case8 宿題をしない学生
「case8 男子中学生
中学校の宿題をどの教科もやらない・・・。」
僕もすべての宿題を忘れずにしていたわけではないので、偉そうなことは言えないが、宿題はやって行くべきだ。
ただ天罰を下すようなことなのかという疑問がでてきた。
宿題をしなくて困るのは、親でも、出した側の先生でもなければ、やらなかった生徒自身だからだ。
自業自得というやつだろう。そんなことを思ったが、やはり『中』では、自己責任として考えると重すぎる気がして『軽度』を選択した。
1.先生に怒られる。
2.親に怒られる。
3.学校に呼び出されて、親と先生の両方に怒られる。
普通の選択肢だなという感想だった。怒られることは前提条件としてあり、誰に怒られるのかが重要なのだろうと思うと、先生か親かどちらか一方では物足りない気がするので、3を選択して『決定ボタン』を押した。確認画面へと進み、
・天罰対象
中学生男子
・行為
宿題をしない。
・天罰内容
学校に呼び出されて、親と先生に怒られる。
『⚡』ボタンを押し、雷が一本落ちた。
『結果報告』と表示され、
「男子中学生は、ほとんどの教科で宿題をまったくしなかったので、担任の先生が親を呼び、事情を説明した後で親と先生に怒られました。
中学生は、お小遣いなし、ゲーム・マンガ等の娯楽品を買うことを禁止、テレビも見てはいけないという罰を受けました。
評価はEです。経験値を5獲得しました。」
やはり軽すぎたのだろうか?
中学生がゲームやマンガを買えないのはかなり重い罰を下されているように思った。宿題をしないということに対して十分に罰が下されているのではないかと思い、『評価内容』を確認すると、
「男子中学生は、確かに親から厳しい罰を与えられているように見えますが、反省させることができているのかという疑問があります。
さらに、この罰に関して、やろうと思えばいくらでも抜け道がありますし、その罰を徹底的に実施できる親なのであれば男子生徒が宿題をまったくしないという状況には至らないのではないでしょうか。
なぜ宿題をするのかを男子生徒自身に考えさせるような天罰でなければ、今後の改善も疑わしいものになるでしょう。
その点で、評価は低くEとなりました。
天罰は周りの人のためのみならず、天罰を受ける側のためにもなるものでなければいけないことを次回からはよく考えてみてください。」
なるほど、確かに反省や改善を促す上で軽すぎたのだなと思い、僕は反省した。
それに天罰が誰かの憂さ晴らしのためでなく、受ける側のためにもあるんだという発見もした。
次回からは、周囲の人がどんな天罰を望むのかとどんな天罰なら対象者が改善するのかも考慮する必要があるなと思いながら、パソコンを閉じた。
この天罰を下す2日前・・・
バイト帰りにすれ違った中学生が
「もうマジで最悪だよ。宿題しないからって小遣いなし、ゲームもマンガも買うなだぞ。楽しいこともないのに勉強なんかできるかよ。」
「楽しいことあっても勉強してなかったんだから自業自得だろ。」
「それもそうだな。」
中学生の二人組は笑っていた。
僕は学生も大変だなと思っただけで、そのまま家に帰った。




