通に来て、そのまま何も言わないような最低のやつもいる。

僕も何度か遅刻してきたやつの代わりに時間外で働いたことがある。バイトは基本的に時給制だから、遅刻してきたやつのいない間を働いても時給はもらえずサービス残業のような状態に怒りが押さえられない時もあった。

僕は迷わずに『重度』を選択した。


1.仕事で会社に大損させてしまう。

2.行事への遅刻が多いことから、誘われなくなり仲間はずれになる。

3.重要な用事の時に電車が遅れて間に合わなくなる。


1は会社に迷惑をかけてしまうので少しためらわれるが、遅刻するということがいかに人に迷惑をかけるのかということを認識する良い機会になると思う。

2は普段からの行いが悪いために、楽しい時間を失うという点では天罰としては文句がない。

3はこの『重要な』がどれ程なのかがわからない。

例えば、親の死に目に会えないとかなら、それは少し厳しい気がするし、人によってはスーパーの特売でも重要な用事と言えないこともないのかもしれない。その程度の人なら3がどれほどの効果を与えられるのかが不確定である。

そう考えると1か2で悩むところだ。

天罰として重いのは1だろうと思い、1を選択して『決定ボタン』を押した。確認画面に進み、


・天罰対象

50代女性

・行為

遅刻する。

・天罰内容

仕事で会社に大損させてしまう。


確認をして、『⚡』を押した。

雷が三本落ちて、『結果報告』が表示される。

「女性は私生活から時間にルーズで、友人との買い物や家族との外食にも遅れるような人でした。

私生活からダメな人が仕事や大事な時だけ時間通りに活動できるなんてことはありえません。

日々の積み重ねがその人を作るからです。

女性は大きな商談の席に遅刻してしまい、相手側の担当者が時間に厳しい人だったため、商談の話自体をなかったことにされました。

商談の結果得られるはずだった利益と相手側の損害の補填等で多額の賠償金を請求されたため、会社に多くの損害を与えてしまいました。

積み重なる遅刻と今回のことで女性は会社をクビになりました。

今回の評価はAです。経験値を70獲得しました。」

とりあえず高評価を得られたと思ったが、1位のシシガミという人のことを考えると1日に10個くらいはcaseをクリアしていかないと追い越すことは難しい。神使は1日300と言っていたが、全部70ずつ獲得しても最低4回、30とか取ってしまうとさらに回数は増えていく。

とりあえず『評価内容』を確認した。

「今回の天罰は、日常的に時間を守れない人がいかに人に迷惑をかけているのかを考え、それに対して天罰を下すものでした。

『時は金なり』と言われるように、この瞬間にも経済は廻り続け、多額の利益を得る人がいれば、莫大な借金をする人もいます。

今回の天罰はこの事がよくわかるものだったのではないでしょうか?

時間通りに行動する、それは言葉にすれば簡単なことですが、交通網の渋滞やその日の体調、天気にすら左右されるため簡単なことではありません。

それでも、時間を守って行動できている人がいるのであれば、どんな言い訳をしても効果はないのです。

交通網の渋滞も天気も情報を集めることによって、遅れないための手段を探すことができます。

体調の管理は不足の事態ですから、相手側に連絡を入れるなどの対処をすれば、今回のような大事にはなりませんでした。

何より、普段から時間を守って生きていたなら、一度の遅刻くらいは許して貰えるものです。普段から遅刻ばかりしていた女性が会社をクビになるまでに至ったのは日頃の行いがよくなかったからです。

『時間を守る』ことはイコールで『自分を守る』ことだと、女性が気づけたなら、女性の今後の人生も変わるのかもしれません。

経験値の獲得のためにも、多くのcaseをこなしてください。」

何か違和感を感じる。なぜ、神使は自分で言ったことをもう一度繰り返しているのだろう。それほどまでに僕を信じられないということなのだろうか?

僕は疑問を消化できないままに次のcaseに進むことにした。



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