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神様ゲーム -天罰を下すのは-  作者: TAKEMITI
ゼウス決定戦
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『case17 塞ぐ青年達』

鈴木さんとバイトのシフトが重ならないため、『日野』さんを紹介してもらうことができずにいた。

町中を歩いていても、急に天罰に会う人の映像が止めどなく見えている。

あの神使の話では『神の目』と呼ばれるこの現象が起こるのは『B級神様』になってからのはずなのに僕には今見えている。

色々と知りたいことがあったが、caseを先に進めることにして、『神様ゲーム』を起動した。

「case17 大学生達。

大学生は、サークルの仲間とバーベキューをすることにして、スーパーで食材や飲み物などを調達していた。

5・6人で売り場に固まっていたため、他のお客さんの通路をふさいでしまっていた。」

行楽シーズンで、梅雨明けしたし、大学の試験も終わったら楽しい夏休みが学生には待っているのだろう。

バーベキューがしたければすれば良いと思うけど、迷惑をかけてはいけないなと思い『中』を選択する。


1.バーベキュー当日に雨が降る。

2.向かっている途中で車がエンストする。

3.バーベキュー予定地で水難事故が起こり中止になる。


3は無関係な人が事故に遭ったところで、彼らが何か反省や後悔するものではない気がする。

そう考えると、どれもそのような性質を持っていない気がする。

向かっている途中で車がエンストするというのも、かなり残念な気がするし、良いかなと思うけどバーベキューには必要なものがたくさんあり、荷物も重くなるだろうから大変だなと思い、はじめから行かない方がまだ被害が少ない気がして1を選択した。

確認画面に進み、


・天罰対象

大学生達

・行為

複数人で通路をふさいでしまっていた。

・天罰内容

バーベキュー当日に雨が降る。


僕は『⚡』ボタンを押し、画面の中に二本の雷が落ちた。

『結果報告』が表示され

「大学生達は、バーベキューの準備のためにスーパーに買い物に行きました。バーベキューが楽しみなあまり回りが見えていなかったので、売り場の通路を塞いだり、他のお客さんの買い物の邪魔をしていることにも気がつきませんでした。

準備万端でバーベキュー当日を迎えましたが、大雨が降ってやまないので、バーベキューは中止になりました。

今回の評価はC評価です。経験値を30獲得しました。」

どれを選んでもダメだった気がする。

もしかしたら、『重さ』選択で既に低い評価になることが決まっていたのではないかと思われた。

とりあえず『評価内容』に進み、

「今回の天罰では、大学生達を反省させる要素が限りなくなかったでしょう。予定日に天候が悪くて、予定をキャンセルすることはどのような場合でもあり得ることであり、珍しいことではありません。

雨が降ったのは自分達の行いに問題があったからなどと思う人はよほどのことをして罪悪感を感じている人なのでしょう。

通路を塞ぎ、他のお客さんの迷惑になっていたことすら気づいていない彼らに、自分達を省みることがあるのかというと確実にないでしょう。

選択肢に不満を感じる人もいると思いますが、『B級神様』になれば、『重さ』選択後に自由に天罰内容を決めることができるようになります。

*詳細は『B級』になった時に説明します。


次回からは内容だけでなく、『重さ』選択の時からどの『重さ』が適切なのかを考えてみるのも良いでしょう。」

やっぱり、僕の思った通りだった。

これは『重さ』自体が不適切でどの天罰を選んでもダメだったのだ。今まではこんなことがなかったことから新たに追加された機能なのか、それとも運よくこんなことが避けられていただけなのかはわからないけど、確実に今回の選択は『ハズレ』だったのだろう。

ただ、僕としては怪我人もこれによって迷惑を被った誰かもいないのだから悪い気はしなかった。


翌日、バイト終わりにスーパーに行くと、大学生らしき集団が固まっているのが見えた。

ちょうど、自分の向かった売り場の近くにいたことから視界に入ったのだった。

急な頭痛がして頭に映像が流れる。

車で出かけようとしたところに大雨が降って、出かけるのをやめる、そんな映像だった。

周囲を見回すと迷惑そうに大学生達を見ている人達がいた。

僕は大学生達に近づいて、

「君達、通路をふさいで他のお客さんの邪魔になってるよ。

楽しいのもわかるけど、回りの人のことも考えなきゃダメだよ。」

大学生達は驚いた顔で僕を見て、近くにいた子が

「あっ、すみません。気を付けます。ほら、もっと固まれよ。」

言われた大学生達は言われる通りにしていたが、なかには舌打ちしている奴もいた。

それでも周りを見回して、自分達が冷ややかな目で見られているのを感じたのか、急ぎ足でその場を離れていった。

そしてまた、頭痛がして、

車に乗って楽しげに出かける彼らの姿が見えた。


これって、もしかして・・・・・・・

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