第168話
信康達が砦を陥落させてから、少し時間が経った頃。
プヨ王国軍が本陣を敷いている所と、ダナン要塞の中間地点にある場所。
ヨウシ川と呼ばれる河川の支流から隣接する様に人一人隠れる事が出来る、一・五メートル以上の高さを超えた葦が群生して葦原を形成していた。
其処から少し進むと、串刺しにされたプヨ王国軍の将兵達の死体が大量にあった。
時間が経過しかつ真夏の時期の所為も相まって、死体は既に腐敗が進行していた。蠅が集って蛆虫も湧き、鴉も嘴で死体を突っついていた。
葦に隠れているカロキヤ公国軍の兵士達は、風に流されて嬲られているプヨ王国軍の将兵達の死体が放つ腐臭に顔を顰めながら愚痴る。
「はぁ~プヨ軍の奴等、全然来る気配がねぇな」
「だな。初日は死に物狂いで攻めて来ていたんだがな。無駄な犠牲を嫌って、来なくなっちまったな」
「へっ。ビビり散らしてるだろうよ。それよりも早く砦の連中が来てくれないもんかね? 何か交代に来るの遅くねぇか?」
この葦に隠れているカロキヤ兵達も数時間置きに、砦に居る部隊と交代していた。
何時までも葦に隠れる事など、どれだけ屈強な精兵でも不可能だ。
敵に見つからない様に隠れる事と、戦場に居る事で生まれるストレス。環境により生まれる、気温の変化。
それらが、カロキヤ兵達の神経と体力の消耗を強いる。
なので、カロキヤ兵達は、適度に休憩を取る為に交代していた。
実は信康達が砦を簡単に攻略が出来たのは、交代したカロキヤ兵達が休憩していたから簡単に攻略出来たのだ。伏兵部隊を素通りして、いきなり砦が奇襲を受けるとは思わずに油断していた。この事実もまた、圧勝の要因であったのだが。
「なぁ、この戦いは勝てると思うか?」
「分からん。だけど敵軍の士気は低下しているから、戦えば勝てると思うぜ」
「だよな」
砦が既に陥落しているとは夢にも思っていないカロキヤ兵達は、時間潰しにそんな雑談をしていたら突然大きな影が自分達を横切った。
「何だ? 鳥か?」
「鳥にしちゃ、大き過ぎるぞ」
「だな。魔物かもしれんし、一応警戒した方が良いか」
カロキヤ兵の一人がそう口にして周囲に警戒を促した瞬間、風と共にある声が微かに耳に入った。
「唵・迦楼羅よ・焼き焦がせ」
「何だ? この声・・・っっ!」
カロキヤ兵が口にした言葉は、最期まで話される事は無かった。
喋っていた途中で爆発が起こり、カロキヤ兵が全身を焼かれて火達磨になったからだ。
「ぎゃああああああぁぁぁぁっっっ!!!・・・・・・ぁぁっ」
火達磨になったカロキヤ兵は悲痛な悲鳴を上げ、最期はもの言わぬ黒焦げの焼死体となった。
「な、何だっ?! 何が起こったぁっ!!?」
「ちくしょうっ! 魔物の襲撃かっ!? そいつは何処にっ・・・ぎぃやああぁぁぁっ!!」
最初の焼死体となったカロキヤ兵の近くに居た別のカロキヤ兵達は、葦から身体を乗り出して動揺しながらもなんとか行動に移そうとした。
しかしその時点で既に事態は、カロキヤ公国軍全体にとって手遅れであった。
続けて複数の爆発が起きたと同時に、再び悲鳴に後に焼死体が出来上がった。
「う、うわああああああああっ!?」
「落ち着けぇっ!! 身体を葦から出すなぁっ!!」
「そうだっ! 今殺られた奴等は葦から身体を乗り出していたっ! 葦に姿を隠して、気配を殺せっ!! 地上に近付いて来たら、一斉に矢を放って始末しろっ!!」
