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人間ですか? いえ、人外(ゴーレム)です  作者: 毬藻
一章:出会いと学年大会
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第四話:準決勝

 さて、あの日以降の試合だが、予定道理の結果が待っていた。

 簡単に言えば勝ち上がった者はことごとく棄権して不戦勝として勝ち上がっている。

 それはあの特殊能力(AMA)と最後に放った【虹色破壊砲】を見せつけられたら仕方ないと思う。

 この世界では相手が相殺できない【時】の魔法を織り込まれた固定式の魔法を発動させてそのまま相手のHP(ヒットポイント)を0にしてしまったんだから棄権したくなる気持ちもわかる。

 その追い打ちで【月の加護】を称する曖菓がいる状態で戦意も消失する。


「とは言っても流石に準決勝は存在しそうだぞ?」

 これは、一週間行う【学年対抗戦】だ。

 明日の対戦相手と情報が表示されていた。

 対戦相手の名前は【九条 悟】【フィリア=コーレン】【コリン】と書いてあった。


「流石に知った友人(あくゆう)だ。たぶん棄権しないだろうな」

 三人は観戦席で他の人の試合を見ていた。

 練習に行きたい奴は沢山いるだろうが他の人の試合も戦略に役立てる事が出来るので見ていた方が良いだろう。

 とは言ってもこの三人の場合は【次元門(ディメンション・ゲート)】が使える怪物(モンスター)がここにいる。


「(時々、エルシアの事をモンスターじゃなく【人】として見えるんだよな)」

 そう思うのも仕方ないが、しぐさや表情はほとんど人間らしさを見せる。

 肌の色もほとんど人間に同じぐらいだし、弾力も触り心地もほとんど人肌と変わらないと思う。

 だが、ザラツキがあるけど、それを考慮に入れなけれは人と変わらないと思う。


『どうかしましたか?』

「考え事?」

 克夜の両サイドに座っている曖菓とエリシアが不思議そうに見ていた。


「ん……、フィリアって人は悟の恋人かなと思ったんだけど?」

 属性としても光とでてる。悟の水の属性としては相性はいいはずだ。

 そして、この人が連れている使い魔は【妖精(フェアリー)】系統だ。

 フェアリー系はこの国ではいまだに未知の属性に入ってる。使える効果も【幻惑(イリュージョン)】に特化している。

 それに魔法属性も火・風・水の元素を持ち駆使出来るといういわばチート系の使魔(モンスター)と言うわけだ。

 ただ、これに関してもこちらとも同じなんだが。

 隣に座っているエリシアもそれに相当するのだが。


「そういえば、これが最後の試合だったよな?」

『そうですね。今日の試合はこれで最後になります』

「けど、私たちは試合しないで準決勝まで戦わなかったね?」

「初戦であんな大技の戦闘不能(オーバーキル)したんだから誰もしたくないのは当たり前だと思うし」

 あと、棄権の中には克夜を狙っていた人がいたのでそのまま不戦勝で勝ったんだけどな。


「さて、家に帰ってから練習を始めるか?」

『そうですね』

「うん」

 克夜の言葉にエリシアと曖菓は頷き立ち上がった。

 観客席から建物内の方に入ろうとしたとき。


「よ、3人とも」

「あれ、九条君?」

 そこに居たのは悟と、その隣に居たのは。


「初めまして……が正解だよね?」

 そのパートナーのフィリア=コーレンだった。

 曖菓は顔合わせしたことはあるとは思うが克夜とエリシアは初対面なので軽く会釈をする。

 現状の感じでは【敵意】はあまり感じられてはいない。

 だが、少しは【次の対戦相手】なのだろうが闘士みたいなのを感じられる。


「貴方があの力を使える人なんだよね?」

『風の属性を打消すことはできますよ?』

 風の属性……確かにそうではあるけどエリシアも牽制のように鋭い目線で二人を見ていた。

 克夜が打消す事が出来るのは風だけではないのだが。

 その部分に対しては試合をしていないので悟とフィリアには知りえない情報だが。


「二人は情報収集?」

「いや、ただ三人を見つけあから明日の挨拶でもと思っていただけだ」

 悟は苦笑いしながらこう答えた。

 ただ、後ろに着く言葉が『出来れば情報でも』とか言いそうだけど。


「そうしたいんだけど、私たちの前まで棄権者が出ては情報収集なんてできないわ」

