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神様ゲーム -天罰を下すのは-  作者: TAKEMITI
神器創造戦
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『下神界』

嵐のようにやって来て、そのまま何も説明しないうちに消えてしまった二人に対して、どういう風に整理すればいいのかわからないままとなっていた。

 その状況で一番最初に口を開いたのはミナモさんだった。

「あの二人に関しては、ムラクモさんが何か知ってるかもしれないから俺が聞いておいてやる。

 それよりも、あの二人も言っていたように議会として成立させるためには人数が必要だ。

 今回のゼウス決定戦で新しく入ってきた奴ばかりの議会では、昔からいる奴等の賛同を得るのは難しいから、そういう奴等を議会に引き込まないといけないだろうな。」

「わかってます。

 少しずつですけど、現状の把握と勧誘を兼ねて見回りはしているんです。」

 僕が言うと、地井さんが

「だが、今までの独裁的なやり方から、議会制にすることに対しての不信感はぬぐえていない。

 星が、前回のゼウスの子どもだとわかるといつから世襲制になったんだと皮肉る奴まで居やがる。

 それにゼウスハンマーが無くなったことも大きいな。

 ゼウスの力の強大さに逆らえなかった奴も、今ではゼウスを下に見てやがる。」

「力の象徴が消えたことで、調子に乗っている奴がいるなら、力でねじ伏せればいい。星の中には少なくはなっているがゼウスの力が残っているんだからな。」

 ミナモさんが真顔で言い、優輝ちゃんが

「だ、ダメですよ。暴力で押さえつけたら、他の人にまで反発が広がるじゃないですか。」

「そうだね、協力してくれって頼んでる側が暴力を使ったら、それは脅迫になっちゃうもんね。」

 虹川さんが言うと、ミナモさんは鼻を鳴らして、

「フンッ、言葉で伝わらないなら見せしめは必要だ。

 ガキども相手にこんなこと言ってても意味はないもかもしれないけどな。」

 そう言うと、ミナモさんは部屋から出て行ってしまった。

 地井さんが不満そうに

「いや、俺はガキとか言われる年じゃないんでけどな。」

「まあ、ミナモさんが80代なら地井さんもまだまだ若いってことですよ。」

 僕はフォローのつもりだったが、地井さんはそれも気に入らないようだった。

「ところで、星君はゼウスの力とかどれくらい制御できるようになったの?」

 虹川さんが話題を変えようと話を振って来たので、僕は助かったと思いながら、

「色んな力があるから、まだ全部は把握できてなくて、それに自分の力を操ることだけでもまだ全然だめだから、制御できているとは言えないかな。」

「まあ、地道に少しずつやっていくしかないだろうな。

 力の制御も勧誘も。」

 地井さんが言い、優輝ちゃんが

「じゃあ、今からみんなで勧誘に行かないですか?

 今の議題も結局、答えが出てないので少し休憩のついでに。」

「そうだな、他の人の意見を取り入れろってミナモさんも言ってたからな。

 俺達だけじゃなくて、外の奴らの意見を聞けばもう少し解決策が出るかもしれないもんな。」

 地井さんが賛成したので、僕も賛成してみんなで部屋を出た。


 下神界、それが僕達のいる天界の呼び名である。主に天界とは上層神の住むところを指し、人の神である僕達が住んでいるところを上層神に対して、下に位置することから、『下神界(げしんかい)』と呼んでいるらしい。

 気候や地形が劣悪である等ということはなく、おそらく人が天国をイメージしたらこんな穏やかな世界なんだろうなと言った感じの場所である。

 ただ、きれいな世界の中でその中にいる人達によって醜い仕切りが作られていることも否定はできない。

 過去のゼウス決定戦においての序列によって、住む場所は分けられていて、中心に近づくほど序列の高い者達が住んでいる。

 僕達は、とりあえず中心から少し離れた、序列で言う所の中間あたりの人達が住んでいるところへとやって来た。

 序列が高いほど今の生活に満ち足りている者が多く、逆に、序列が低い者ほど不満や反発が強いものが多いため話すら聞いてもらえないこともある。

 その点で言うと、中間の人達の不満や話はこれからの改革にとって実現し易いものが多いと僕は思っていた。

 ただ、僕達のことを良く思ってくれている人ばかりではない。

 突然、石の塊が飛んできて地井さんが地面から土の壁を出して防いだ。

「誰だ!?こんなしょうもないことする奴は?」

 地井さんが叫ぶが自分がやりましたと出てくるわけがないことくらい地井さんもわかっている。

 僕が地井さんに向かって、

「壁もしまいましょう。

 僕達は話し合いに来たんですから、壁があってはうまく話せないですよ。」

 地井さんは不満の色を一瞬浮かべたがすぐに影を地面にしまった。

 そこに、白いひげを蓄えた老人が近づいてきて、

「すみませんね、古くからいる者は変化を嫌う。

 改善とあなた方は言うかもしれないが、善くなるとも限らない。

それなら、今までどおりが良いと思う者も多いのですよ。」

 この中間の人達の中で『長老』と呼ばれている人物だ。何度か話し合いに来た時にいつも僕達と他の人達の間を取り持ってくれている。

「長老さん、いつもありがとうございます。

できるだけ皆さんの希望が叶うように進めていきたいと思ってます。

 でも、そのためにも色々と話を聞かせてください、お願いします。」

 僕はそう言って頭を下げた。長老は笑顔で

「ええ、この老いぼれでよければいくらでもお話させてもらいます。

 皆の者からも話を聞いて、不満等もまとめておきました。

どうぞ、こちらへ。」

 僕達は長老さんの案内に従って移動した。


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