混乱するカロキヤ公国軍に、伏兵部隊の指揮官である将軍が一喝した。
将軍の一喝を受けて漸く、事態は平静さを取り戻す事に成功した。
カロキヤ公国軍は身体を伏せて葦原に身体を隠しつつ、弓を構えて魔物と思われる存在が現れるのを待った。
「ほう? 先刻まで見苦しく混乱していたのに、もう収拾するとは・・・指揮している指揮官は、無能と言う訳では無さそうだなぁ?」
矢が届かない程の上空から感嘆の声を上げたのは、プヨ王国軍に所属する傭兵部隊の信康であった。
鬼鎧の魔剣が保有する形態である、金翅鳥鬼鎧を発動させて炎弾を葦原に向かって放っていたのである。
一部が炎上したまま静まり返った葦原を見て、信康は逆にフッと嗤って嘲笑を浮かべた。
「大方、俺が地上に接近してから一斉に矢の雨でも浴びせる心算だろうが・・・姿を消して隠れた位では、俺の目は誤魔化せんぞ」
信康はそう言うと金翅鳥鬼鎧にある、鳥を模様した兜の目の部分が赤く光った。
その瞬間、信康の視界は一変する。
信康の視界には、葦原で一千近い熱源が浮かび上がった。
これは金翅鳥鬼鎧に備わる能力の一つで、熱源探知に特化した索敵及び捜索能力である。
この能力の前では、如何なる隠密能力の持ち主もその隠密能力の本領を発揮出来なくなる。
何故なら自身の身体が放つ熱によってその正体が露見されてしまい、信康の視界からは逃れられなくなってしまうからだ。
気配に敏感な信康でもこの能力には何度も命を救い、自身もまた救われて来た有能な能力であった。
「あそこに敵が固まっているな・・・ならこうしてみよう。帰命したてまつる・あまねき・諸金剛よ・梵天よ・焼き尽くせ」
信康が三尖刀を突き出して詠唱すると、三尖刀の穂先から赤い極太の光線が放たれて地上に激突した。それから信康は極太の赤い光線を放ったまま三尖刀を薙ぎ払うと、そのまま葦原の一部を焼き払って焼失させ、更にはヨウシ川の一部すら蒸発させてしまった。
信康が三尖刀を薙ぎ払った結果、百近い熱源もまた跡形も無く消滅していた。余談だがゲルグス達の救出時は極細の光線を放っていた様に、信康は任意で光線の規模を変更する事が可能なのである。
「ひっ・・・あぁっ・・・・・・あっ・・・・・・ぁ」
不幸な事に赤い光線が直撃せず右半身だけ消滅したカロキヤ兵は、恐怖で顔を歪めながら残った左手である方向を指差していた。しかし直ぐに身体のバランスを崩してそのまま、そのカロキヤ兵は糸が切れた操り人形の如く事切れた。
「お、おいっ!!?・・・・・・一体何がっ・・・・・・っ!!!?」
右半身だけ消滅して死亡したカロキヤ兵の隣に居た、別のカロキヤ兵が思わず声を掛けた。自分の同僚が最期に何を見たのか気になって指差しした方向に視線を向けると、そのカロキヤ兵は両眼を見開いたまま固まってしまった。
カロキヤ兵の視線の先に居たのは、赤い鎧を纏って空中に浮く一人の人間に姿形をした存在であった。太陽の光に照らされて後光が差すその神々しい姿は神々が遣わした使徒とも連想出来たが、そのカロキヤ兵には別の存在に見えてしまっていた。
カロキヤ兵は思い出していた。初戦で勝報ばかり届く中、唯一自軍の一割に相当する三個大隊三千を消滅させたと言う、化物の存在を。
「う、うわあああぁぁぁっ!!? 化物だぁっ!! 化物が出たぞおおぉぉぉっ!!!」
カロキヤ兵は信康の存在を認識した瞬間、持って居た弓矢を投げ捨てて潰走を始めた。敵討ちや軍令を遵守するよりも、恐怖心が勝ってしまったのだ。このカロキヤ兵の言動は、伝染病の如く瞬く間に葦原に広まってしまう。
