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……アンタってほんとポンコツね。

壁の隙間から光が射し込むの気付いて覚醒する。頭を持ち上げて左右を見回してみる、うん。……やっぱり何度見ても飾り気のない、家具のひとつ無い部屋。ま、そうなんです、訳あって最近の寝起きはココ。


四方を壁、壁、壁の灰色の世界。オーウェンか誰かが魔法で作ったか、形の違う石を不規則に組み込んでるのに、それでいて隙間が出来ないようぴっちり。

自力で出れなかったら、ゼリエが出してくれることになってるこの部屋。見た目の何もなさと全く違って、見えないとこがめちゃめちゃ入り組んでるのだ。っても、見えないから破壊でもしないとその見えないとこの仕組みも見ることを出来るわけも無いんだけど。


慣れたかったわけがあるはずもなく……でもでも、もうすっかり慣れてしまったよ、この空間にも。背中が痛いっつーのはどーにかしたいね、ホント。


お姫様がこんな扱いって、やんなるね?ベッド以外で寝るのを強要されるなんてぜんせではまず考えられなかったと、明かり取りの穴を睨みながら恨む。


明かり取りの為に開けられた煉瓦ひとつ収まるくらいの隙間。目を覚まし、薄暗い部屋。床に敷いた毛布から這い出て、んんっーとひと伸び。おはようございます、アタシの名はティルフローズ。どうしてベッドで寝てない?てゆーのは今はコッチへ置いといて。ですね?

なんかあれよあれよと、アタシの考えの及ばない、そんなどこかで善からぬ企みでも盛られているのか、なんとか魔法が使えるようになったのがつい昨日のことだったりするんですが。

そうです、魔法です。

ぜんせの記憶なんてあるわけで、ファンタジーやらRPGゲームなんかもプレイ済み。そんな訳だから、当然のように憧れていた魔法を使うにしち面倒くさい契約が必要だったとしても。

しました、”悪魔契約“。

魔法の代償には軽くないアタシの魂。その魂と少々のアタシの血液によって魔法陣から出てきたのは、はい……がっかり悪魔でした。何ががっかりか?それは何かって言っちゃうですと、そう、サイズ。


他の子、貴族たちの呼び出した悪魔ってどれも言っちゃなんだけどアタシの悪魔と比べたらじつに悪魔らしい悪魔でさ。で、アタシの悪魔ってゆーと……羽蛇ってゆーのが正しいくらい。まとめてしまうとそんな感じ。


む!


魔力を感じようとすれば、体の内を走り回ることは無くなったといってもぴりぴりと感じて、そこに確実に存在を認識できるようになった。魔力という、使い為れたMPに似て非なるもの、魔力。

ジュエルに魔力を通す。そんな簡単なことでもまだ成功してないんですけどね、アタシは。


呼び出した悪魔から促されるように感じて、暴れまわるアタシの内の魔力を汲み取るようにジュエルに流して、とそんな感じに魔法を完成させるはずが、なんとまあ……気絶してしまったとゆー。そんな結果だと悪魔との契約はどーなったか?そりゃもうね、魂差し出してますから、いきなり不履行ってそんな人でなしな事態になる……それ、ダウト。冗談ですって、ちゃあんとしました、契約。


そんな訳で魔法は使えないけど、魔力はあるんです。ほっといたら何にも感じない、そんな魔力なんですが。なんと。意識すると、内に”居る“。そんな風に感じるわけです、はい。


血液が流れていくのを脈をとって感じる、心臓が脈打つのを手を胸に添えて感じる。そんなのと同じにしちゃいけませーん、なんたって魔力は生き物?なんか、そうなんですよ。暴れるんです、アタシの血液の巡りを速くしちゃうみたいに。

それをコントロールするのにこの部屋に居るわけ。コントロール出来ないと、どうなるかってゆーと解りきってる、と思うんですが一応言っておきましょうか。意識した瞬間からぞぞぞと動き回る、そんな魔力が活動を始めちゃうと……ぶっちゃけ苦しい。寝付けない、それくらいですむなら我慢我慢て思う。だけど───




