第2話 2週目の異世界転生
「ユキ、起きなさいユキ」
聞き覚えのあるフレーズだ。
なんだろとても懐かしい。
「あう?」
「見てほらあなた、ユキが笑ったわ」
「わぁほんとだ、可愛いね」
おいおいなんだよこの若夫婦、しかし異世界転生させてやるって言われてきたけど、まさかの赤ちゃんからかよ、
まったくとんでもないリスタート。
いや待て、これあれだ。
思い出したママン!早く、早く伝えないと。
ママンが攫われるってパパンに!
『パクパク』
「あらみて、ユキが口をぱくぱくしてるわよ」
「本当だ、可愛いね」
話したいんだ!笑わないでよママン!
てか、なに和んでるんだよパパン、あんたさっき死んでんだぞ。
まぁ正確にはあと7年後か。
しかし何かを変えるにはあまりにも幼すぎるな、もう少し成長を待つか。
ーー2歳
「うし、やつとまともにしゃばるるようひなったそ」
ちっ、話せるようにはなったが、まだ上手くは話せねぇ。
それに今パパン達に話したとしても、こんな子供にあと5年でここが襲われるなんて話、全然信じてもらえないよな。
も、もう少し成長を待ってみるか。
ーー4歳
「いいかんじゅに、はなしゃるように、なったぁよ」
「きゃー、ユキ凄いねいっぱい話せるねー」
俺が話してのを見てママンがキャッキャと嬉しそうに騒いでいやがる。
嬉しそうなのを見ると涙が出そうになってしまう、あと3年か。
何か防ぐ術を考えないと、でもどうしたらいいのかわからん。
とりあえず身体を鍛えてみようか。
そうして俺は腕立てをやってみた。
「な、にゃんだこれ、ぜぇんぜぇんからだがあがらねぇ」
腕立てをしてみたが、筋力が無さすぎて身体がまったく上がらない。
「きゃー、今度は腕立てやってるんだけど、可愛い、可愛いすぎるようちの子」
ま、ママン、可愛いとかやめて。
俺は貴方を救うために必死に頑張ってるんだから。
だがこれじゃあ身体を鍛える意味あまりないかもな……も、もう少し成長を待ってみるか。
ーー6歳
「さて、今日の筋トレは終わりっと」
あの後俺は、4歳からできうる限りの努力をした。
パパンに頼んで近所の武道家に弟子にしてもらい、それなりに鍛えてもらった。
「もしかすると、あと一年も経てば俺1人でママンやパパンを守れるやもしれん、よしもっと頑張るぞ」
「お!今日もやってるのかユキ」
俺が庭で筋トレに励んでいると、パパンがやってきた。
まてよ、丁度いいから試しにパパンを倒してみよう。
自分の成長を確認できるいい機会になるし。
「とりゃあ!」
『ベシッ』
「痛い!ちょっとユキ、お父さんを蹴るなんて酷いじゃないか」
俺は渾身の蹴りをパパンの左足にぶつけた。
しかしパパンは痛いと笑うだけで倒れない。
ま、そうだよな薄々気がついていたさ。
おそらく俺が強くなっても、パパンとママンは守れない。
7歳の子供がいくら強くなったところで、大人に殴り勝つなんて到底不可能。
そう、だからこの2人を救うには、第三者の介入が必要なんだ。
そのために俺は武道家に弟子入りしたんだけどね。
そうその第三者とは、俺のお師匠でありおそらく村一番の武術家である、シンラ先生である。
そしてこのシンラ先生を味方につけるのが、俺が考えた2人を救う策。
問題はどうやってシンラ先生に事情を伝えるかだよなぁ、あの人色んな意味で話通じないからそこが心配なんだよなぁ。




