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信康放浪記  作者: 雪国竜
第一章
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第144話

 フラムヴェル達が離れるのを計ったかの様に、ヘルムートがバーンとリカルドを襟首を掴んで引っ張りながら会議室に入って来た。


 ヘルムートに引っ張られた二人は、苦しそうに顔を歪めていた。そんな二人の様子を見てヒルダレイア達は同情したが、自業自得なので擁護する様な真似はしなかった。


「よし、これで全員揃ったな」


 ヘルムートは周りを見回して、誰も抜けていない事を確認した。


「お疲れ様です、総隊長。早速なんですが、一つだけ報告する事があります」


「うん? 何だ?」


 信康はそう言って、ヘルムートの耳元に近付き先程あった事を話す。


 聞いている途中から、顔色を変えるヘルムート。


「・・・と言う事態になりました」


「お、おまっ!? 俺が居ない間にっ!・・・喧嘩を売った相手がどんな奴か、分かっているのか!?」


「さっき名乗って際に、初めて知りましたね」


「お前な~・・・相手は神官戦士団の中でも武闘派で知られている、炎龍戦士団団長でこの国に六人しかいない六大聖女の一人だぞ」


「そうみたいですね」


 信康がそう言うと、ヘルムートは溜め息を吐いた。


「良いか? 神官戦士団は幾つかの宗派によって分かれている事は知っているな?」


「ええ。それ位でしたら」


「神官戦士団は、六大神教が中心だ。そして各宗派はそれぞれの神を信仰する女神官の中で、特に優秀で才能が溢れる者の中で選ばれるのが、聖女だ。尤も、神の声やら腕っぷしやらと小難しい選出基準はあるんだが、それはまぁ置いといて構わん」


「聖女って、そうやって選出されるんですね」


「そうだ。そして各宗派の六大神教を信仰する、神官戦士の束ね役も担っている」


「成程」


 だからフラムヴェルが、あんなに偉そうだったのかと思う信康。


「しかし俺が今言ったのは、実は聖女候補に求められる基準だ。本当の聖女になりたかったら、そいつはその選考基準に合格した上で、各宗派が所有する魔宝武具(マギ・ウェポン)を制御出来ないと駄目なんだ。しかもその等級は、神具級(シング)だ」