血液の巡りを早送りされると、脈がおっそろしく早くなって、ついでに心臓バクバク。ま、そんなん続けられたらティルフローズのちっさな心臓が爆発、破裂しちゃう。


どくどくどくどく、どくどくどく、どくどくどくどくどくどくどく、どくどくどく。


ってな具合に、鳴りっぱなしの心臓なんて人体に良いわけないですもん。


そんなわけで絶賛練習練習。って、魔法を使うにはジュエルに魔力を通すのが絶対必須なわけで、それが出来てないのに何を練習するのかって?それは……サイコキネシス的なあれ。目の前にあるものに魔力を通わせて浮かす、と。

財布替わりの皮袋からコインを取り出し放り上げた。じっと睨む。止まれ、止まれ、止まれ。魔力を行使する、そんなイメージ。………………て、一度もしてないわけで、成功ってやつを。悔しくもちゃりんと軽い金属音が今回も、今の今になっても、部屋に響く音が耳に届く。


……イラっ!


お次は、煉瓦。明り窓の部分だけはこの部屋、石作りじゃないみたいでそこだけ色が違う。お洒落か、お洒落なのか?

コインの時とは違ってこの煉瓦には直接触って魔力を注ぎ込む。ぴりぴりと体の中で暴れる魔力。それを血液から汲みあげるように触れた手に集中させる。さあ、流れていってこの煉瓦に!


…………はふぅ。


が、ぶっちゃけあきた。魔力を通わせている気はするのに、煉瓦ひとつ動かそうとしてもぴくりとも動いてくれない。青筋を浮かせるくらいに気合いを込めてるのにだよ?成果がない、それはつまり。ヤル気ががりがり削られてくわけで。ぶっちゃけ気分転換が欲しい。


こんな時、ぜんせでは当たり前に常に手元にあった存在。角ばったあのフォルム、これさえあれば昼も夜も時間の流れなんかあっという間……携帯液晶ゲーム機を頭に思い浮かべつつ、そう、思ってしまった。すると目の前にどこからか最近良く見ることが多くなってしまった羽蛇が現れる。そう、悪魔だ。アタシが呼び出して契約者となった悪魔。

でさ。この羽蛇、単独で現れたわけじゃ無かったんだよ。部屋の一角、蛇の現れたそのそばにはなにやらあるんです。

よく、よーく見てみる、と。四角で凸凹した何かが表面に付いている。

驚く、そりゃ驚くよ。いきなり出てくるんだよ?



……むう。


警戒しながら手を伸ばして羽蛇のそばにある四角い何かに触れた。石みたく固くなくて木のようなざらざら感とも違う、どっちかとゆーと粘土のよう……いや違うか?もっと何か手に馴染むような粘着性があるというか……これって……ゼリー?


「お望みのものだろう。ニンゲン」


なんか、満足そうな顔に見える。羽蛇を首を回して視線を向けるとにやけ顔というかなんというか、無表情の蛇を見てそんな感想が頭に浮かぶ時点で嘘だ、ってびっくり。

ホントに悪魔なんだ、って妙に納得したのでした。いや、まだ……モンスター的な可能性も捨てきれないけど。


「………………」


それはそうと。四角いゼリー、って。これじゃない感がぱない!

ゼリー性のゲーム機ねぇ、そんなのあったらそれはそれで新しいかもだけど。これ、どうやって遊ぶのよ?くにゃりって曲げて楽しむ以外にアタシには思い付きそうに無いんだけど?

ゼリーから触れていた手を引っ込めて放した。欲しいものじゃないし、もう興味も無くなってしまったしね。


頭に浮かんでても、いざ声に出てこない抗議の声。頭の中がそんな文句でいっぱいになった。呼び出した時は勝手に頭の中覗いてたクセに。今は特になんのリアクションもない。

何なの。


「何か、用なの?」


「そっちが呼んでおいて。それは無い、そうは思わないか?」


「呼んだ?」


ゲーム機を欲しがったよ、確かに。うん。

でもね、悪魔は呼んでないかな。あくまで悪魔は。


そうだ。と返事をしてこちらを見詰めて話を続ける羽蛇の悪魔。


「呼んだ。確かに呼ばれて、俺様はここに現れたのだ。貴様にな」

おーう、偉そうに。

こーんなにちっさいのに、俺様キャラ?


