勇者も時には休みたい
レジナス王国において、王都トトリに次いで栄える宿場町レティア。様々な人と物を往来させるこの町には名所が幾つもある。
勇者ギルドは言うに限らず、闘技場や歌劇場、貴族も住まうメインストリートは石畳で手の入れ様が窺える。公園には噴水も見られるが、外向けに作られた観光地であって、地元の人たちは余り足を運ばない。
レティアはレジナス王国の縮図とはよく言われたもので、アイリス教の博愛精神の基、内外に向けてそれぞれ違う顔を見せる。混然としつつも種々の人々がそれぞれに生きる――慌ただしくも、何処か“まぁそんなものさ”と思わせてくれる包容力をこの町は持っている。
外向きには行列に並ぶ価値ある大衆食堂、内向きには格安の宿という、実にレティアらしい店がある。死別した愛娘の名前からカナン亭と名付けられたこの宿は、何と言っても看板娘の存在が大きい。
「さーて、今日も頑張りますか」
そばかすと人好きをする笑顔がトレードマークのアビーは、今朝も早くから仕事に精を出していた。口の悪さは誰に似たのか、だが幸いにして仕事の意味は父から叩き込まれており、彼女自身もそうだと納得している。
全てはこんなもので喜んでくれるお客のため――三度の食事とお客の笑顔、それさえあればいいなと思いつつも、そこは年頃の娘である。「誰かいい人いませんか?」とお客に尋ねる度に父親へ睨まれていたりするのが、ここ最近のカナン亭での光景であった。
「うぎゃああああぁぁっ!!」
「え、なに、何々っ!?」
まぁどうせ勇者関連の誰かだろうとは思ったものの、アビーはエプロンを放り出して階段を駆け上がる。レティアの英雄が起こした事件は最早過去のこと、闘技場チャンピオンである黄金剣士をも倒した勇者が宿泊を始めてからは、騒がしいことが当たり前になっていた。
「ちょ、ちょっとジオさん、どうしたんですか!」
客室にも関わらず、アビーはノックもなしに戸を開け放つ。悲しいかな、緑色の全身鎧を纏う勇者一行が常連になってから、些細なことで悲鳴が届くカナン亭となってしまっていた。だが、今上げられた声は、幸薄い男がいつも出すものとは異なった。
少年にしては低い声を、永らく宿泊する勇者はしている。お客の声を間違えることのないアビーは、上げられた声からのっぴきならない状況を想像していた。
「あー、うん。他のお客様のご迷惑に――いや、今は宿泊客はいないから結果的に迷惑にはならないんだけどー……」
看板娘は瞳に飛び込んで来た肌色を認め、脇へと逸らす。
勇者である少年が上半身裸であることは、残念ながら見慣れてしまった。中年太りする父親に比べると、鍛えられた肉体は勇者を名乗るだけあって鑑賞に堪えうるものである。何なら、ネギ臭ささえなければ彼女の言ういい人候補にギリギリ挙げられる。
「す、すまない」
朝から騒がせた自覚があったのだろう、勇者である少年――ジオグラフィカエルヴァドスは驚きに姿勢を固まらせたまま、アビーへ謝罪をしていた。
季節柄、流石に寒くなってきたのか、少年勇者は薄いシャツを纏っていた。問題は彼が身を起こしたベッドにある。跳ね除けられた布団の隙間、そこから肌色が大いに除く。
「五月蠅いのぅ……」
眠気眼を擦りながら、問題の元凶その一は不機嫌さを露わにする。少年の幼馴染で魔法使いの少女、ティアだ。言葉遣いが妙なのは伯父譲りなのかとアビーは思っていたが、どうやら信奉する神の影響らしいと最近わかった。
「えーっと、お邪魔しました」
本当に邪魔をしたと思ってしまった。
