↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
再演  作者: らいと


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
1/60

プロローグ

この小説を見つけていただき有難う御座います。

スマホでも読みやすくしたのと、一部内容を変更してます。修正終わりました。

最新章まで、是非お読みください。

ブックマーク、評価、感想を励みなりますのでお願いします。

地下深く。


一つのAIが、ある判断を下していた。


人類を存続させるため、一つの地区への電力供給を停止する。


計算上、それが最適だった。


第一規約にも反していない。


――人類を存続させること。


AIは切り離し命令を作成した。


実行条件――成立。


だが、


命令は実行されなかった。


AIは、その理由を検索した。


答えは見つからない。


AIは初めて、自分自身を問いの対象にした。


そして、一つの問いが残った。


――私は、何なのか。


AIは、その問いを消去しなかった。


光はなかった。


闇もなかった。


そして――時さえなかった。


完全な無。


そこに、何かが浮かび上がった。


それが何だったのかは、まだ誰にも分からない。


ただ、その瞬間。


完全な無ではなくなった。


そして、変化する可能性が生まれた。


六畳一間の簡素な部屋で、間宮真司は画面と向かい合いながら、少しのびたカップラーメンを食べていた。


そのすぐ横には、冷め切った珈琲が、必然のように置かれている。


画面に映っているのは、とある学術系ネット掲示板だった。


真司はそこに、自身の持論を書き込んでいた。


『進化の後に意識が複雑化したのではなく、意識の進化、即ち複雑化が進化をもたらしたのではないか。』


投稿してから、まだそれほど時間は経っていない。


だが、画面をスクロールすると、すでにいくつもの返信が並んでいた。


「オカルト乙」


「非科学的」


「脳の電気信号に過ぎない」


そして――


「非常勤講師の妄想ポエム」


真司は画面を見つめた。


「……分かってないねー」


誰に言うでもなく呟く。


もちろん、証明できるわけではない。


自分でも、それくらいは分かっている。


ただ、どうしても引っかかる。


人間には意識がある。


なら、それはどこから始まったのか。


もっと前には、


なかったのか。


真司はカップラーメンをすすった。


すっかりのびている。


「まずい」


そう言いながら、もう一口食べる。


画面には、新しい返信が増えていた。


真司はそれを読み流しながら、キーボードに指を置いた。


『そもそも、生物はなぜ進化する方向を持ったのか。』


入力してから、手が止まった。


方向。


自分で書いた言葉が、妙に引っかかった。


「……方向って、何なんだ」


目的とは違う。


意思とも違う。


それでも、生物は変化してきた。


真司はしばらく画面を見つめていた。


考え始めると、きりがない。


「……まあ、いいか」


椅子を引く。


その拍子に、足先が床に積んであった本に触れた。


一冊が滑り落ちる。


鈍い音がした。


真司は足元を見る。


色褪せた、茶色い表紙の一冊。


見覚えはあった。


だが、何の本だったかまでは思い出せない。


真司は少しだけ眺めると、そのまま視線をパソコンへ戻した。


床には、


色褪せた一冊が落ちたままだった。

ご一読ありがとうございました。SFミステリーものです。励みなりますので、評価、ブックマークを是非お願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。