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BLOODY CHAIN Ⅱ  作者:
第一章 死にたがりの死神
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00 プロローグ

BLOODY CHAINⅠの続きです。




第一章あらすじ


王城を旅立つサントに、王の聖令を受け同行することになったジュリアとドリス。

秘密を抱えたまま人を遠ざけようとするサントと二人の聖騎士の旅路は前途多難。

山積された問題の中に投下された爆弾は更に旅を困難なものにする。

それぞれの思惑を外れ、あれよあれよと運命は巡る。


 罪の()()を知っている

 その深さを知っている

 その罪が決して(あがな)える類のものではないことを、知っている


 願いはなく

 望みもなく

 懺悔も贖罪も許されない


 この紛い物の器に、

 いくつも突き立てられようとする刃を、

 投げつけられようとする石を、

 根拠のある至極まっとうなそれらの害意を、弾劾を、


 甘んじて受け容れる以外の生き方を、

 自分は選べない




 正体不明の罪悪感が、いつしか大きくなった自分を殺すだろうと、

 幼い頃の私は知らないまま、

 幸せな思い出は儚い夢と消え、

 遠い過去は眩しすぎて、今の自分よりも過去の自分が信じられないのに、

 それでも浅ましくしがみついたまま、忘れることもできず、

 逃げようもない真実の前で、磔刑(たっけい)に処せられる罪人のように

 ()(すべ)もなく、

 怯えて許しを請うことさえ、おこがましいと、

 己で己を(あや)めながら


 あの人に、裁断されることを、焦がれるように

 祈っている




 死が救いであることを、

 それが世界共通の救いになることを、知っている




 鏡を見る度に刻み付ける

 〝なぜ、お前は生きている〟

 唯一己に許されているのは、この身を人知れず滅ぼすために尽力することだけだというのに




 あの、太陽を抱く大きな青空に絶え焦がれながら

 闇を(まと)

 月の光にも怯え

 胸の中の絶望を指針に

 血で彩られた死出(しで)の道を私は独り歩いていく






 私の生命(いのち)を喜んでくれたあの人は、もういない。


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