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神様ゲーム -天罰を下すのは-  作者: TAKEMITI
神器創造戦

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『報告』

「…………………ということで、下層の人口の過密化を軽減するために中間層と下層との間にある壁を移動して下層を少し広げようと思います。」

 僕が下層であったことを報告し終えると、地井さんが

「まぁ、双方の住民が納得してて利益があるなら反対する理由は俺らにはないよ。」

 僕がミナモさんを見ると、ミナモさんはため息をついて

「いちいち俺の意見を求めなくて良いだろ。

 お前がゼウスなんだから決めたことをそのまま実行すれば良い。

 文句を言わせないだけの力もつき始めてるんだから胸はって堂々とやれば良いんだよ。」

 僕は頷いて、

「じゃあ、この件は決定したと言うことで………………」

 僕がそこまで言うと虹川さんが

「ミナモさんは星君がたくさんの天罰を下してトレーニングしてたのを知ってたんですか?

 さっきの言い方だとそう聞こえましたよ。」

優輝ちゃんがきょとんとした顔をして、地井さんが右手の人差し指で自分の頬を掻いた。

 どうやら優輝ちゃんは何の話かわからないといった感じで、地井さんは知っていたあるいは自分も同じようなことをしていたといった態度を見せた。

 ミナモさんが

「星の親父、同じセイだから呼び分けるのに親父の方をハルと呼ぶが、ハルの時からあるいはもっと前からウツセミの奴が良からぬことを企んでたのはもうわかってることだ。

 そんな奴が強大な力を持って今もどこかに潜伏してる。

 ウツセミの力に対抗できるのは現状では星の力だけだ。

 当然、神が全員結束して立ち向かえば勝てるだろうが、ウツセミと同志あるいは仲間の奴がいるかもしれないから、結束のしようがない。

 星が、地井が力をつけるために天罰を多く下してることを責めることは俺はしない。

 確かに一個一個の天罰の質を優先する虹川や星河の考え方も正しいが自分の限界まで追い込んで鍛える方法をとってる星の考えも正しい。

 ハルも自分がたくさん天罰を下すと周りにいる俺達にも同様の頑張りを求めるようで嫌だからと言って隠れて天罰を下してやがった。

 そういうとこを見ると親子だなと思う。

 正しさは一通りじゃない。

 星も地井も虹川も正しい。

 お前らの正しさの基準は近い。だから、こうやって皆で話し合って物事を決めることができる。

まぁ、まだまだわかりあえてない所があるなら話し合え。

 あと、天罰の記録を見れば、星が無理してることくらい簡単にわかることだぞ。」

 虹川さんが考え込んで、優輝ちゃんが

「星君も地井さんも頑張ってたんですね。

 私は天罰は皆で決めてた分だけですけど、ムラクモさんから上層界の星河一族の人を紹介してもらって、力の使い方を手紙とかで少しずつですけど聞いてます。

 十色(といろ)ちゃんも物作りとか勉強とかやってるよね。

 星君達の頑張ってたことはきっとやり方が違うだけで皆一緒だったんじゃないかな。

 だから許してあげよう。ね、十色ちゃん?」

 虹川さんは優輝ちゃんを見て、頷いた。地井さんが

「んじゃ、この話はここまでだな。

 星、他に何か報告は?」

「そう言えば中間層の端の町で行方不明者がたくさん出てるらしいです。中間層はランクで住み分けているので遠い所に移住することはできません。何者かに連れ去られたような事もないみたいです。

 中間層のカナミさんが下層を広げるのに同意してくれたのも行方不明者が多くなったために人手不足になっていたかららしいです。

 カナミさん達では調べきれないので調べてほしいと言われました。」

 地井は首をかしげて

「自分でいなくなったってことだろ?

 自分から失踪したなら探すのは野暮(やぼ)ってもんじゃないか?」

「いや、よく考えろ。

 ウツセミの存在がある以上、自分から失踪したとは言いきれない。

 人を制御できる奴の力に全体ゼウスの力も加わってるんだ。

 完全に行動を操れるようになっていたなら、自分で失踪させることもできる。

 あるいは奴の計画の一部として奴が仲間を集めている可能性もある。

中間層の端の町なら、上からの偏見や下層に対する差別意識も高いから、ウツセミの考えに共感する奴らも多い。

 しっかりと調べておいた方が良いかもしれない。

 他の場所でも同じことが起きていないかも含めて調べた方がいいぞ。」

 ミナモさんが言い、僕もその可能性は考えていたので、

「分担して調べましょう。

 僕と虹川さんは壁の件があるので、また下層と中間層の端の町にいくのでそこから調べます。優輝ちゃんと地井さんは中間層を調べてください。

 すみませんけど、ミナモさんに上層をお願いします。

 僕達が行ってもまだ相手にしてもらえないと思うんです。

 その点、ミナモさんなら先代ゼウスの補佐でしたし、力も認められてるので、僕らよりは調査が進むと思うのでお願いします。」

 ミナモさんはため息をついて、

「仕方ない。

 できる範囲で調べといてやるよ。」

 ミナモさんが立ち上がり、出ていこうとして扉の前に行くと振り返って、

「そうだ、壁を動かすときは式典にしてお前ら全員が出席しろ。

 お前らの活動をアピールできるし、議会制の導入もアピールできる。皆で決めて変えていく姿勢をアピールするのにはちょうど良いだろう。」

「わかりました。」

 僕が答えるとミナモさんは部屋を出ていった。

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