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「なろう」企画 四季の小説

正統稗田文書(せいとうひえだもんじょ)

掲載日:2025/12/12

 むかし、むかし、地球にまだ人類が生まれてないころのお話です。

 宇宙からきらきら光る乗り物が地球にやってきました。

 きらきら光る乗り物は天の浮舟(あまのうきふね)といいます。

 天の浮舟は地球の大地に降り立ちました。

 このころ、地球には大きな大陸が一つしかなく、後はすべて海でした。

 天の浮舟の中から神さまがお姿を現されました。

 神さまのお名前はアメノミナカヌシとおっしゃいます。


 神さまはしばらくするとまた天の浮舟に乗って空をお飛びになり、世界中を回られました。

 空から青人草(あおひとぐさ)という苗木をいろんな場所にばらまきになられました。

 青人草は地面に落ちるとあらあら不思議。たちまち人間に変わりました。

 青人草にはいろんな種類がありました。男になる草。女になる草。

 また人間には黄人、白人、黒人、赤人、青人の五種類の人種がいました。

 五種類の人種は五色人と呼ばれました。肌の色で五種類の人種に分類できたからです。

 世界各地に散らばった人間たちは最初は村を作り、次に国を作りました。


 神さまは人間たちに知恵をお与えになり、このため文明は急速に発展していきました。

 やがて人間たちは宇宙船を作り、月や火星に植民地を作ります。

 またコンピュータやロボットを作り、人間たちはほとんど働かなくても生きていけるほど技術は進化しました。

 ところが人間たちは次第に努力を怠るようになり、なまけものになっていきました。

 また人間たちは欲が深くなり、自分の利益だけを考えるようになりました。ですから他人には意地悪になり、困った人がいても助けません。

 あるとき人間たちは大きな戦争を始めました。

 たくさんの人間たちが亡くなりました。

 それでもまだ人間たちは戦争をやめません。

 神さまはそれを見て、たいそうお怒りになりました。


 あるとき神さまは地球に大地震と大洪水を起こされました。

 地球の大きな一つの大陸は五つにわかれました。

 このとき青人は洪水のため、絶滅しました。

 またこれまでの人間たちの高度な文明も失われ、生き残った人間たちは再びむかしのような原始生活を余儀なくされました。


 あるとき神さまは女の人間と結婚なされ、娘がお生まれになりました。

 神さまはその子にアマテラスと名付けられました。

 アマテラスが大人になると、神さまはアマテラスおっしゃいました。

「アマテラスよ。これからはそなたが地球を統治するのじゃ」

 神さまは奥方さまと天の浮舟にお乗りになり、宇宙へお帰りになりました。


 アマテラスの治世下では、人間たちが文明を発達させるスピードはかつてよりゆっくりになりました。

 アマテラスのご子孫たちも代々、地球を統治なさいましたが、やがてジンムの代になると地球全体でなく、ヤマトという国だけをお治めするようになりました。

 ジンムは天皇という称号をお名乗りになられました。

 ジンムのご子孫たちは代々、天皇を引き継ぎなさいましたが、五代目のウガヤフキアエズ天皇の代に面白いエピソードがあります。


 ウガヤフキアエズ天皇は身長10センチの小人でいらっしゃいました。

 また奥方の皇后は身長10メートルの巨人でいらっしゃいました。

 お二人は仲のいいご夫婦でいらっしゃいました。

 いつも天皇は皇后の手のひらにお乗りになるか、肩の上にお座りになられました。

 あるとき外国からヤマトを征服しようと四隻の軍艦がヤマトに攻めてきました。

 天皇と皇后はこれを迎え撃つべく、船にお乗りになり、敵艦に近づきました。

 天皇は空をお飛びになり、一隻の敵艦に乗船なさいます。

 腰に下げた伝家の宝刀、草薙剣(くさなぎのつるぎ)をお抜きになり、大勢の敵兵を退治なさいました。

 最後に敵艦の船底に穴をお開けになると、天皇は再び空をお飛びになり、皇后がお待ちになる船にお戻りになられました。

 天皇のご活躍により、敵艦は沈没しました。

「陛下、今度はわらわにもやらせてくださいまし」

 皇后は天皇にそうおっしゃいました。

 皇后はご自身のお身の丈ほどある巨大なうちわを持って、全力でお仰ぎなさいます。

 すると疾風が吹き、敵艦二隻が吹き飛ばされました。

 残った敵艦は退却していきました。

 こうしてヤマトの危機は天皇皇后両陛下のご活躍により、回避できました。


 さて、その後、ウガヤフキアエズ天皇は皇后との間に八人の王子をお授かりになられました。

 八人の王子が大人におなりになるころ、京の都ではヤマタノオロチという八つの首を持つ、巨大な竜が夜な夜な出没していました。

 ヤマタノオロチは民衆を食べ殺し、家屋を破壊する世にもおそろしい怪物です。

 天皇は八人の王子たちにヤマタノオロチを退治するようご命令を出されました。

 八人の王子たちはそれぞれお一人につき一つずつ、ヤマタノオロチの首をお切り落とします。

 最後に残った一つの首をタケルという王子がお切り落とそうなさいますが、どうしてもお切りすることができません。

「タケルよ、これを使え」

 天皇はそうおっしゃって、タケルに草薙剣をお与えになります。

 タケルは草薙剣を力いっぱい横にお薙ぎになられます。

 すると最後の首は勢いよく切断され、空に飛んでいきました。

 そして首が落ちた場所にイノカシラという地名がつきました。

 ヤマタノオロチは退治され、都には平和が戻りました。

 その後、イノカシラも第二の都として発展し、ヤマトの人々は末永くしあわせに暮らしました。

 めでたし、めでたし。


(了)


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