表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様ゲーム -天罰を下すのは-  作者: TAKEMITI
神器創造戦

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

129/136

『式典』

「こんなに大々的にやる必要が本当にあんのか?」

 カグチさんが不満そうに言った。僕が

「式典としてやれば双方の同意で壁の位置を変えたことがアピールできます。

 壁を動かすのも協力してやることで、仲の良さがアピールできます。

やっぱり中間層の上層付近では、反対を訴える人もいたようですし、外部へのアピールは大事ですよ。」

「だが、わざわざ式典を行うことを公表して、式典まで一週間も間をおいたのはなんでだ?」

 カナミさんに聞かれて、僕は少し黙ってから

「実は壁を動かすのを実力で阻もうとしてた集団があり、その割り出しと確保をしてました。

 ただ、実力での阻止を考えるには少し能力が低すぎるんです。

 ランクの問題じゃなくて、人数的にも少ないし、範囲攻撃ができるような力を持っている人もいませんでした。」

「そんな奴等が本当に実行に移すと思ったのか?」

 カグチさんが言うと、地井さんが来て

「捕まえたのは末端の構成員で主力じゃなかった可能性があります。

 捕まえた奴の中に首謀者がいませんでしたから。」

「それで?

 どうするつもりなんだ?」

 カナミさんが聞き、僕が

「虹川さんともう一人の仲間が、周囲の警戒をしてくれてます。

 式典までに見つかれば、捕まえて終わりですけど式典が始まってからの襲撃も考えられますので注意喚起を促して下さい。

 まぁ、ミナモさんが防衛についてくれてるので外からの攻撃の被害はでないと思います。」

「外からはってなんだ?