「化物っ!!?」
「こ、葦原に居ると殺されるっ!!」
「ひいいいぃぃぃ俺はまだ死にたくねぇっ!!?」
大混乱に陥ったカロキヤ兵達は葦原から身体を起こし任務を放棄して、次々と持って居た弓矢を投げ捨てて潰走を始めた。
「こらぁっ!? 誰が持ち場を離れて良いと言ったぁっ!!? 戻れっ!! 戻って戦えっ!!」
将軍は激怒して葦原から立ち上がり、剣を振り回して潰走を止めようとした。将軍は潰走を止めようと必死になり過ぎるあまり、自身に接近する死の影に気付かなかった。
「敵将、見付けたりっ!! はあああぁぁぁっっっ!!!」
将軍の下へ、上空から天馬に騎乗した騎士が一騎飛来して来た。その騎士は第四騎士団に所属する十二天騎の一人、『烈火』のゲルグスであった。ゲルグスは得物の剣に炎を纏わせて赤く光らせると、そのまま一閃した。将軍は首を飛ばされて、残った身体は事切れて葦原に倒れた。
「ゲルグスが敵将を討ち取ったぞぉっ!! 敵兵を逃がすなっ! 包囲殲滅しろっ!!」
信康の号令と共に、第四騎士団と第四小隊が上空から登場して潰走するカロキヤ公国軍に魔法や弩、投槍の雨を浴びせ始めた。
指揮官を失い士気も崩壊したカロキヤ公国軍では何一つ対応出来ず、良い様にプヨ王国軍に蹂躙されて行った。
一個大隊一千程居たカロキヤ公国軍の伏兵部隊は四百まで数を減らした後、プヨ王国軍に全面降伏した。逆にプヨ王国軍の方は、死傷者一人出ない圧勝劇であった。
「いやぁ。想像以上に上手く行ったな」
金翅鳥鬼鎧を纏ったまま、信康は地上に着陸した。
地上では既に第四騎士団が捕虜にした、四百ものカロキヤ兵達の装備を没収していた。
更に衣服だけになった捕虜から、第四騎士団は背中の部分に文字を書き始めていた。
その内容は砦で捕虜にしたカロキヤ兵達と、一語一句違わない同様のあの情けない文章であった。
因みに第四小隊は戦死したカロキヤ兵達の死体を、何ヶ所かに分けて収集していた。
「ノブヤス」
其処へ信康に声を掛ける人物が現れた。その人物とは、第四騎士団団長であるフェリビアであった。
更にフェリビアの背後には、十二天騎であるサフィルロット達も背後に控えていた。
因みにゲルグスは、カロキヤ公国軍の将軍を討ち取れて御機嫌な様子だった。
「どうも。約束の方だが、あれで良かったか?」
「そうですね。強いて言うならもっと貴方の実力とその魔宝武具の性能を見たい所ですが、一先ず十分と言えるものでした」
信康の質問に対して、フェリビアは肯定して答えた。実はフェリビアは第四騎士団参戦の条件として、信康の鬼鎧の魔剣の性能を見せて欲しいと頼んでいたのである。
信康は既にゲルグスにも見られているので、悩む事無くその場でその条件を承諾していた。そんなフェリビアの回答に、サフィルロット達も反応する。
「確かにね。フェリビアの言う通りだ。良いものを見せて貰った。想像以上だったよ」
「ゲルグスから話を聞いた時は半信半疑であったが、直接見たからこそ分かる。ゲルグスから聞いた話は、寧ろ控えめなものですらあったのだとな」
「等級は不明と伺っていたけれど、明らかに宝具級以上の魔宝武具だと断定出来るわ。非常に興味深いわね」
サフィルロット達はお世辞では無く、心から信康の実力と鬼鎧の魔剣の性能を称賛した。
見目麗しい美女達に称賛された信康は、浮かれこそしないが悪い気分では無かった。