 そう、この学年魔法大会の始まる1週間前から終わりの日まで他人との戦闘をする事を許可されていない。

 ただ、国や研究機関からの依頼なら受け持つことは可能になる。

 だから、エリシアとの出会いの時も【研究機関からの依頼】と言う事になる為、依頼が成立し学年魔法大会も失格扱いにならないと言う事だ。

 まぁ、親族からの依頼としても見れるからどうなんだろうと思うが。


「だけど、俺たちも棄権したいんだけどね?」

「……はっ?」

『どういう事です?』

「……貴方と貴方の使い魔が使用した魔法よ」

 その言葉に三人は納得した。

 魔法特性の所持数だ。

 人類は所有できる属性は1つ。

 例外にとして【ワンドの特性】と【使い魔の属性】で所持する属性を増やすことは可能である。

 つまり、主が【風】でワンドの【属性変換】で他の属性に変換でき、そして使い魔の保有する【魔法属性】で数類持ち合わせれば二人一組(ツーワンセル)でも一個師団並の戦闘がする事が可能である。

 克夜もそれに近い者を持っているというか、エリシアと言う【怪物(モンスター)】と曖菓の【優華の姫】として【月の巫女】としての力を持っていれば、この学年魔法大会ではどれだけの【無敵(チート)】と思われるだろうか。


「けど、私達もただで負けるわけにはいかないから」

「だな。俺たちは俺たちでどこまで通用するか分からないが全力で物かってやる!!」

 そう言って拳を突き出してきた。

 克夜は拳を悟に合わせた。


「おう。全力で潰してやる」

「望むところだ!!」

 そして、お互い笑顔で居た。

 お互い別れた。


そして、克夜の家に戻って作戦会議を行った。

 相手は全力でこっちに仕掛けてくる。こっちとしても相手にこたえたいのだが。


『多分ですけど、一回戦で使った【虹色破壊砲】は決定打にならないと思います』

 克夜の部屋で作戦会議を始めたのだが、エリシアが最初の一言で二人は驚きを隠せなかった。

 因みに、マンションは引越しをした。

 理由としては簡単だ。使い魔持ちで【人型】である部分が大きい。

 使い魔の形状でいろいろ対応してくれるらしいのだが。


『あれは私が持つ最高魔法の一つですが詠唱時間と魔力収束までの時間がかかります』

「時間としては?」

『詠唱と同時進行で5秒ほどですが……』

「相手の使い魔だね」

 克夜のその言葉にエリシアは頷いて答えた。

 相手の使い魔と聞いて克夜は不思議そうな顔をしていたが。


 妖精(フェアリー)の正式属種は【妖精:霊種】と言われている。

 これの特技は【仲間(パーティー)の加護】と【属性の無効化】だ。


「それが何で決定打にならないんだ?」

『……妖精(フェアリー)の二つの一つの特技(スキル)に【属性の無効化】があるんですよ』

「その効果はね、拘束魔法を打消すの……どんな効果が付いててもね」

 その言葉を聞いたときに克夜は唖然とした。

 話を聞いてなんとなく予感がしたが、kそんなの色んな意味でおかしいだろう。ましてや、妖精(フェアリー)が魔法に触れただけで効果が消えるとなると尚更だ。


「その効果、ある意味で規格外(チート)だろうが」

『しかも、複数の効果や月の加護でも全てを無効化出来るんだからなおさらだよ』

「私が【束縛魔法(マジックバインド)】で拘束したとしてもその妖精(フェアリー)が効果を打消すから逃げ切れるって事だね」

 そうなれば【虹色破壊砲】は直線状に放つ砲撃魔法(ストレート)だから簡単に回避が出来るという訳だ。

 そんでもって再度同じ魔法を放つには【5秒】の固定式の再詠唱(ヘイスト)効果内で相手の攻撃が来た場合は確実にこっちの敗北で終わるだろう。


「まぁ、作戦は相手の方の打算を打ち砕くか?」

『……はい?』

 エリシアは不思議そうな顔を見ていたが克夜は曖菓の方を見た。その本人も少し驚いた顔を見ていた。


「昔に一度だけど【アレ】を使ったことがあるだろ……こっちでは使ったことはあるか?」

 その言葉に曖菓は考え込んだがすぐに気が付いてポンと手を叩いた。その本人もやっと何か気が付いたみたいだ。


「……うん、大丈夫だよ。それに、こっちでも【アレ】は使ったことは無いから通用する!!」

「えっと、何ですか二人そろって?」

 二人のやり取りをエリシアはついて行けなかった。

 ましてや、この二人は何をするかと言うんだろうか?


