ひとりぼっち
お母さん……
お父さん……
おにいちゃん……
おねえちゃん……
どこ?
どこにいるの?
わたしは
ずっと
さがしていた
みんなのことを
さがしていた……
けれど…
みんなのことを
見つけることは
できなくて
しばらくして
捨てられたのだと
気がついた
みんなにとって
わたしは
いらないコだったんだね…
気がついたら
涙があふれた
身体だけではない
心も凍えてしまいそうだ…
わたしは
その場にうずくまった
寒いよ……
おなかすいたな……
私
このまま
死んじゃうのかな…
その時だった
誰かの
声がする
聞き間違い?
「どこに行くの〜?」
「ワンワン ワン!」
真っ黒な毛並みの犬に
手綱をひかれて
現れたのは
小さな女のコ
見上げると
そのコと
目が合った
「ママぁ ニャンニャン!」
「あら」
そういうと
わたしを抱きあげた
「かわいいわね」
「ママぁ わたし、ニャンニャン飼いたぁい!」
それから…
わたしには
帰る家ができた
「ワンワン」
優しい
お父さんのような
お兄ちゃんのような
相棒ができた
「ミーコ」
そう名前をつけてくれた
頭をなでてくれる
お姉ちゃんもできた
わたしには
新しい家族ができた
温かくて
優しい場所
新しい
居場所
わたしは
もう
ひとりぼっち
じゃない
この物語は、嫁ぎ先の仲良し犬猫の出会いを元に、多少の設定変更をして書いた物語です。