「いやいやいや……無いもん、呼んだ覚えとか。ダルいなって思って、それでゲーム機があれば、なあーって思ったくらいで。ゼリーなんてちっとも欲しいなんて思ってないから」


「……ゼリー、だと?なんだ、その。ゼリーとか言うものは。俺様は貴様の望みの品をこうして……、な。持ってきただけなのだぞ」

尻尾に巻いてゼリー性の四角い何かを持ち上げる羽蛇。

見ればみるほど蛇革っぽく見えてしまう、これは唯の蛇では?


話しかけてくる蛇、ってだけでも十分変わってるくらいには思うけど。悪魔は、アタシの思い浮かべる悪魔は、悪魔の姿はこんなんじゃない。

こう、なんてゆーか人間みたいな姿にもなれるし、それでいて、凄く禍々しい姿をしてる、そんなのが悪魔じゃないのって思うんだけど。違うとこある?


そう言えば名前、聞いてなかった。この、とぐろを巻いてて、蛇で、羽の生えた悪魔の。あのままぶっ倒れたまま気づいたのは屋敷に向けて帰る最中の馬車の中だったし。


「ねえ、名前。あんたの、目の前の役たたずのポンコツ悪魔のお名前はなんてーの?」


「貴様、……ポンコツ?それはどういう意味だ?よく解らんがどうにもけなされておる、そんな気がするんだが。しかも、だ。役たたず、だと……………………?

良いだろう、そんなに名乗らせたいか。してやらん事には話しも進みそうに無いしな。いいか、貴様のような矮小の存在にも耳にしたことがないとは言わせんぞ?この我は。全ての悪魔が、悪魔であり、悪魔である上は。

我が名、それは───”サタン“!悪魔の全てを率いて神すら白んじらせた、最強!最悪!天下無敵!の。悪魔世界で最上っ、我が頭上に一匹の悪魔は無く。一匹の例外なく我が眼前に全ての悪魔はかしづき。ひれ伏す。我は、悪魔太府大元帥、サタンであるぞ」


え、もっかい……。

嘘、うそだよ。さ、サタンんんっ?


それってあのだよね、有名な。

あの、サタン?左端とか、そんななんかありがちなぱち物とかでなくほんとのほんとにあのサタンなの?

随分と頭の悪そうな、ぜんせでゾッキーと呼ばれてた集団が使ってそうな、そんなつらつらと長ったらしい長文で名乗りをしたこの……ちっさな蛇が。


さたん……アタシが知ってるその名前に連なる情報は、確かに悪魔界の有名人。それもべらぼーに有名な。だけど……特に何をしてそんなに有名かってのは知らない。そんなの興味も湧かなかったし?

おかげで今、ちょっと、ちょっとだけ後悔してる……。サキュバスとか、役割がきっちりある悪魔なら不勉強なアタシでもうっすら何をして有名人ってとこが解るんだけども……サタン、サタンねぇ……。




えっ?

いきなり何、寄ってきてんの。蛇に近寄られても嬉しくない、つか……近い。近いから!


「いい加減、貴様のアホ面も見飽きた。疑っておるようだな?わかる、わかるぞ。俺様のこの姿では、な……ならばっ、見せてやろう。その実を、我が力の一端を!」


疑うなら実をみせてやろうって何?


えぇ、何掴んで……ってえ?

これ、……人の。……手?