「それは、また」


 凄いなと思う信康。神具級の魔宝武具など、これまで生きて来て十回も見た事が無いので素直に驚いた。


 魔宝武具でも、相性がある。等級が高ければ高い程、相性が悪いと反発が強い。グランの事例が良い例だ。


 しかしグランと違ってフラムヴェルのあの反応を見るに、何も問題が無い様に見えた。


 それだけでフラムヴェルが、かなりの実力者だという事が分かる。


 フラムヴェルが強いと分かると、信康は笑みを浮かべた。


「お前と言う奴は・・・俺が居なかった僅かな間に、よくもまぁこれだけの騒動が起こせるな」


 信康の笑みを見て、頭を痛そうにするヘルムート。


「大丈夫ですよ。きちんと収拾は着けますから」


「馬鹿言えっ! 部下の責任は上司の責任だ。もし事態が悪化したら、ちゃんと言えよ」


「良いので?」


「当然だろうが、馬鹿野郎っ!」


 ヘルムートは信康の肩に手を回す。


「まぁ、取り敢えず売られた喧嘩は買え。そして勝てっ!」


 誰にも聞かれない様に、耳元で囁く様に言う。


 信康も小声で話す。


「へぇ、てっきり炎龍戦士団(あちらさん)の顔を立てて、負けろとでも言うのかと思いましたよ」


「馬鹿言うな。喧嘩を売って来たのは、炎龍戦士団(あいつ等)なんだからな。喧嘩買った以上は、勝って鼻っ柱を圧し折ってやれ。良いな?」


「・・・・・・ふっ。委細承知しました」


 信康がそう言うと、ヘルムートは笑顔で信康の背中を叩く。


「よし。この戦争に生き残ったら、俺の屋敷(いえ)で戦勝祝いの祝賀会(パーティー)をするからな。生き残れよ」


「了解です」


 信康は敬礼した。


 ヘルムートはリカルド達、他の傭兵部隊の諸将の顔を見る。


「お前等も招待するから、絶対に生き残れよっ」


『了解です!!』


 リカルド達も信康に倣って、ヘルムートに敬礼した。




 リカルド達がヘルムートに敬礼した直後、会議室の扉が開いた。


 今回の総大将であるグレゴートを筆頭に、各騎士団及び軍団を率いる諸将が入室し必要な要人はこれで全員集結した。


 第一騎士団の出席者は、今回の総大将にして大将軍兼第一騎士団団長のグレゴート。


 それと第一部隊隊長ギュンターを筆頭に、部隊長である諸将五十名。


 しかし副団長は病気の為、此度の防衛戦に参戦出来なかった。


 次に第二騎士団副団長である、エリック・フォン・ラッキンクグ。


 年齢は二十三歳。


 整った顔立ちをしているので、女性受けが良さそうな騎士だ。


 身体付きも精悍とは言い難く、むしろ平均的な身体付きをしていた。


 しかし見た目に反して、生真面目な性格で勇猛果敢な戦い振りで知られている猛将であった。


 エリックを除くと、部隊長である諸将二十名が参戦している。


 次に砲兵師団団長、ギブソン・フォル・ガルパンリ。


 豊かな口髭を生やし、もみあげと頬の髭と顎髭と一体となっている。


 人にしては、豊かな髭を生やしていた。


 それもその筈、彼は純粋な人間ではなく、鋼人族(ドワーフ)と人間との間に出来た半鋼人族(ハーフドワーフ)なのだ。


 年齢は三十歳。


 人間の血を引いている所為か、鋼人族(ドワーフ)ならば先ずありえない長身の持ち主だ。


 更に身体は筋骨隆々と来ている。


 性格は頑固な所はあるが、融通が利かないという訳ではない。


 彼の父方の先祖はウールダリル・フォル・ガルパンリと言う一介の鍛治師だった。


 ウールダリルは負傷して動けなかった戦乙女(ワルキューレ)を見つけて治療を施し、其処から交流を重ねて親しくなりやがては夫婦となった。


 戦乙女(ワルキューレ)の加護のお蔭か、それとも元々あった才能が開花したのか、或いは両方なのかは現在となっては分からない。分かっているのはウールダリルが戦乙女(ワルキューレ)を妻を迎えてからと言うものの、逸品ばかりが作れて次々に売れて行った事だ。


 特に彼が作る武器や甲冑は神々の武具に等しいと、そう賞賛される逸品の魔宝武具ばかりだったそうだ。


 ウールダリルが生み出した魔宝武具は後に初代プヨ王国国王のへブル王を筆頭に、当代の英雄豪傑達の愛器として活躍しプヨ王国の建国に貢献。ヘブル王はウールダリルに感謝して、男爵位を授けて貴族にした。


 鍛冶によって爵位を得た事とウールダリルの爵位と合わせて、人々はウールダリルの事を『鍛冶男爵(スミド・バロン)』と呼んだ。


 その先祖の血が流れていたお蔭か、歴代のガルパンリ侯爵家当主はプヨ王国の長い歴史で幾つもの画期的な発明品を生み出していた。


 そしてギブソンもその例外に漏れず、革新的な大砲を発明する事に成功した。


 従来の大砲は火薬で砲弾を打ち出す方法なのだが、彼は特殊加工した砲弾で大砲から撃ち出す方法を作り出した。


 その大砲を見たヴォノス王は大いに称賛して、その大砲の名前を彼の家名から取ってガルバリン砲と名付けた。


 更には支援攻撃を担う軍団として砲兵師団を設立させ、当時伯爵位だった爵位を遂に法衣貴族の最高位爵位である侯爵位にまで陞爵させた。この陞爵を受けたギブソンは歓喜で号泣しながら、始祖であるウールダリルを始め歴代の当主が眠る墓石の前で一晩中酒を飲み明かしたと言う。


 そして新設された砲兵師団の初代師団長は勿論、ギブソンが任命された。更にギブソンが開発したガルバリン砲は、プヨ王国海軍にも即座に配備された。


 しかし幾らヴォノス王の命令で作られたとは言え、後方で砲撃をする砲兵師団は貴族や騎士達の間では不評であった。


 安全地帯から敵を粉砕する砲兵師団は、命を賭して最前線で戦う軍人達の間では嫉妬の対象だったからだ。更に砲兵師団の規模拡大によって、自分達の存在が矮小化される事も懸念した。


 なのでプヨ王国軍上層部に人脈を持つ貴族達が手を回して、色々と難癖をつけて出陣させない様にさせていた。偶に出陣させても、大砲が必要ない戦場であったりした。


 なので騎士や貴族達は陰で砲兵師団を、『金ばかり掛かる役に立たない鉄塊を連れて戦場に行く師団』と言って馬鹿にしていた。


 今回の戦いでも同様に出陣が見送られそうになったが、大将軍に就任したグレゴートがそんな陰湿な妨害を一喝して一掃させて砲兵師団を出陣させた。その話を聞いているギブソンはグレゴートに多大な恩を感じ、今回の戦場では砲兵師団の有用性を実証させて存分に役立ってみせると意気込んでいた。