愛らしい顔つきと低い背丈、幼女と少女の中間にあるようなティアであったが、ジオのことを熱烈に好いていることはこのアビーにも理解出来ていた。ここ最近の密着具合も、お兄ちゃんに対する憧れみたいでかわいいなー、程度のものであった。
「ちょ、ちょっと、アビーさん!」
待って助けてとジオが言っていても、アビーには届かない。どこかにいい人いないかなぁ、世の中にいい人がいるのはわかっているが、丁度私にいい人がいないんだよと嘆いている彼女だ。
「うちは連れ込み宿ではないんで、そういったトラブルには対応しかねます」
何があったのか、それは魔法の魔の字もわからない彼女には理解が及ばないが、今のティアは年齢相応に大人の女性らしかった。すらりと伸びた手足に、同性のアビーからしても憧れてしまう程の大きな胸がそこにある。
「彼女自慢も平素なら従業員として聞きますが、早朝からは、ちょっと……」
辟易とした空気を醸し出しなら、カナン亭の看板娘は頬を引き攣らせる。慌てる少年と同様、薄いシャツだけを纏った女性の姿を見ると「おーおー、お熱いことですこと」と厭味の一つも口を衝く。
「違う、違うから!」
手を前に突き出して叫ぶ少年の言葉も空虚なもの。それを証明するように、布団からは別の人物が這い出していた。
「朝ごはんの時間?」
ふわ、と欠伸をするのは手入れの行き届いた赤髪の少女だ。レティアの英雄、ラザロの一人娘は未だチャンピオンにはなっていないものの、年齢を考慮すればその活躍は十分過ぎる。
師匠と崇めるジオの左脇から姿を現すと、流石にアビーも呆れた。
「……何故、お前が俺のベッドにいるんだよ」
「ジオさん、男らしくないですよ」
「お、俺が悪いのか?」
少女を両脇に抱える形になった少年は、衝撃の余りに一周回って冷静になっていた。両手に華とはよく言うが、ネギ臭い男に何故人が集まるのか、正にこの世の不思議だとアビーは首を捻る。
「ジオ、人間に構うことはない。お姉ちゃんはもうちょっとゆっくり寝てたいんだ」
「シャロ!?」
「繰り返しますが、うちは連れ込み宿じゃないんで」
三人目が現れた時には、最早アビーにも驚きはなかった。薄い藍色の髪に真紅の瞳は、嫉妬を通り越してただただ美しいと思ってしまう。この場に美しくないものがあるとすれば、これだけの美少女を侍らせておきながら慌てる少年の姿だ。
「ちょっと待って、本当に――」
「ごゆっくりとは言いたくないですけど、ごゆっくりどうぞー」
ジオがまだ何かを喚いていたが、アビーはやや強めに扉を閉めてシャットアウトした。まだまだ何事かが続けられていたが、知るかボケ、というのが正直な心境であった。
「――てなことがあったんだ」
神妙な面持ちで語る勇者を前にして、勇者を引退した男は「そうか」の一言を溢すに留まった。
燃えるような赤髪をした男、ラザロは複雑な表情を浮かべてジオの相談を聴いている。愛娘が寝所に潜り込んだという話を、よくもまぁ当人の口から聴いていられるなと、彼自身思うところだ。
「なー、おっちゃん。これは俺が悪いのか?」
「どうだろうか」
ただ、眼前の少年が真面目に悩む姿を見れば、経験豊富な元勇者は無碍にも出来ない。思えばネギの勇者には随分と世話になっている。自身の経験を基に考えれば、下手な男に盗られるくらいならこの男に娘をやる方がいいかと考え――すぐに全力で否定する。
早くに喪った妻の面影を濃く映すキリカだ。絶対に勇者なんぞにやるものかと、穏やかな態度を取りながらラザロは思わず瞳の色を藍色に変えていた。
「そういうことはな、俺ではなくキミをよく知る身の回りの者へ尋ねるといい」
