プロローグ
依頼者が財布をなくしたのに気付いたのは今日の18時
で、このラジオを僕が始めたのは19時
「なぜこんなにも早く、僕に推理を依頼したんだい?
普通なら、自分で探すくらいの余裕はあるだろ?」
「いや…けっこうお金入ってたしよ」
くだらない、こんな安い事件に時間を割くのは性にあわない。
このラジオを始めてからこの事件で約1年、もうやめようか…。
高校生活2年目に毎日倦怠感すら感じる。
朝の光と肌寒さに布団に拘束され
やっとの思いで学校を乗り越えた今
自分の目標に向けて行っているこのラジオにも進展がみられない。
とりあえず、この事件だけでも終わらせて寝よう。
さっきの事件(無くし物)の手がかりは3つ
・気づいたのは家に帰ってから
・カバンの奥底にしまってあった財布
・家まで1度もそれを出すことはなく、トイレに1度行ったときカバンを友達に見張ってもらったのみ
そうかわかった。
「依頼者の方に聞きます、この事件暴いてしまって良いんですか?」
「あぁ、当たり前だろ」
「では、お待たせしました、推理を始めましょう。」
~推理~
まず、友達が1番怪しいが、それは依頼者本人が否定している。
だか、財布を持っている可能性があるのは依頼者と友達のどちらかしかありえない。
そう逆転の発想だ。
おそらく……財布を依頼者のカバンから取ったのは友達である。
いや、取り返したと言った方が正しいか。
なぜ、依頼者がこんなにも怪しい友達の可能性を否定するのか
それは、財布が依頼者のものでなく、その友達のものだったからだ。
友達は、依頼者が財布を取ったことを知っていた、しかし言い出せなかった。
きっと君の財布は、彼が持っている。
連絡してみるといい。
~推理終了~
「少し早いですがライブはここまで、次回は明後日の19時から行います。それじゃあまた。」
~ラジオ終了~
「最初、財布は拾ったんだ。誰のか知らずに使っちゃってよ。あとから誰のか知って焦ったよ、バイトで貯めた金で返そうと思ったけど、今日無くて。」
「あぁ、それを聞くのは僕じゃない。じゃあ電話は切るぞ」
久しぶりに案外重い案件だったな…
深夜0時、次第に瞼の裏が自分の目に映るのを感じて、急いでマイク、ヘッドホン、パソコンを片付け布団に入る。
そして、さっきの自分の言葉を思い出す。
何がやめようだ。
次のラジオの話までして、やっぱり俺は目標を諦められていないのだろう。
今もう夢に入っているのか、眠りにつく前なのかもわからずに頭の中で4年前の出来事を頭の中が巡る