 ギブソンを含めた砲兵師団は、部隊長である諸将二十名が参戦している。


 次は第四騎士団団長、フェリビアだった。


 グレゴートを補佐するべく今回のプヨ王国軍の副将に任命されたフェリビアだが、相変わらず暑苦しい兜を被ったまま軍議の出席していた。


 副団長は第四騎士団の駐屯地にいるので不在だ。部隊長である諸将は二十名が参戦しており、その内何名かが天馬十二騎であった。


 次には第五騎士団副団長オストル。


 傍に居るプラダマンテに話し掛けながら、軍議が始まるのを待っていた。


 第五騎士団団長と後二人いる副団長は駐屯地に居るので、他に部隊長である諸将二十名が参戦している。


 次に神官戦士団。


 今回の防衛戦には、炎龍戦士団とその麾下に入っている従属神の神官と神官戦士の部隊を含めた部隊一千。


 そして海と水の神ヌエーギセリドアを信奉するヌエーギセリドア教団で構成された青海武僧兵団と、その麾下の従属神の神官と神官戦士を含めた部隊一千。


 最後に光と法の神カプロラリスを信奉する陽光戦士団と、その麾下の従属神の神官と神官戦士の部隊を含めた部隊一千。


 以上が神官戦士団の今回の構成となっている。


 そして、最後に近衛師団傘下の傭兵部隊。


 ヘルムートを筆頭に、信康達小隊長九名。


 以上が此度の会議に出席するプヨ王国軍の諸将だ。


「まずは此度の戦いで集まった者達には国王陛下に代わって、私から礼を述べさせて貰おう」


 そう言って、グレゴートは席を立ち頭を下げた。


「閣下。そう頭を下げる事はありません。此度の戦いは我等の故国を守るための戦いなのです。ならば、この場に集まる事に何の問題がありましょう」


「そうそう。騎士は国を守るのが仕事なんだから」


 フェリビアとオストルがそう言うので、グレゴートは頭を上げる。


「そう思ってくれて感謝する。では、軍議を行う」


 グレゴートは席に座り、部下に合図した。


 合図を見た部下は部屋の隅に置いてある、大きな巻物を広げて天上に吊るした。


 その巻物はフェネル周辺を描いた、精巧な地図であった。


「先ずは敵の規模についてだが・・・確認されているだけでも情報通り三万と考えられる。兵種は歩兵が一個旅団一万。騎兵が二個連隊七千騎。飛行兵が二個連隊七千騎。弓兵が三個大隊三千。補給兵が三個大隊三千と言う事も分かった」


 グレゴートがそう言うと、会議に参加している諸将は何も言わなかった。


 もう分かっている事を言っているのは、全員での確認と情報共有の為だ。


「そして我が方で出した偵察が得た情報の結果、敵総大将である征西軍団団長と副団長二人の名前が分かった。敵軍団長ブラスタグス・ド・イケニであり、副団長の一人はユリウス・パウリヌスだ。もう一人の副団長の名前は・・・」


 グレゴートがそう言っていると、今度は会議室が騒然とした。


 敵の総大将と副将の名前が分かって、驚いているみたいだ。すると第二騎士団副団長のエリックは、ユリウスの名前を聞いて自然と握り拳を作った。そしてヘルムートと無意識に視線を合わせると、二人は同時に頷いた。


「それと、これを見て貰おう」


 グレゴートは地図に赤く×印を付けた。但し地図とは貴重品なので、他の部分は汚さない様にだ。


「これは敵が襲撃を受けた、村々に印を付けたものだ」


「敵は村に襲撃を掛けたみたいですが・・・村の住民は?」


「第五騎士団や傭兵部隊の尽力もあって助かった所もあるが、間に合わずに全滅した所もある。村人達はカロキヤ軍に連行されており、その目的は奴隷としてトプシチェに売り飛ばす為だと思われる」


 グレゴートは忌々しげに首を横に振る。


 聞いたエリックも俯いた。


「この件を考えて、私から一つ提案がある」


 グレゴートの言葉に、諸将は耳を傾けた。


「このままに敵の思うがままにさせては、フェネル以北の村々が脅威に晒されるだろう。故に村々に住んでいる村人達を、この一帯が防衛網地帯である事を利用して最寄りの城塞や要塞等に一時避難させるべきだと思う」


「それは各村々に護衛部隊を送って、最寄りの軍事施設に避難させるという事ですか?」


「うむ。そうすれば我が国の村民達は敵に拉致される恐れが無くなり、プヨ軍(我々)も敵の略奪に気取られる必要が無くなる。それにプヨ軍(我々)はこのまま守りを固めれば、敵は兵糧に欠き飢えるだろう。其処を叩けば、苦労せずしてこの戦争に勝利すること間違いない」


 グレゴートの作戦を聞いて、諸将は感嘆の声を漏らす。


 戦略的にも間違っていない上に、戦術的にも問題ない。


(流石だ。第一騎士団の団長を務め、大将軍に任じられるだけの事はあるな。前のと違って、安心して戦えそうだ)