「暴れるなよ?ん……?この、姿がどうにも気になるか。悪魔なら契約者の妄想の中に潜む、お気に入り。そんな実体の無い姿になることも、児戯に等しいのだ。息を吸うよりも楽にな。俺様のこの姿は……文句あるまい?な?」


何で……その姿は……。

サラサラな黒髪に銀色の切れ長で鋭い、意志の強さが現れた瞳。

青を基調としつつ、品のいい白地のシャツに、下も揃いのスラックス。

着てるものまでそのまま……。

エクゼクトフレイムスのマルス様なんですけど、え?

アタシの中の一番キラキラした異性の姿を象った……って、なにそれ変身、できるの?


「ちょっ……どこ、触っ……っ!えっ!嘘っ?」


浮いてる。いや、そんなことじゃ済まない。飛んでる……。

さっきまで、居たのは殺風景な部屋の中。

今、今は。


「何ーぃぃいぃっ?とと、飛んでる?どうして、……あんなに小さく……」


飛んでる。それも結構スピードが出てる、近いのは遊園地のフリーフォール。だけど、速度は倍速。

足元にはオーウェンの屋敷が見えた。それも、心なしか……とんでもなくちっさな。

嘘だよ、こんなの。

嘘だ、嘘だっ!


────っ!!!

いや、いやいやそれこそ嘘でしょー?

有り得ないって。

これもアタシの妄想の産物?

じゃないよね、初見だよ。こんなの……。


「どど、ドラゴン!?」


ドラゴンなんて、ラスボス相当なんじゃないの?今世では初めて見た。ぜんせでだって間近では見てない。ま、それだってCGで誰かが描いたドラゴンであって、本物じゃないんだけど。

これ、今、目の前にいる生きているドラゴンなんて初めて見る。

ほんのさっき、マルス様の姿をしていたサタンが今はドラゴンの姿をしてる。青黒い肌をした大きな体から生える、肌より濃い青をした大きな翼と、前足と後ろ足に鋭い爪。そして尖った牙の並ぶ大きな口。視線を変えてあちこち見回してみた。触れられるとこにびっしりとガチガチに固いドラゴンの鱗。長い尻尾も見える。振り向けば、頭からは三本の曲がったL字の角。後は、爪のような角のような尖った何かが付いた大きな翼。その数は無駄に多い。数えてみると、七枚もある。

どこの誰が見たってこれはドラゴン以外の何物でもない、そんなことを思った。

まだ正面からは姿を見られないから客観的に見られたら違う意見を持つかもだけども、今は。

疑う余地の無いサタンの変身したドラゴンの背。首の付け根あたりか、ここは。そんなとこにぺたんと座っている。不思議と座り心地は金属の何かに座ったような固さも無く。どこか、快適。

ま、ソファに体を埋めるようなふかふか加減ではないんだけどね。

それに何だろう、空を飛んでるんだよね、今?ホントに?じゃあ……どうして風を大して感じないの?

有り得ない体験を今。アタシ。してる!


死ねない、死にたくない。止まってよー!


『クックッ、どうだ。俺様本来の姿を見た感想は。ひとつ、言っておく。気を失ってそのまま死んでしまうのは無しだからな。くれぐれも、これだけの事で死ぬなよ』


はっ!?これ、この姿が本性?


頭に直接話しかけてくる声がする、マルス様の声じゃなくなってたそれは羽蛇の声。つまり、サタンの声で。


『そうだ。もっと驚くがいい。そして、俺様を楽しませろ』


サタン、あなたって竜なの?


『我がドラゴンだと?そんなちっぽけな存在であると?まだ解らぬ、か?我はサタン。悪魔界、全悪魔の頂点。悪魔の第一位。その我をたかがドラゴンだと?……そうだ。仕方ないか、貴様はニンゲンだったな』


ドラゴンが。ちっぽけな?

サタンてば、どんだけオラオラ気質。特に今アタシが乗ってい……乗せられているこのドラゴンはおっきいよ。山が三個分、それもそこそこ大きな山が。

そんなドラゴンが小さいで済むわけが無い。どんなスケールで大小計ったら小さく見えるってゆーんだか。


『フフフ、小さい小さい。存在で比べるなら俺様、悪魔第一位。ドラゴンなど悪魔百位にもその名を連ねる事叶わぬよ。ものの大小などではない、存在。だからこそ、ドラゴンなどでは比べようも無いと言っている』


嘘だ、……大きすぎる。これ、このままじゃ目立ちすぎるからぁー!