「さて、この作戦をする前に……エリシア、【静音魔法(サイレントマジック)】をお願い」

『しょうがないですね……えい!』

 答えたと同時に《キィン》と言う金属を叩いたような音が辺りに木霊した。



 ――【静音魔法(サイレントマジック)】――

 風属性の音を外部に漏らさない為の魔法。移動式魔法

 ただ、この魔法は五感の一つの【聴覚】を遮断するとまぁ、言った通りの魔法である。

 これの解除方法も簡単でただ【大きな音】を出して打消せば解除できる。もしくは、仲間内でならモーションでなどの合図をして解除をすれば問題ない。

 前者の場合は【攻撃】が来た場合に利用が出来る。



「では、作戦として……曖菓と俺が前衛に入って、エリシアはサポートに入ってくれ」

『……えっと、はい?』

 克夜の言葉にエリシアは驚いていた。

 それはそうであろう、【月の加護】が前衛に出るって事自体がおかしなことだ。

 月の巫女は後方でのサポートをメインとしている。前衛の加護と回復のサポートとして役割の魔法が多いのだ、それが前衛の方に出てくるのだ。それを覆すと言っているのだ。


『ちょ、ちょっと待ってください!!』

 驚きながらエリシアが慌てながらも止めた。


「どうした?」

『美月って【後方(サポート)】がメインですよね……確かに、攻撃魔法(アタック)もありませけど?』

 その答えに克夜は一瞬考えて。


「エリシア、一度見てもらった方が良いな。【次元門(ディメンション)】で見で貰った方が良いな?」

『……分かりました。その理由を見せてください』

 そして、一度【静音魔法(サイレント)】を消して【次元門(ディメンション)】を作り出して三人は立ち上がりその中に入って行った。

 そして、その数分後に三人は戻ってきた。

 エリシアは顔を真っ青にさせながら戻ってきた。


『……マスター、流石に凄いと思いますけど、ほとんど【無敵(チート)】に近いと思いますよ?』

「そんなことないと思うけど?」

『マスターの【そんなことない】って言えるかは不思議と思うぐらいなんですけど?』

 そういって、ため息を吐きながらエリシアは溜息を吐いた。


「ま、明日の試合で二人を圧巻出来ると思うしな」

 そして、この日に二人は解散した。






 そして、準決勝の日に闘技場(ゲート)に入る前に一人の女性が目の前に入った。

 そう、以前に俺たちに『負ける』と言ってきたフィーナ姫だった。その後ろにいたエリシアは『この人だれ』と言いたそうな表情をしながら見ていた。エリシアから見たらそうだろう……何百年も洞窟(ダンジョン)暮らしで外の情報だって入ってくるはずもない。


『……誰ですか?』

「し、知らない人がいるんですか!?」

 エリシアの言葉にフィーナは驚いた。だが、エリシアは【人】ではなく【怪物(モンスター)】である。

 外に出て数日しかたっていないために今現在の【知識(じょうほう)】をあまり持ち合わせていない。


「ソルビルト王国の姫で【フィーナ=ソルビルト姫】だ。簡単に言えばこの国の姫様(わがままさん)だ」

「……何かおかしなもの付けておりませんか?」

「いや、気のせいです」

 とりあえず、ばれない様に言ったが。


「まさか、あの【お二人】の子供(チビ)とは盲点でしたわ」

「……何か言い付けましたか?」

「いえ、気のせいですわ」

 この二人の隠語の言い争いを見ていたエリシアと曖菓は苦笑いをしながら見ていた。

 そして、周りの人が見ていた事にフィーナは気が付いて小さく咳払いを一回した。

 再び克夜の方を鋭く睨み返した。


「貴方お父様とお母様の事ですわ」

「母さんと父さんの事?」

「あの二人の血族なら強いのは当り前ですわ」

 いや、あの二人が強いってどういうことだ?