 信康もグレゴートの采配に、素直に感心した。


 しかしそんな妙案と思われる作戦に、異議を唱える者が居た。


「閣下。一つ宜しいでしょうか?」


 そう声を掛けたのは、傭兵部隊のリカルドだった。


 リカルドがグレゴートに声を掛けたので、会議室にいる者達は全員がリカルドを見た。信康とヒルダレイアは、思わず溜息を吐いた。


「そなたは?」


「自分は近衛師団傘下傭兵部隊所属、第一副隊長兼第二小隊小隊長のリカルド・シーザリオンであります」


「傭兵如きが、軍議に口を挟むな!」


 第一騎士団の部隊長が、リカルドの立場を聞いて口を荒げる。


「ですがっ」


「やかましいっ。貴様らは黙ってこちらの指示に従え!」


 そういう気持ちは分かるが、流石にそれは言い過ぎだろうと思う信康。


 傭兵にも命令に従わない自由はある。


 叫んでいる部隊長には、それが分かっていない様だ。


「まぁ、待て」


 荒ぶる部隊長を諫めたのは、同僚であるギュンターであった。


「閣下。此処は色々な者の意見を聞いて、作戦の幅を広めるのも一つの手ではありませんか?」


「うむ」


 グレゴートは頷いてから、リカルドを見た。


「作戦に不備でもあったか?」


「いえ、素晴らしい作戦だと思います。ただ自分は一部修正したいと思い、恐れながら声を上げさせて頂きました」


「修正か。何処をだ?」


「はい。閣下が仰った様に村々に住んでいる住民達を近くの軍事施設まで護送しつつ、軍の一部を城塞都市アグレブにも向かわせるのです」


「・・・・・・中入りの策か」


 中入りとは、別動隊で敵の拠点又は思いもよらない所から攻撃する戦術だ。


 状況次第では悪くない作戦である。


「我が軍と敵の兵力差は、城塞の兵力を入れて漸く互角なのだ。中入りをの策は、兵力に余裕がある状態でするべきではないか?」


 グレゴートは反対と言うよりも、其処の所を確認させるために訊いている様だ。この一言だけで、グレゴートの度量の広さが伺える。


「敵もそう考えて、油断するかもしれません」


「アグレブにも守備兵力があるだろう。何より、あの真紅騎士団(クリムゾン・ナイツ)が守護している。もし真紅騎士団(クリムゾン・ナイツ)が討って出てきたら、中入りさせた部隊は全滅するだけだぞ?」


「ええ、ですので。あくまで陽動です。もしアグレブを討って出て来たら、即座に撤退すれば損害を受ける心配は無いかと」


「陽動?」


「はい。敵も我がプヨ内にある、唯一の拠点を失いたくない筈です。ですので、敵も軍を動かす筈です。そうすれば、敵軍が何処に陣を構えているか分かるかもしれません。それに村々の住民の避難の時間稼ぎにもなります」


「そなたの話を聞いた所だと、敵を動かす為と村の住民の避難させる為に囮になると言う事か?」


「その通りです」


「ふむ。悪くはないが・・・先程も言った様に、その中入りを担当する部隊は下手したら全滅する可能性が否めぬな」


「確かにそうなのですが・・・危険性(リスク)を恐れては勝利はありません」


「それも一理ある。だが、敵が動くかどうかも分からないのに別動隊を出すのは、素直に賛成出来ぬな」


「しかし、敵が動かずとも住民の避難の手助けにはなります。自分の小隊は騎兵小隊ですので、ご命令頂ければ自分が中入り部隊に志願致します」


「・・・・・・いや、此処は先程の作戦通りとする。全滅の可能性がある作戦など、指揮官として容認出来ぬからな。そなたの勇気と民を想う優しさは買うが、今回は耐え忍べ」


「・・・・・・・・・」


 自分の提案を却下され、リカルドは残念そうに俯いた。


「他に意見はあるか?」


 グレゴートは訊ねた。


「では、各村に避難誘導させる為の、部隊を決める」


 その後は、どの村にはどの部隊が行くか話し合った。


 勿論、傭兵部隊も避難誘導の部隊に入った。


 そして、軍議が終了した。


 グレゴートと麾下の諸将は準備の為に、足早に会議室を出て行った。


 傭兵部隊も明日の準備をしようと、会議室を出て行く。


 そんな中で、信康一人会議室に残っていた。


 信康は目を動かし、神官戦士団を見た。


 そちらでは、フラムヴェルがアンヌエットに話し掛けていた。


 それを見て信康は、審判役に誰を呼ぼうか考えた。


(・・・・・・ルノワにするか)


 何となくだが、頭に思い浮かんだ相手がルノワだった。


 自分の審判役は決まったので、後は向こうが誰を審判にするかだけだ。


 そう思い、信康はフラムヴェルの話が終わるのを待った。

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