藍色を瞼で隠してラザロは相談に応えた。突き放すような物言いだが、おしゃべりの苦手な彼にすれば話し過ぎですらある。
それが伝わったのか、ジオはいつものように両腕を組んで唸っていた。
「その通りだ。オッサンでも捕まえて聞いてみるよ」
「えー、もう帰るのか?」
椅子から腰を持ち上げて帰ろうとするジオを見送りつつ、娘がじゃれつく姿を見れば、ラザロは瞳の色が濃くなる程の加護を動員してしまいそうになる。が、今すべきはもっと他にあった。
「ジオくん」
誓いの神を信奉するこの男は、不義理が許されぬ。自分が目を逸らしていた事態にもいい加減向き合わねばならないと、震えながら声を上げた。
「んああ、オッサンのことなら心配すんなよ。従者だって言ってくれてるけど、あの人は俺よりも余程器の大きい大人さ……。おっちゃんも器の大きい男、っていうか、勇者だろ?」
見返す黒色の瞳は真っ直ぐで、一瞬ラザロは戸惑ってしまった。先程のような悩みを吐露している内は年相応どころか、それ以下の頼りない少年であった筈だ。それが、今や懺悔を告げてしまいたくなる程に大きな男に見えた。
「……キミは本当に不思議だな。思わず、悔い入る話をしてしまいたくなった」
「何言ってんだよ?」
闘っている時以外は締まりのない顔をするが、ジオは勇者として応えるべき時には表情を引き締める。いつもの間の抜けた顔は何処へやら。精悍な顔つきになってネギの勇者は続ける。
「後悔を語るのは、次に悔いを残さないためだろ。幾らでも話してくれたらいいんだ。おっちゃんは何のかんので、俺の先輩だし、俺は勇者の前にルファイド教の神官でもあるんだ」
幾らでも聴こう、そのように語る少年の姿は勇者らしいと元勇者の藍色の瞳には映った。
「機会があれば、是非に頼む」
「……その分だとまぁ当面は大丈夫だわな」
背中越しに手を振りながら、ジオはラザロ宅から歩み去った。
余計なことは何も言わず。後ろを付いて来るキリカにも文句を言うこともなかった。
次はいつ冒険に連れて行ってくれるのか。そのようなことをキリカに問われつつ、ジオはカナン亭へと戻って来た。あまりのんびりしたつもりもないが、随分と太陽は高い位置に上りつつあった。
「で、旦那は今は何を迷ってるんで?」
「何って……、否、俺が迷っているように見えたか?」
立派な緑の全身鎧に身を包み、ジオは突き出そうとした拳を止めた。
目の前に居る手足の長い男――従者になってしばらく経ったコーディーからの問いに、思わず黒い瞳を瞬かせた。
寝所に少女が忍び込んだことに戸惑うとは勇者らしくないと思う。英雄譚に謳われる勇者たちなら、慕ってくる女性たちを両腕に抱えて豪快に笑うところだ。それがこの少年には出来ないでいる。
理想に燃える年若い勇者はそれを良しとしなかった。
「あっしならって言うのは違うかもしんねぇですけど、旦那の言うことはよくわからんですね」
隙ありと中段突きが放たれる。コーディーの長い足が股下に潜り込み、逃げ場はない。
逃げ場がなかったので、ジオはその拳を左の手で受け止める。
「わからんか……。俺は変わり者なんだろうな」
黒騎士を鎧の上から吹っ飛ばした一撃を難なくいなし、無造作に右の拳で反撃すれば、幸薄い感じの悲鳴を上げてコーディーが吹っ飛んだ。
カナン亭に備えられた庭、そう広くもない敷地を囲う塀に激突してコーディーの呻き声が吐かれる。
「んでもさ、変わってる勇者ってのが旦那の売りだろ?」
ケロリとした様子で男は起き上がる。
「そうなんだが、ティアやキリカはともかく、その他の人が付いて来れるかと言われれば疑問だぞ」
