一発ネタ 怖がらせましょう
時事ネタ(しかし時期ズレ)
夏休みが終わり、とある高校も授業が再開。
この高校は始業式は映像式で、みんなが体育館に集まって暑さと長い話に耐え続ける地獄が発生せず、ただみんなでエアコンの効いた教室に設置されたモニターを見続けるだけの天国だった。
今はその天国の始業式が終わった後の、レクリエーションの時間である。
担当教師が教壇に立ち、口を開こうとした所で数秒止まってしまった。
再起動を果たした教師は、本来言おうとしていたセリフとは違う事を言いだした。
「始業式中にいたはずの雨実 衣睦が居ないが、誰が知らないか?」
この言葉に、教室中がざわめく。
「確かにいない」「始業式中は寝てたのに」「始業式が始まる前はなぜかニヤついてたな」「どこに行ったんだ?」「トイレか?」等、特に有力な情報は拾えないざわめきだ。
この状況に困った教師が、どうしようかと頭を悩ませ始めた直後に、教師の戸が勢いよく開いた。
開いた戸に立つのは、地上にいるはずが無い凶暴な生物。
腹側は白く、背側は青……と言うには濃すぎる濃紺色。
口には怖気を催す夥しい量の鋭い歯、背中に特徴的なヒレを持つ、海洋生物。
それはまさにサメであった。
そのサメの姿を認めてしまった生徒たちの顔が歪み、腰が浮き、逃げ出そうとした所でサメが音波を発した。
「教室の空気が弛み、油断した所にサメの格好で登場して驚かせて怖がらせましょう!」
その音波は可愛らしく、クラスの女子でも身長順では小さい方から数えた方が圧倒的に早い。
なによりサメ(着ぐるみだった)の口から覗かせる顔がまだあどけない人物は、雨実衣睦その人だった。
正体を理解した生徒たちはイスに座り、納得顔。
ついでに今頃サメミームを持ち出すなんて、流行遅れだよなぁ。 なんて呆れもしていた。
教師は……。
「雨実! 後で生徒指導室へ来なさい!」
「なんでーーー!?」
【悲報】サメミームちゃん、2学期デビューを目論むも失敗し、教師に叱られる