「失礼します。ノブヤス様」
其処へ信康達の下へ、ルノワがやって来た。ルノワはフェリビア達にも一礼してから、信康に話し掛ける。
「よぉルノワ。どうした?」
「報告します。戦死したカロキヤ兵の死体、全て収集しました。続けて串刺しにされた味方の遺体の事で、指示を仰ぎたくて参りました」
ルノワの報告を聞いて、信康達はルノワに注目して話を聞く姿勢になった。
「味方の遺体ですが、先ず罠の数が多くて解除に時間が掛かってます。遺体の方ですが、第一騎士団の遺体はまだ腐敗が進んでいないので、回収が可能です。しかしダナン要塞の将兵達の遺体は・・・死んでからより長い時間が経過しており尚且、真夏の所為もあってか腐敗具合が酷過ぎます。収納を使えば回収出来なくも無いのですが・・・私は戦利品の収納で少々余裕が無く、サンジェルマン姉妹は転移門の詠唱に備えるという理由で収納を拒否しています」
「・・・そうか」
信康はルノワの報告を聞いて、どうするか頭を悩ませた。単純に信康が所有している虚空の指環で収集すれば良いだけで、死体を収集する事に忌避感など信康には無い。
しかし信康は第四騎士団の前ではまだ、この虚空の指環を使用したくなかった。
既に鬼鎧の魔剣だけでも十分過ぎる程に注目を浴びていると言うのに、虚空の指環まで出して無駄に悪目立ちするのは避けたかったのである。
「・・・どうしたら良いと思う?」
其処で信康は、フェリビアにこの問題の解決を押し付ける事にした。フェリビアは実質的に最高責任者と言えるので、押し付けるのは決して間違ってはいなかった。
フェリビアはルノワの話を聞いて、どうするべきか判断するべく思案した。暫くの沈黙の後にフェリビアは、沈黙を破って結論を口にする。
「第一騎士団の遺体は回収し、ダナン要塞所属の将兵達の遺体は、此処で燃やして荼毘して行きましょう」
『!』
フェリビアの決断を聞いて信康達は、反応の大きさに大小の差はあれど驚愕した様子を見せた。
「良いのか? 全て回収するのが本来の目的であった筈だが?・・・」
「皮肉な事にカロキヤ軍が首を送って来た御蔭で、無事に保存状態の良い状態で確保出来ています。これで無理して腐乱した他の遺体を本陣に持ち帰って、疫病が蔓延でもしてしまっては本末転倒です」
フェリビアの判断理由を聞いて、信康達は感嘆の声を漏らした。
「承知した・・・実はと言うと、俺も焼却には賛成だったんだ。これで遠慮無く、遺体は焼却処分に出来る。ルノワ」
「はっ!」
「先ず最初にカロキヤ兵の方へ向かって、俺が死体の山を燃やして処分する。味方の遺体だが、そのままにしておけ。回収も焼却も、俺が全部やっておくから」
「承知致しました。ノブヤス様」
ルノワは信康の返事を聞いて、承諾してから一礼した。そんなルノワに、信康は続けて話を行う。
「それと、砦で待機している総隊長達にも伝令を送ってくれ。内容の方だが・・・」
「御安心下さい、ノブヤス様。実は戦いが終わると同時に、私の判断で伝令を送ってあります・・・どうぞ、あちらを御覧下さいませ」
『?』
ルノワに促されて、信康達は指差しされた方向へ一斉に視線を向ける。
ルノワが指差しした方向にあるのは、先刻攻略した砦がある方向であった。
すると砦があると思われる場所から、複数の煙が立ち上がっていた。
信康達は何かを知らせる為の狼煙かと思ったが、狼煙にしては不自然であった。