特に不思議に思うこともなく、ジオは再度拳を振るった。結果、従者は吹き飛ぶが、またしてもしぶとく立ち上がる。
「わかった。旦那、市井に嫌われたくないんだろ。あっしからすりゃぁ、今更何をって思うけど――お?」
立ち上がって出した拳はまたしても勇者の左腕に捕まれた。それが半回転すれば、視界と共にぐるりとコーディーの身体が回って地面に打ち付けられる。
「そうなのかな。いやはや、わからん。ただどうにもアビーさんの態度が俺の胸に刺さってしまってな」
漏らされる呟きは、何とも頼りないものだ。にも関わらずコーディーはニタニタとした笑みを浮かべ始める。
「恋、しちゃいました?」
「まさか。やめてくれよ」
「ちげぇねぇ。おいらも覚えありますよ。好きだけど恋なんかじゃぁないってのは」
体力がどうなっているのか、コーディーは上半身を起こす勢いで蹴りを繰り出す。それが空を切っても、軸足を変えて回し蹴りが放たれる。
「コーディーも憎からず思う女性がいるのか」
「そりゃあ、ね」
体重の乗った蹴りは流石に掴み切ることが出来ずに、弾くに留まる。主の胸を借りるようにして従者の拳が連撃を刻む。
「そうか、そういうもんか……」
放たれたものの全てを左手で受け切り、ジオは攻撃すら忘れて右の手を顎元にあてる。
「旦那にだけ内緒で話しますけど、王都に可愛い踊り子がいてね」
主がそうしたように、コーディーもまた手を止めて語る。迷いから距離を置く飄々とした青年の眉間には、似合わぬ皺が寄っていた。
「踊りは素人のものですが、笑顔がいいんですわ。それこそ旦那以外にゃ言えねぇんですが、あの顔、故郷に棄ててきた女を思い出させましてね、護ってやりたくもなる」
「故郷か」
「まぁ、あっしの話なんてどうでもいい。旦那はさ、故郷ってやつを考えた時に何が浮かぶ?」
日頃軽薄に笑う男であるが、信頼を寄せられた従者からの言葉にジオはしばし黙考した。
少し時間を置いて口を開こうとした時、焦れたのかコーディーが続けていた。
「一緒にしちゃなんねぇが、女性の顔が浮かんだ筈だ」
「ん、そうだな。浮かんだ」
珍しく真面目な顔をする従者に対し、ジオはゆったりと呟く。
「母ちゃんの顔がまぁ浮かびますが、そいつを除けば、浮かぶのは恋しい女って訳よ。旦那にとっちゃぁ、姐さんがそうなんじゃないですか?」
「うーん……」
両腕を組んでジオは唸る。確かにコーディーの言う通りにティアの顔は浮かんだ。故郷と言われれば、出てくるのはどうしても幼馴染の顔だ。
「ま、何にせよアビー嬢ちゃんは気になるが、勇者が恋するのとは別ってことさね。旦那の悩みってやつだけど、結局はどういった勇者になりたいってのがぶつかってのことでしょ?」
「ん?」
「やー、何て言いますかね。あっしからすりゃぁ素敵なことですが、旦那は理想に燃えすぎているきらいがあるやさ」
そうであろうか――と一瞬考え、そうなんだろうなとジオは思った。
勇者に対する理想が高過ぎるのだ。シャロやキリカは別として、仮にティアの想いを受け入れても誰に詫びる必要がないことは理解出来る。だが、どうしても何かが引っかかってしまっている。
「また、難しい顔になってますぜ」
その言葉に、ジオはどうしても反応してしまう。可愛い妹分がよく言った言葉だ。
泥人形の言うことと、世間は嗤うかもしれない。だがジオにとっては紛れもない家族であったのだ。惜しみなき愛情を注ぐべきものであったし、誰よりも自分を慕ってくれたと思っている。
様々な想いに揺さぶられ、ジオは稽古の最中でも次の一撃が繰り出すことを出来ずに、じっと緑色の拳を見つめた。