 元々二人は確かに王宮魔法使い並と言うのは知っている。だが、今は何の研究をしているのかは知らないが……

 と言うかそもそもあの二人がここで研究をしてるのかも怪しいのだが。

 【古代細胞】というのは知ってはいるんだけど。


「……本当に知らないのですか?」

『貴女は知ってるのですか?』

「もちろんですわ!!」

 質問をしてきたエリシアに胸を張るようにして答えた。


「あのお二方は【龍騎士(ドラゴンスレイヤー)】の称号を持つ方ですわ」

「ドラゴンスレイヤー!!?」


 ――【龍騎士(ドラゴンスレイヤー)】――

 その名の通り龍を守る騎士の事であるが、もちろん龍のモンスターを使い魔にしないと付く称号ではない。

 龍すらも打ち砕く力と技量を持つ者である。

 その龍は【古龍:炎属】ですらも赤子のようにあしらうという話も聞く。

 そして、その称号を持つものは噂の範囲だけど10人しかいない。


「……色んな意味で凄い方なのか」

 克夜自身すらその事は初耳なのだから。


「まぁ、貴方の技能(スキル)の事は個人から聞きなさいと言われたし」

「まぁ、その時は俺でも抵抗するけど」

『私が全力で助けに行きますけどね』

 その言葉にフィーナは苦笑いしていた。

 エリシアの最大魔法を撃たれた場合は全属性で防御陣とそれに相当する魔力を必要とする。それを相殺するには数十人と属性所持者が必要となる。

 だが、それでも止める事はまず無理だろう。この世界から失われた【時間属性魔法】と【龍属性魔法】も二つとも使い放つのだ、その部分を止めないとどうしようもない。


「確かに【虹色破壊砲(レインボーディスバスター)】を使われてはどうする事もできないですね」

 その事はフィーナ姫もこの事をわかっていたみたいだ。


「さて、この試合も貴方達には難しいですわよ?」

 ため息交じりにそう答えてくれたが克夜は小さく笑った。


「大丈夫です。この試合の【秘策】は考えています」

「なら、見せてくださいませ。その秘策と言う物を」

「良いでしょう。なら、この言葉に偽りの無いように全力で行きます!!」


 克夜は二人を見るとそれに答えるように頷いた。

 そして、三人は【次元門】をくぐった。








 そこを潜ると既に相手の(チーム)が中に入っていた。

 それは言わずもながら悟達だった。


「よ、遅れてすまなかったな」

「いや、開始時間まで時間があるから大丈夫さ」

 そう言いながらピリピリする空気が肌で感じ取れた。

 悟達の方もそれは同じだった。

 その後方を見ると、宙に浮いた一人の女性がいた。いや、女性ではないアレがあの(チーム)妖精(モンスター)だろう。

 見た感じ的には【月夜(ムーン)妖精(フェアリー)】と言うに相応しく色白の肌に白いローブで身を隠している。

 人間で人気投票などあればまず間違いなく上位に入賞してもおかしくないな。


「本当に【綺麗な花には棘がある】言う諺がお似合いだよ」

『(お褒めに預かり嬉しいですわ)』

「ってか【念話(テレパス)】でしかも人語を話せるとは思わなかったよ」

 苦笑いしながら克夜は答えた。

 人語を話せるモンスターはそこまで多くない。

 人語を理解するモンスターは数多く存在しているが、人語を【伝える】や【話す】を出来る種族は両手で事が足りるぐらいだ。

 つまりあの妖精(モンスター)はその両手に入ると言う事だ。


『知性に関しては人と同じかそれ以上と解釈すればいいですね』

『(そうですね。貴女と同じには思われたくはないですわ)』

 既にこの二人は戦闘態勢に入ってるっぽい。

 そして、対戦相手のHP(ヒットポイント)が表示された。

 悟達のHPは7000で妖精(フェアリー)はその残りだった。

 そして克夜達のHPが表示された。


「はぁ!?」

 その表示されたHPを見た悟達は唖然とした。





 曖菓:3000 克夜:1000 エリシア:14000





 と表示されていたのだ。

 それは唖然とする位しかない、基本でも【月の巫女】がHPが少ないのに驚くが。


「さて、これのホントの恐怖を見せてやるよ」

 その言葉と同時に色が変化した。


 《戦闘開始(タイムカウント)0!!》


「ええい!! HPが低い克夜に全攻撃を開始よ」

 フィリアの声と共に青・赤・黄の魔法陣が展開された。


雷撃(サンダー)

