表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コイノリユウ  作者: 初雪
2/9

ナヤミ

ある夏の暑い日。高校生の花凛かりんは友達の風歌ふうかと家路に着いていた。

「そう言えば花凛。花凛は彼氏作らないのー?」

ふと思いついたように風歌が言った。彼女は最近クラスの男子と付き合いはじめ、とても幸せそうなのだ。

「んー…。私は彼氏はいいかな」

躊躇いがちに言うと、風歌は軽く眉をひそめた。

「…花凛、もしかしてまだアレを消化できてないの?」

アレ、とは過去に花凛が経験した失恋のことである。半年程付き合っていた彼氏に"好きな人ができた"と言ってふられたのだ。

「…うん。今でも私は彼が好きだから…」

「はぁあ…。あのね、花凛。あなたが今でもあの人を好きなのはわかってる。でもね、あの人のことは忘れるべきなんだよ?あの人のためにも、あなたのためにも」

ため息混じりに諭す風歌。彼女の言うことももっともだ。…何しろ、その元彼には新しい彼女がいるのだから。ふられた自分がいつまでも想い続けるのは迷惑なのだ。頭では理解しているが、心が彼を求め続けているのもまた事実だった。俯き、じっと悩み込む花凛を風歌がぎゅっと抱きしめる。

「あなたがどういう結論を出してもあたしはそれを受け容れるからね。だから、納得いくまで考えなよ?」

「…ありがとう、風歌。やっぱり諦めないとダメなのかな…?」

「あたしはその方が花凛のためにも良いと思うけど。決めるのは花凛だから」

そう、決めるのは私。諦めるのも、想い続けるのも…。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