「実は送った伝令には、砦攻略時に出たカロキヤ兵の死体を燃やしてから砦を去ってくれと伝言を持たせたのです。伏兵部隊撃破を前に死体を燃やしてたりすれば煙で勘付かれてしまうとノブヤス様が仰られていたので、目的は果たした以上は処分をお願いしておきました」
ルノワは状況を説明して、信康達にそう伝えた。ルノワの説明を聞いた信康達は、砦から上がる煙の正体を理解して納得していた。
「仕事が早いな。流石はルノワだ。御蔭で手間が省けたぞ。良くやってくれた・・・・・・疲れた所を悪いんだが、後でイセリアかメルティーナをダナン要塞近くまで偵察を頼めるか?」
「いえ。これ位でしたら、大した事でもありません・・・っ! 了解しました。お任せ下さい」
信康に称賛されたルノワは、平然とした様子でそう答えた。しかし本当は最愛の信康に褒められて嬉しいのか、長い耳をピクピクと動かしていた。そして最後に信康からの頼み事を聞いて、その真意を悟って承諾した。
「へぇ・・・ノブヤス。その娘の事は紹介してくれないかい?」
するとサフィルロットが、興味深そうにルノワの事を見詰めていた。
そして信康に、ルノワの事を紹介して欲しいと頼んだ。
「ん? あぁっ・・・こいつはルノワ。見ての通り、黒森人族だ。武術にも魔法にも長けていながら、頭も切れるという知勇兼備の女傑だ。更にこう行った周囲の気遣いにも自然と対応出来る完璧超人でな。俺の副官として活躍して貰っている」
信康は取って置きの宝物を見せびらかす様に、自慢気にフェリビア達にルノワの事を紹介した。
「初めまして、第四騎士団の皆様。傭兵部隊第四小隊小隊長付き副官の、ルノワと申します。どうか宜しくお願い致します」
ルノワは信康に称賛されながら紹介された事に内心では喜びながらも、その事は表情には出さずに真顔でフェリビア達に丁寧に挨拶をしてから一礼をした。
「よろしくね。ルノワ。因みに私は第四騎士団団長直轄部隊天馬十二騎の一人で、『湖光』のサフィルロット・フォン・バンベヴィックというんだ」
「宜しくお願い致します。サフィルロット様」
ルノワがサフィルロットへ改めて、一礼して頭を下げる。しかしルノワが頭を上げた頃には、サフィルロットはルノワの眼前まで移動していた。ルノワの顎に右手を添えつつ、左手でルノワの銀髪を優しく撫でていた。
「ルノワはとても綺麗だね。この銀髪も絹の様に滑らかで、瞳は紅玉石の様に美しい。とても君から目が離せないよ」
「あ、あの。サフィルロット様?」
「私の事は、サフィルと呼んでくれて構わないよ。ノブヤスにもそう呼んで欲しいと、前に伝えているからね」
サフィルロットはルノワと息が掛かる程の距離まで顔を近付けながら、愛称で呼んで欲しいと頼んでいた。サフィルロットの素行を見て、信康達は溜息を一斉に吐く事しか出来なかった。
「ま~たサフィルの病気が始まった・・・」
サフィルロットの素行を見て、特にアクアマリンは溜息を吐きながら頭を抱える事しか出来なかった。
信康達の間に微妙な空気が流れる中、第四騎士団の団員が一人、信康達の下へ駈け込んで来た。
「御報告致しますっ! トパズ様達が、たった今御帰還されましたっ!!」
「・・・ふむ、戻って来たか」
団員からの報告を聞いて、信康達は一斉にダナン要塞があるであろう方角へ視線を向ける。
すると其処には確かにトパズ達が自身の部隊を率いて、信康達の下まで帰還しようとしている姿が見えていた。