存在感のスケールとか。そんなんじゃ無いの、アタシの言いたいのは!


視界の隅の方でバッサバサ翼をはためかせて飛び続ける、自称、悪魔第一位というサタンさん。

その姿は誰が見ても、恐ろしげなおっきくて青いドラゴンなんだけど。

って、あの帝都の北の方にあった高い山越えちゃってるしー!


どこまで行くのー!?



『知らぬぞ。この地を見るのも訪れるのも、初めまして。だからな』


え?はじめましてだから知らない?それってー、ただの迷子じゃんっ?


そんな迷惑な迷子の、ブレーキの壊れてるようなドラゴンの背でゆらゆらともせず。快適に。目まぐるしい視界に飛び込んでくる世界に興味を移してキョロキョロ。


海が見えた。湖かも知れないけど、それにしてはおっきくて水平線が見える。結構な高度から見える景色であれだけ大きな湖がそうそう在るわけ無いと思う。だから、あれは海。

思えば、今世では行ってないなあ海。ぜんせでも年に数回いくくらいの記憶しかないけどね。


そんなアタシの頭の中にアラート音みたいに。遠くで何かが弾けた音が聞こえた。

すぐに音がした方向に視線を移すと、そこにはオレンジ色の火柱と何か大きな、何かが燃えている煙が上がっていた。爆ぜる。暴れるように飛び散る炎が辺り一帯を舐めるように赤に染めていく。目に飛び込んできたのはそんな凄まじい光景。


えっ?なにあれ。……燃えてる……。スゴい、ぴりぴりする。これって?


『むむ……物凄い質量の魔力。しかし、どの悪魔の魔力とも違う、感じたことの無い。俺様の知らない魔力だ』


あ、そうなんだ。これ、放出された魔力が感じられてんのか。

でもいったい誰が。まさか、サタンむちゃくちゃしてないでしょーねー!


『おい、話を聞いていたか?違う魔力だと、俺様言ったよな。もし、力を解放したならばあのようなちっぽけな火柱ひとつで済むものか。この陸地、そのものを吹き飛ばし土くれとしてしまうであろうな。こことは違う世界では神と戦った時にはな、海が割れて陸地は無くなって……何?まさか、疑ってるのか……?そうだな。では、貴様。やってみたいか?』


……そっか、サタンが本気出したら大陸が無くなる、それどこまで本気?

え、マジで。いい、いい。絶対やるな、やるなってー!


『と、ダメか。……薄い、薄すぎる。これでは……万にひとつも力を解放することも出来そうも無い?……か。残念だが、この世界の終焉を貴様に見せてやることは出来ぬようだ。口惜しいがな』


……え、何にも起こらない。

そっかー……良かった。魔素が薄いからここにサタンの魔法は発動しない、……ってじゃあアタシの魔法は!


『貴様にくれてやる魔力は貴様の魂を通じて現れるもの。魔素の粒の多さを気にする必要は無いとは思うがな。それよりも貴様の持つ、”器“の大きさがどれほどのものかが重要では無いか?俺様ほどの魔力はニンゲンの器には収まるとは思えない。そうではないか?』


なるほど、はて?それじゃ魔法使うとまた気絶?

はぁ……サタン、あなたってほんとポンコツね。


『───ポンコツ。先ほどもさもけなされている、そんな気がしたが。ポンコツとはどういう意味か?今、この場で言ってみろ。もし、俺様が今、思ったままの意味ならば。貴様の四肢を消し炭に変えてから、永遠と苦しむように死ねない木偶(でく)にしてやろうか!』


はぁ……帰ろっか。





ここまでお読み下さりありがとうございました〜このぐらいの寒さならまだ寒さに負けないようです、まだまだ頑張れますよぅ!


次回は、どうしてこんな狭い部屋に居たのか。そんなお話。

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