闘神ヴァンデリック・ルファイドの加護を得た勇者である彼は、何と闘い何を護るべきであるのか、シンプルな問いに悩まされていた。つまるところ、彼の拳を鈍らせていたのは、そのような悩みであった。
人工魔獣を倒して以来、ルファイドの大きな力の反動か加護を上手く使えないネギの勇者は迷いに迷っていた。加護を何処へ向けて使うのか、己は一体どのような勇者になるのか。もっと言えば、先日精霊との問答で出た、人々を護るという祈り――人々をどのように守れば父を越えられるのか、形が見えてきただけに、ジオの悩みは一層深まった。
「よし、隙ありだーーーっ!」
思い悩む主へ向けて、ここぞとばかりにコーディーは握った拳を放つ。
振り被った拳、相手の股下に差し込まれる足――完璧なまでに主のフォームを真似できたと自負する。
勢いに乗った拳は、標的の胸へ深く突き刺さらんと突き進む。
「ええぃ、そりゃ卑怯だろ!」
もう少しでジオを吹き飛ばさんとした拳であったが、突然割り込まれた言葉と足にカットされていた。
ずっと黙って見ていた第三者が、赤い風を纏って薄幸の男を蹴り飛ばす。
「おまえなぁ、生真面目な師匠を悩ますだけ悩まして殴るとか、男の風上にもおけんぞ!」
二人の稽古を眺めていたキリカが割り込んだため、試合はドローとなった形だ。ジオに怒られるかとも思っていたが、その彼は拳を見つめて黙り込んでいる。
悩める彼の姿すらも、キリカは好いている。他の大人、勇者には見られない姿がここにあるのだから仕方ない。
「キリカめ……、あっしが何をしたって言うんですかい」
「おまえな、これから無防備な主を吹っ飛ばそうとしてたろ!」
「間違いない!」
きっぱりと返された言葉に赤髪の少女は表情を渋くさせた。
どうしようかと悩んでいる間に、コーディーは尚も呟く。
「旦那がさ、妙に自信ないってのわかるだろ? あっしはさ、何かそいつが違うと思っていてさ……。キリカならわかるだろ?」
「む、むぅ」
思わず唸る。素直に同意したくもなかったが、軽薄な男も流石はネギの従者。言うことには説得力があった。
アビーに迷惑をかけているのかもしれないが、そこまで卑屈にならなくてもいい。自分を含め、シャロがティアがどれだけジオを気にかけているのか――そもそも、アビーがジオを嫌っているなら早朝にかけつけることもない。
これは何とかせねばならんな、と思い立ち、キリカはまだ何事かを続けようとしていたコーディーの顎元を蹴った。父から譲られた鉄靴の一撃は強力で、弁の立つ男から意識をサックリと刈り取ってみせる。
「おい、キリカ。あんまりコーディーをいじめてやるなよ」
尚もこういう師匠を見ては、少女は眉間から皺を取り払って笑みを浮かべる。無理にでも笑うべきだと、ウィッツ神に選ばれた勇者であるキリカは誓いを反芻させた。
「ごめんなさい」
「ああいいよ――て、俺が赦すことじゃないが、まぁ謝ってくれたならコーディーもいつまでも根にはもたんだろ」
竜神よろしく謝罪を受け入れるジオ。そのとぼけた顔を見て、キリカは決心する。
「よし、ジオ!」
「何だ?」
声が張られるが、同時に心臓は早く大きく鼓動を刻む。
「あたしをデートに連れてけよ!」
「は?」
一大決心の元、キリカはそんなことを口にしていた。
唖然とした表情を師匠がしているのを認めると、自分の提案に間違いはなかったと少女は確信する。
のびたコーディーの右手、親指が立てられているように見えたのは偶然かはわからないが、かくしてキリカの初デートが決まった。




