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異世界生活6日目


兵士さんたちは砦へと引き揚げていきました。


あの騒がしさがうそのように静かな修道院の日常が戻ってきました。

静かに祈り、魔法の授業を受け、静かに祈り、静かに掃除をして、また静かに祈る、おとといと同じスケジュールが。


ですがすっかり私の気持ちも元通りとはいきません。


ここでは怪我も戦争も日常茶飯事。


ならば看護学校に通うがごとく2~3年かけて治癒の魔法を習得していたのでは遅すぎる、即戦力を期待するといったところでしょう。


白衣の天使に憧れたこともありましたが、いざ異世界で白衣の天使を期待されるとなかなかつらいものがあります。


まだこの世界に適応できでない、魔法なんてはじめて見たんだからできるわけない、と誰かに強く訴えたい気持ちにもなります。


とはいうものの誰かに召喚されたわけでもなくただこの世界に迷い込んだ私には訴える場所も相手もないので、ひたすら独り言のように超初心者用《治癒》魔法を唱えました。


今日もうまくいきませんでした。


あぁ。どうしたらいいのか。


しばらく自分の部屋の木のベッドに腰掛けて石の壁を見つめながら悩みました。


そしてアリスの言うようにはできなかった、実際に兵士さんたちの怪我を見ても魔法を発動させられなかった心がきれいでない私は、仕方ないので自分の手でも切ってみることを思いつきました。


もちろん切るといっても、ちょっとだけです。ほんの切り傷くらいの。


自分の怪我なら無意識にどうしても治したいと思えるかもしれません。そうすれば魔力の感覚を掴めるかもしれません。


ただ思いついてしまったもののあまりやりたい方法ではないので、明日も魔法ができないなら後ろ向きに検討してみます。



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