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神様ゲーム -天罰を下すのは-  作者: TAKEMITI
神器創造戦
134/136

『カナミVSバグ②』

 距離を詰めようとするとバグは一つ中規模の爆発を起こして、砂ぼこりを巻き上げた。

 攻撃のためではなく目眩ましが目的のようだ。

つまり、次の攻撃の準備、あるいは罠を仕掛けている可能性が高い。

そんな事を考えて身構えると突然爆発が起きた。

 大きくはないが爆発の威力も低くはない。

「くらったのか?

 お前みたいにあれこれ考えすぎて動けない奴には効果的な攻撃だな。」

 バグが笑いながら言った。言葉の意味を考えると理由はかなり簡単な事だった。バグが音を出す仕草をしてから、リミットを考えて回避をしていたのだからバグ自身が見えなければ攻撃をしようとしている事すらわからない。

 だが、こちらも負けてばかりはいられない。鉄の矢を造り出して全方位に向けて作れるだけ作って放った。

 10時の方向の矢が爆発で吹き飛ばされた。大きな鉄の塊を作って手に持ち、砲丸投げの要領でその方向に投げ飛ばした。重量もあるので爆発ではびくともしない砲弾となって飛んでいく。

 ズドンと砲弾が地面に落ちる音がした。避けられたのかそれとも既に移動した後だったのかはわからないが、とりあえず矢を大量に作り打ち出す、砲弾を投げるという行動を繰り返した。

 砂ぼこりが晴れるのを待っていたが、バグが持続的に爆発を起こす事によって砂ぼこりが晴れる様子はない。こちらも1ヶ所には留まらずに動き続けた。こうする事で爆発を回避しやすい状況を作っていた。何度か爆発をくらってしまったが、体力的にはまだ余裕がある。

「同じ事しかできないのか?

 この能無しめ!さっさとくたばりやがれ。」

 バグの声に疲れが見えた。見える範囲を見渡すと十分な量になっていたので、

「バグ、お前も少しは考えて行動するべきだな!」

 手をかざしてから、地面に手をつくと、周りにあった鉄の矢や砲弾が溶け出して、地面を鉄が覆っていく。

「くっ、何だこれは?

 くそ、足が抜けねえ。」

 砂ぼこりが晴れてきて、バグが地面の鉄に足をとられて動けなくなっているのが見えた。

「諦めろ。お前はそこから抜け出せないし、地面の鉄を剣に変えればお前を貫く事もできる。

 大人しく降伏しろ。」

「そんな事できるわけないだろうが!」

 バグは空間から何かを取り出した。太鼓のバチのような物だ。続けて大きな太鼓を取り出した。体から発する音で爆発するなら、演奏すればそれも爆発するのか?

ヤバイ、あの大きさでは簡単には防げない。そう考えて、槍を盾の形に変える。次の瞬間、『ドォーン』という大きな音が響き渡った。

盾に強い衝撃が襲った。爆発の炎は意図も容易くカナミの体を覆い尽くした。

 バグはその様子を見て、高らかに笑いながら

「やったぞ!俺の勝ちだ!」

叫んではみたが、足元の鉄に変化はない。つまり、カナミの能力はまだ続いているという事でカナミも生きているという事だ。

 砂ぼこりが晴れると、太陽の光を無数に反射する球体が現れた。

 バグは自身の最高の技をもってしても傷一つつけられないその物質の名前を呟いた。

「ダイヤモンドまで作れるのか…………………」

「お前にはきついお仕置きが必要だよな!」

カナミの声と共にダイヤモンドの球体はどんどんと小さくなり、カナミの右手の拳に集約されていく。

 ボクシングのグローブのようになったその手をつき出して、カナミが、『金剛(こんごう)拳骨(げんこつ)』と叫んで超スピードで近づいた。足は固定され、既に動く体力もないバグは諦めたように目を閉じた。頭部に強い衝撃を受けて意識が飛んでいく。

そんな中で、カナミの声が聞こえた。

「勝ち負けで世界はできてない。

 お前が欲しかった物もきっと戦って得る物じゃないんだよ。」

 遠退く意識の中で頷いてしまう自分がいた事を認識して、意識は途絶えた。

倒れたバグを見て、足を固定していた鉄を解除して手錠だけして、

「技の名前も普段から考えとくべきだな。

 ただの拳骨に技名も要らないか?」

 そう呟いて座り込んだ。


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