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C級冒険者

 目が覚める。

 初めに治療所に来た時と同じ天井。

 体を起こす。周りには誰もいない。日付を見るに、あれから1日。

 元々着ていた服は畳まれ、俺は綺麗な服を着ている。

 剣も槍も石ころもリュックも置いてきてしまったのでない。

 夢貫用と書いてある薬があったのでそれを飲む。苦い。

 傷がほとんど治っているのを確認した後、服を持ち、部屋を出る。助けた彼らの安否の確認だ。

 部屋が多すぎてどこにいるか判断出来ないので、歩いている白衣の人に聞くと、案内される。

 白衣の人によると、女の方は後1日で治り、つよしはもう完治して外に行ったようだ。

 女の部屋に着く。ベッドには綺麗な包帯で傷を巻かれて女がいる。眠っているようだ。

 部屋を後にし、治療所の受付に金を払い、白衣の人にお礼を言った後、宿に向かう。


 元々着ていた服は破れてしまっているので動きやすい服を着て、冒険者ギルドに向かう。

 昨日の報告のためだ。


 冒険者ギルドの手前まで来た時、つよしに会った。待っていたようだ。


「治療所に行った時いなかったから待ってた。

 昨日は助けてくれてありがとう。あんたがいなきゃ死んでいた」


「つよしの立派な行動に報いただけだ」


「それでもありがとう。俺は最強になるまでは死ねないから」


 最強になること自体が目的なのか。


 冒険者ギルドに入り、ゴブリンを討伐したこと、オークを討伐したこと、未だ巣の殲滅は済んでいるか分からず、未探索の場所があることを受付に報告する。

 パーティについて行ってくれたことの感謝を受けるが、依頼が完全に達成しているわけではないので再び行くことを伝えて外に出る。

 昼飯と剣を買ってつよしと共にゴブリンの巣へ出発する。

 つよしが先行するが、ペースを合わせてくれる。

 だが、道が違うように思える。

 だから昨日遅かったのか、そのおかげで追いつけたのもあるが注意すべきだ。

 そう思い、道が間違ってることを伝えて俺が先行する。

 つよしは恥ずかしそうだ。


 巣にはもう生きてるゴブリンがいなかった。

 昨日倒したので全部だったということだろう。

 財宝と武器等を回収しギルドに戻る。

 今回の依頼は数日後、達成が確認され、報酬が渡されるらしい。

 財宝も買い取ってもらうことが出来た。

 かなりお金が貯まった。武器を買おう。

 その後は能力の確認かな。

 冒険者ギルドを出るとともにつよしが話し出す。


「これからも一緒のパーティで戦わないか?」


 戦いは好きだ。

 熱く、燃えるような思いが出来る。

 こいつに、直情的なつよしについて行けば、もっと燃えるような戦いが出来るだろう。

 1人であればあの戦闘後の心地よい静寂を感じれるだろうが危険もある。


「いいよ」


 表情を変えず夢貫はそう言った。



 武器屋に入る。

 剣と槍、石を買う。

 今持っているものでも使えなくはないが、今後の戦闘を考えると新調すべきだ。


 そして冒険者ギルドの訓練所に来た。

 他にも魔法を使っている奴はいるが俺と同じ能力はいない。

 硬鉄……と意識すると体が鉄に変わるように心臓周辺を中心にゆっくりと覆われていく。

 魔力が減っていくのを感じると、すぐに能力が解除された。

 戦闘の時はもっと速かったし魔力ではない何かを使っていた気がする。

 それを引き出すように模索しても出ない。


(それは想いの力だ)


 想いの力?


(魂から出る物で、目的を達成するためのものだ)


 なら今は使えないのか。


(まあそうだろうな。また、想いの力は魔力とは違う)


 質がいいってことか?


(それは分からない。中には魔力の質が想いの力に劣らないものもいた。ただ基本それで間違いないだろう)


 その後は武器を試す。

 どれも形は同じなので今まで通り上手く扱えた。




 次の日からもつよしとC級の依頼をこなす。

 つよしは感情的で、敵を見つけたらすぐに向かって行ったが、回避する能力にも長けており、倒されることはなかった。俺の遠距離攻撃も音で分かっているのか、当たってしまうことはなかった。

 その後、ギルドの訓練所で模擬戦をした。

 変則的な動きで飛び回り、読みづらかったが、予測して攻撃を当てることが出来た。


 そんな日々が続いた。

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