水鞭(ウォーターウィップ)

飛火爪(フレイムクロウ)

 移動式の魔法を三人同時に放ったが。


『残念ですが、その攻撃は効きませんよ!! 慈母(アフェクショネイトマザー)

 その言葉と同時に克夜の前には虹色の壁が出来上がりそのまま魔法壁にぶつかり消失した。


「そんでもって、俺に攻撃は良いけど……もう一人、大事な人を忘れてはいないかな?」

 その声と同時に二人は我に返った。

 一人の姿が見当たらない、そしてその時に悟とフィリアは後ろを振り返った。

 そこには既に姿が消えていた【曖菓】が立っていた。それも【コリン】の真後ろに。


『(い、いつの間にですか!?)』

「うん、開始と同時に貴女の後ろについていたんだよ。移動式魔法を使う時には貴女の後ろに居たんだけどね」

『まぁ、気配がないのは当たり前ですよ』

 その種明かしした。


無音移動(サイレントムーブ)と言う魔法ですよ』

「そして、コロンちゃんは詰んでますよ。白刃(ラ・ホーシャ・バランカ)!!」


 白い大型の刀が曖菓の両手に作られた。

 そして、その魔力の出力は……


「こ。固定式並の高出力!?」

「どうやって? 普通なら固定式の魔法は動く事はできないはず!!」

 その言葉はもっともなんだが。


「【遅延魔法(スロウマジック)】って言う方法をとっただけだ」

「す、遅延……魔法!?」


 ――【遅延魔法(スロウマジック)】――

 発動自体を遅らせて体内にため込む事が出来る。

 魔力を体内に溜め込むために体内の負担はかなり大きい。

 だが、この方法であれば固定式の魔法を体内に閉じ込め移動して撃ちこむ事が可能になる。


「だけどな、この方法は諸刃の剣だ。だから!!」

『私の出番ってわけですよ』

 その言葉に二人は驚いた。

 エリシアの魔力が衰退していたのを。


「代償の衣はエリシアさんと私の魔法を交代してして使う事が出来るの!!」

『交代したのは【慈母(アフェクショネイトマザー)】と【虹色破壊砲(レインボーディスバスター)】をね』

「何でその二つが交換できるんだ!!」

 その悟の叫び声と同時に曖菓が横一線に振り切ると同時にコリンのHPが0になった。


『同数の属性だからよ』

「なっ!!」

 その答えにフィリアと悟は驚いていた。


 虹色破壊砲と慈母の魔法は同数と言う事は全ての属性が使われていると言う事だ。

 一回戦で見た固定魔法と同系統でしかも同質の属性が組み込まれていると言う事だ。

 そして、二つを交換したことで【代償の衣】の効果を得る。

 そして、遅延を発動したと同時に【代償の衣】でエリシアに魔力負荷を与えその間にコリンの後ろに移動魔法で回り込んでそのまま取り外して発動。


「本当に強いな……お前らは」

「これは、俺にとっては試練だ。 一気に決めてやる!!」

 その言葉と同時にエリシアはフィリアに、克夜は悟に一気に詰め寄った。


「『同調(シンクロ)!! 時の龍を我が声に応えよ。全てを付属し今解き放つ力とならん!! フォーラトリエ/フォーラトリエの主の遣いにより……』」

 その言葉と同時に二人の体が怒りだした。


「『全てを薙ぎ払う『拳』とならん!!【天地爆砕拳(てんちばくさいけん)】!!』」

 同時に二人の叩き込みHPを0になり試合が終了した。






 それと同時に見ていた女生徒と執事調の男性はその試合を食い入るように見ていた。


「決勝戦……楽しみね」

『はい、お嬢様』

「けど、私達には勝てないと思うわ」

 そう言いながら小さく頬んでいた。そして、その会場から姿を消した。


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