 内側からも攻撃される可能性があるのか?」

「例の失踪してた奴等がそっちに加担してないかってことを俺が心配している。」

 そう言ってミナモさんが現れた。

「星、ミズアミを仕掛けておいた。

 内部で怪しい動きがあったらお前が発動させろ。」

 ミナモさんはそれだけ言ってまたどこかに行ってしまった。

「すみません、無理に手伝ってもらってるので少し機嫌が悪くて。」

 僕が言うとカグチさんが

「まぁ、安全に事が済むなら良いが、失踪してる奴等が絡んでるかもしれないってのはどういうことだ?」

「調査を進めていると、居なくなったごく一部の人ですが、中間層の上層付近で目撃されています。

 移動して滞在することもできますが、申請が必要になるのに申請された形跡はありません。

 あとは、場所ですね。

 壁の移動に反対していた人達も中間層の上層付近で現れてました。

 繋がっている可能性は否定できないと思います。」

 僕がそう言うと虹川さんから連絡が来た。

「星君、南側と北側から神器を持った集団が来てる。

 とりあえず、南側は私が、北側は優輝ちゃんに任せるけど別動隊がいるかもしれないから注意して。」

「了解。

 地井さん、南側の虹川さんの援護に向かってください。

優輝ちゃんは戦闘用の能力もありますけど、虹川さんは直接的な攻撃ができる能力がありません。」

「こっちはいいのか?」

「僕とミナモさん、カグチさん達もいるので大丈夫です。」

「わかった。」

 地井さんは短く答えて虹川さんの方に向かった。

「カグチさん、カナミさん、協力をお願いしていいですか?」

「まぁ、しゃーねぇよな。

 何をすれば良い?」

 カグチさんが言い、僕は少し考えてから

「知らない顔がいないか、あと失踪した人がこの中に紛れてないかを調べてください。

 内部からの攻撃をされる前に取り押さえます。」

「了解だ。」

 カグチさんが答えて移動して、カナミさんが

「さっきのミナモが言ってた『ミズアミ』はなんだ?」

「捕縛用の罠です。

 ミナモさんのことだから、至るところに仕掛けてます。」

「なるほどな。わかったうちの奴等にも伝えて協力させる。」

 カナミさんがそう言って離れていった。

 僕は目を閉じて意識を集中した。

ざわざわとする式典の会場内の声の聞き分けと、地井さん達との連絡に集中するためだ。

「星!」

 ミナモさんの連絡を受けて、『ミズアミ』を作動させた。指定された場所に水でできた網が現れてその場にいた人物を拘束していく。

「星君!北側の大きな攻撃が止められない。

 そっちでカバーをお願い。」

 優輝ちゃんからの連絡を受けて北側を見ると無数の火の玉と武器が飛んできていた。僕はすぐに

「ミナモさん、水壁お願いします。」

「わかった。」

 ミナモさんの返事と共に北側の全域に巨大な水の壁が現れ、火の玉は消えて、武器も壁に当たって勢いを無くして地面へと落下した。

「星、東と西からも敵が来た。対処を頼む。」

 地井さんからの連絡を受けて、僕は神器の円形部を回転させて風の能力を選び、東と西側に片手ずつ向ける。

「ソナーウィンド」

 僕が短く呟くと僕の手から風が放たれる。

技名のままの敵の数や勢いを風がぶつかることによって調べる技だ。

 東から15、西から30。僕は数を把握すると神器の円形部を回転させ雷の能力を選ぶ。

「狙撃の雷撃(スナイプサンダー)

 僕がそう言うと、東側と西側に雷雲が生まれて、雷が落ちた。

 東側の15人全的中、西側は25人的中。

 最初の北と南が囮なら東か西に首謀者がいると思っていたが、どうやら西側のようだ。

「敵の首謀者はおそらく西です。

 ミナモさん、向かってもらえますか?」

「もう移動中だ。

 捕らえるか?殺すか?」

「捕らえてください。行動の理由などをしっかりと解明しないと意味がありませんから。」

「わかった。中は頼んだぞ。」

 ミナモさんからの連絡が途絶えるとカグチさんとカナミさんが戻ってきた。

「お前、強かったんだな?」

 カグチさんが驚いて言うと、カナミさんが

「さすがはゼウスだな。

 外のやつらを倒して、中の奴等を拘束したから終わりか?」

「まだまだこれからです。

 中の方にも主力がいると思います。

 お二人に頼んでおいたことはどうですか?」

「知らない顔はいなかったな。」

 カグチさんが言い、カナミさんが

「さっきの水の網に引っ掛かったやつらの中に何人かいたが、俺の目から見てもそいつらが主力だとは思えないな。」

「じゃあ……………」

 僕が言いかけた所で爆発が起きた。僕は瞬時に爆風を制御して被害を減らすことに成功した。

 爆発した所から5人くらいが現れた。失踪した人のリストの中の能力が上位の5人だった。カナミさんが

「サイガ、フウシ、コト、アレキ、それにバグか。」

 バグと呼ばれた男が

「カナミ、お前は本当にどうしようもないな。

 こんなことをして俺達をまた差別される側にするつもりか?

 下層のやつらとの馴れ合いが過去の絶望を呼び起こすことになるとなぜわからない。」

「お前が首謀者か、バグ?」

 カナミさんが聞き、バグが

「お前が俺らのリーダー気取りなのが気に入らない。

 俺達は力を得なければいけない。いつまでも雑魚扱いされてるのもお前のぬるい考えのせいだろうが。

 お前のやろうとしてることをぶち壊して俺がこの辺を仕切る。」

「いつまでも階級だとか差別するとかされるとかにこだわってるから、余計に自分達の首を絞める事になるんだよ。

 差別されたことをいつまでも言い続けるから差別は無くならないんだよ。」

 カナミさんがそう言って右手をかざすと金属製の2m近くある槍が現れた。カナミさんは槍をつかむとバグに向かって突進していった。カグチさんもそれに続こうとすると敵の残りの四人がそれを遮り、サイガという男が

「わざわざAランクのあんたが下層にまで行って何をやってる?

 自分より弱い奴等を束ねて、実は見下してんじゃないのか?」

「俺は俺のやりたいようにやる。

 他人を見下してる暇があったら手を動かして働いた方が楽しいに決まってんだろうが!」

 カグチさんが野球のボールくらいの火の玉を作った。先ほど外部からの攻撃で使われたものよりも高密度でまるで太陽を極限まで圧縮したかのように周囲に熱気が伝わってきた。

「させませんよ。」

 そう言ってフウシと呼ばれた男が手をかざすとカグチさんの掌にあった火の玉が消えてしまった。それを見たサイガが

「コト・アレキ、お前はゼウスの足止めだ。

 バグさんがカナミを殺るまでもたせろ。」

二人は黙って頷いて僕の方に向かってきた。

 会場の中はカナミさんとバグ、カグチさんとサイガ・フウシ、僕とコト・アレキといった具合に戦闘が始まろうとしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